ダイエットとは、 摂取カロリー<消費カロリー になるようにカラダのエネルギー収支を不足状態にして、貯えられた脂肪から不足エネルギー分を消費するということです。


太っている人は、脂肪というタンクにエネルギーをたくさん貯えているのだから、これがなくなるまでエネルギーを補給しなくても大丈夫なはずなのに、 何故おなかが空くのでしょうか?


それは、脳の食欲を調節する中枢が、カラダ全体のエネルギー量ではなく、 血糖値を測るセンサーしか持っていないからなのです。
血糖値が低いときに、脂肪が消費されるのですが、その状態では血糖値が上がらないので、 脳がエネルギーが足りないと判断するからおなかが空くのです。


血糖値を維持しているのは、肝臓のグリコーゲンのタンクです。
容量は300-400kcalしかありません。





空腹を長く我慢して、たとえほとんど空っぽになった状態でも、炭水化物を300kcal以上取ると、このタンクに納まりきらず、余剰分が脂肪になります。


いったん脂肪に転化された糖質は二度と糖質には戻らないので、 再びおなかをすかせながら、脂肪を分解してやらなければなりません。
いわばダイエットは、脂肪の分解と蓄積のバランスです。

分解の過程では必ず空腹を感じなければならない宿命にあります。

この事から、肝臓のタンクを溢れさせないように ”少しずつ食べる” のは、得策だということがおわかり頂けないでしょうか。


さらに、肝臓というのは甲状腺ホルモンなどの活性調節を通じて、 エネルギー代謝量を調節している臓器です。
この肝臓が判断する”エネルギー不足”というのもやはり血糖値と、 肝臓のグリコーゲンの残量なのです。


血糖値が低く、脂肪の分解が亢進している状態では、 飢餓に備えたモードに入っていきます。
この点からも、ダイエット中の少ない摂取エネルギーは、 なるべく厳密に時間配分して食べ、血糖値を安定させ、 肝臓と脳を”だましながら”脂肪を消費しようというのが、 デトロイト式のコンセプトです。


この方法を守れば、普通は危険だと言われている低カロリーダイエットも、 案外安全に行えるのではないかということです。


勿論エネルギーの他の栄養成分は十分に摂る必要があります。
また、BMIの高い人は体重減少が劇的に進みますが、 標準体重に近い人、それ以下の人では血糖以外の代謝調節機能が 働いて理屈通りに進まない可能性はあります。


今のところ二人の成功者は男性だけです。
女性には別の要素が働くのかどうか知りたいところです。


標準体重以下の人がスリムになりたいと考える場合には、 栄養学ではなく、別の心理学的考察が必要です。