桜の花が、例年より、一週間ほど早く咲いた2018年。その桜が満開で咲き誇っている今年の3月、切り絵画家の「久保修」さんとのインタビューをする機会を得た。福島での展覧会直前にもかかわらず、お時間をとってくださった。このインタビューは、もう何年も会っていなかった、筆者の中学時代、高校時代のクラスメートが、和紙のことをやっているんだったら、この人と話してみたらとメールをくれたのがきっかけだった。縁は異なもの不思議なものを、地で行くような事の運びだった。

(久保修さんとのインタビュー2018327)

 

最初に、久保修さんをご存知ない方に、簡単にご紹介させていただきたい。日本の数ある切り絵画家の中でも、久保さんは、日本国内はもとより、全世界で認められている唯一の画家ではないだろうか。国内では、ほぼ毎年日本各地で個展・展覧会を開いておられる。そして、久保さんの切り絵を使用した商品も、サントリーをはじめ数多くあり、さらに、ふるさと記念切手も1999年、2009年、2012年と発行されている。年賀状のデザインにも2回採用されている。

(サントリービール ザ・プレミアム・モルツの缶のデザインは2015年から毎年採用されている。今年、2018年は、福島の春というエリア限定)

 

海外での活動は、ざっと挙げただけでも、アメリカでは40カ所でワークショップや大学でのレクチャーをされている。さらに、スペイン、ポルトガル、ロシア、イラン、キューバ、トルコ、ジョージア、アジアでも、フィリピン、マレーシア、シンガポール、中国、シンガポールと、それこそ「地球儀を俯瞰する」活動をされている。久保さんの外交は、日本の知恵と美、そして芸術を発信しているのだ。なお、久保さんは、今年海外では、インドネシアでも9月に活動を予定しているそうだ。

 

 

そして、今年、2018年は、4月1日から5月6日まで福島市で「切り絵で描くジャポニスム」を福島民報社創刊125周年記念事業として展覧会を開かれている。 出品される作品数も、1988年から2018年までの30年間の集大成で190を超えるそうで、相当、気合が入っている。制作時間は短いものでも3週間ぐらいかかるとのことで、大きな作品では、年単位かかるという。それだからこそ、190の出品ということの重さが分かるのである。ゴールデンウィークには、是非、福島を行ってご覧になっては如何。

 

(福島民報社創刊125周年記念事業)

 

今回は、現在にいたる久保さんの活動の軌跡と、久保さんが進めている「紙のジャポニスム」についての話、切り絵の作り方などを話していただいた。