> 糖質を外食などでたまに入れると効果がなくなるという話も聞きました。本当でしょうか。


それは少し違うと思います。たまに外食するくらいで効果がなくなることはありません。


この話の説明は簡単でありません。脂肪燃焼やケトン体の話がからんでくるので、一度で説明できません。

あなたには糖質制限が向いているのですから、それにはあまりこだわらないで、タンパク質を多めに食べることだけ考えていれば良いと思います。


外食で糖質を入れると効果がなくなるというのは、ケトン体のことを言いいたいのだと思います。


ケトン体は、絶食すると3日目から出ます。
地震災害で、救助隊がガス検知器や救助犬を連れて行きますが、これは、人間が生き埋めになると3日目からケトン臭を出すので、その臭いを検知して救助しようとしているのです。


ケトン臭は、脂肪が消費される時の産物ですが、糖質を食べると止まります。
そのことを読んだ人が、糖質を食べると効果がなくなるなどと書くのだと思いますが、ケトン体はタンパク質を食べても止まりますから、それは勘違いです。


下図は、細胞内で脂肪が燃えるときの代謝経路を示します。
この図で右側の経路が、脂肪の経路です。
脂肪はベータ酸化されてから、アセチルCoAになります。
アセチルCoAは、糖質から作られるピルビン酸によってTCA回路(エネルギー回路)に運ばれます。
もしも、絶食をして、この経路が閉ざされると、脂肪はケトン体になって血液中に流れ出します。





脂肪がケトン体になって流れ出ているときに、糖質を食べると、ピルビン酸が得られるので、脂肪は元の経路を通って燃え始めます。
この図をよく見ると、ピルビン酸は糖質だけでなくタンパク質からも得られます。

ですから、糖質だけでなくタンパク質を食べてもケトン体が止まるのです。

そのことを知らない人が、糖質を食べると効果がなくなるなどと言うのです。


糖質制限食は、タンパク質を食べるので、ケトン体が出ていません。
あなたも、身体からケトン臭が出ていませんから、それは実感できると思います。
糖質制限食は、もともとケトン体が出ていないのですから、外食したら効果がなくなるということもないのです。

糖質にこだわらず、タンパク質を多めに食べることだけを考えていれば良いと思います。


> 自分はタンパク質ばかり食べたいというものになりましたが、週1では外食も行くし、アイスなど食べたい時もあります。それでも、ダメだと聞くと、炭水化物は食べてはいけないような気がしてきます。


たまには外食したり、アイスを食べたりしてもかまいません。

人体はタンパク質から糖質を作ることができます。そのことを糖新生といいます。
人体はタンパク質2gから1gの糖を糖新生できます。
たとえば、ささみ100gには25gのタンパク質が含まれています。
25gのタンパク質から12gの糖質が得られるので、アイス1個とささみ400gが等しいという計算になります。
アイス1個かささみ400gか、どちらでも好きな方を食べれば良いのです。


> また、ブログの中には、タンパク質、脂質食べていると、摂取カロリーは今までより+700Kcalくらい増えているのに太らないという人がいますが、それもそのタンパク質の燃焼との関係で、事実なのでしょうか


700Kcalはちょっと多すぎると思いますが、タンパク質が太りにくいのは事実です。

炭水化物はたくさん食べると、身体が余った炭水化物を脂肪に変えて蓄えます。
ですから、炭水化物を食べ過ぎると、体脂肪率がすぐに増えてしまいます。


一方、タンパク質は食べ過ぎても筋肉が増えるわけではありません。
身体がタンパク質を脂肪に変えるには、まず糖質に変換し、次に糖質から脂肪に変換することになるので、簡単に脂肪にはならないのです。


タンパク質が好きで満足感が得られるのでしたら、タンパク質を多めに食べると良いと思います。