糖質制限食は、多忙なビジネスマンが手っ取り早く体重を落とす方法としては良い方法だろうと思います。
ただし、今はやりの糖質制限には信者たちの誤った考え方が入り混じっていますから、鵜呑みにはできないと思います。


昔の糖尿病食はたいへん面倒なものでしたが、糖質制限なら簡単ですし、糖質を制限すればたしかに血糖値が上がりません。
しかし、糖尿病の治療食としては優れているかも知れませんが、健康な人にとっても理想的なダイエット法とまでは言えないと思います。


糖質制限食の神様、ドクター江部はよくエスキモーを例に出します。

エスキモーが糖質を摂らず、アザラシの肉だけで生きていけるのは、ケトン体が脳のエネルギーとして利用されるからだとドクター江部は説明します。


そこで、私もスーパー糖質制限食を実行してみました。
そして2週間、毎朝ケトン体を調べてみましたが、ケトンは一度も出ませんでした。




ドクター江部のサイトに彼の血液検査の結果が載っていますが、彼自身もケトンが出ていません。


ケトン体は、絶食を3日間続ければ検出できるのですが、それでもタンパク質を食べると、とたんにストップしてしまいます。

その理由は、人体は血液中のアミノ酸2gから1gの糖を糖新生できるからです。
エスキモーの脳はケトン体で働いているのではなく、アザラシの肉からの糖新生ではたらいているのです。


糖質制限食には欠点があります。
その1つは、有名なことですが、おならが臭くなることです。

原因は、肉食が腸内の細菌叢を悪くするからです。
ビフィズス菌は炭水化物を食べて生きているのですが、糖質制限食ではエサが不足するのでビフィズス菌が生きにくいのです。
糖質制限食は便秘するので、健康に良くありません。


もう1つの欠点は、眠りが浅くなり夢を見て夜中に何度も目が覚めることです。
これは、糖質不足のために、脳がエネルギー不足を気にするせいだろうと思います。


ドクター江部は、このような欠点についていっさい述べません。
それは彼が糖尿病の担当医だからだろうと思います。
糖尿病患者に、治療法の欠点を伝えない方が良いからです。


ドクター江部が、糖質制限食を糖尿病治療だけにかぎっている間は良かったのですが、健康な人のダイエットに糖質制限食が勧められるようになってからは、話がおかしくなりました。
最近は、インスリンダイエットの間違った考え方までが入り混じって、誤った理論が広がっています。


糖質制限食の信者たちは、糖質制限食の良さを説く前に、本当にケトン体が出ているかどうか、実際に調べて見ると良いと思います。