★高校生議会④(決議文)★



 上位5名の意見が『高校生議会』の決議文として、私(県議会議長)と浜田知事に手渡されました。『高校生議員』の皆さんにご提案いただいた案件は、すでに取り組んでいるものが多かったのですが、やり方であったり、高校生の視点での考え方は大変参考になり、心に響くものがありました。決議文に選ばれた5件はもとより、すべての高校生議員の皆さんの意見を、今後県政に反映してまいります。
 今回の『高校生議会』にご協力いただいた、県内すべての高校生の皆さん、教職員の皆さん、香川県教育委員会や総務部の関係者の皆様、何より私の発案を形にして設営等にご尽力いただいた県議会議会事務局の職員の皆様に心から感謝を申し上げ、『高校生議会』の報告とさせていただきます。

香川県議会議長 辻村 修


※ 『高校生議会』参加者の皆さんと記念撮影 


尚、決議文に選ばれた5件は下記のとおりです。高校生議会の様子は後日県議会ホームページで動画配信いたします。

① 【香川県で、教育立県を復活させる】   高松高校 玉木献人

"まず、この日本一小さく、そして資源も少ない香川県を発展させていくために、教育に目を付けた。教育と聞いてピンとこない人もいると思うが、実は香川県は以前、教育を充実させて良い人材をたくさん輩出し、そしてその人材で県自体も成長していくという、教育立県として名をはせていた。その時の香川県は、全国的にも教育の水準が高い県として認められ、経済もものすごい勢いで発展していた。そこで今回、今世界で求められてきているグローバルな経済活動やインターネットの発達に合わせた新しい教育立県を目指すべく、2つを考えた。
1つ目は、スイスのダボスや軽井沢にあるような世界中の優秀な子どもが集まる寄宿制の学校を瀬戸内海に作ることである。この寄宿制の学校は、香川県の子どもが世界中の子どもたちと寝食を共にすることを通して、世界規模の人脈作り、世界に通用するコミュニケーション能力、そしてこれからの時代に求められる、国際人としての資質を養えることが期待される。そして、香川県出身の良い人材がたくさん生まれることによって、海外進出を目指す香川県の企業も、将来彼らと提携することによって、より世界の舞台でのびのびと幅広く活動することができるようになる。この学校を作るにあたっては、学校の将来性を見込んでくれた企業からの寄付なども含めて、香川県全体で実現に向けて行動していきたいと思う。
2つ目は、香川県の小中学校の授業にスマートフォンのアプリを作る授業を導入することである。アプリを作ることを通して、インターネット社会で生き抜くためのプログラミング能力やそして自分のアイデアを形にする力を養えるようになる。何もないゼロの状態から、自分たちの日々の生活で生まれる疑問や、もっと改善できる題材を見つけて、それらを解決するためのアプリを一から作っていけば、先ほど挙げた二つの効果だけでなく、仲間とアイデアを共有することの楽しさや、難しい問題を乗り越えた時の達成感など、かけがえのない経験が、たくさんできると思う。
以上2つは、香川県で新しい教育立県を実現し、香川県を世界に通用する人材を育成できる県にすることを目標としている。いずれも、すでに世界ではもう成功例が出ている。実際、スイスのダボスからは多くの優秀な人材が生まれて世界の舞台で活躍しているし、イギリスには自作のアプリで多額の利益をあげ、人々の生活にも役立つことができた子どもがいる。実現可能だと思うので、ぜひこれらを実現し、新しい香川県を作るための糧としたいと思う。"

② 【香川県の特色を生かして~香川県から観光客・人口増加~】坂出高校 𠮷田陸斗

"香川県の特色を生かして、香川県を今以上に盛り上げ、活気づけるために大きく「観光客・人口増加」をかかげ、取り組もうと考えている。
これを実現するための1つ目の政策は、香川県に政府機関を誘致することである。今、文部科学省などの政府機関は東京に集中している。そこで、東京に集中している省庁の一部を、災害が少なく、温暖な気候の香川県に誘致すれば、香川県の各企業にも仕事が増え、香川県民が働くことのできる職場も増え、香川県の政治・経済がより一層盛り上がると考える。また、各企業の仕事や、職場が増えることは、人口増加、移住のための大きな第一歩だと考えている。そのためには、香川県民の政治的関心を高めることも必要なので、そのための政策もしなければならない。このように、私たちの香川県に、各省庁を誘致すれば、香川県を今以上に盛り上げ活気づけることができると思う。また、香川県に政府機関を誘致すれば、それが高校生を含む香川県民の政治的関心を高めるための足掛かりになることは間違いない。平成27年6月には、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、私たち高校生が選挙を通じて政治に参加することが身近なこととなる。政治や選挙を自分たちのこととして考えるためにも、香川県に政府機関を誘致することは必要不可欠である。
そして、2つ目は、香川県の観光客、そして定住人口を増やすことである。平成26年8月から平成27年8月までの1年間で、香川県の人口は、4160人減少している。そこで、瀬戸内海の島々などで開催される瀬戸内国際芸術祭を中心にして、香川県の観光客と人口を増やそうではないか。まさにこれこそ、香川県の特色である。まず、中心となる瀬戸内国際芸術祭のために、県外・国外から数多くの芸術家を招致し、瀬戸内国際芸術祭を盛り上げたいと思う。そのために、香川県にある空き家をアトリエとして貸し出し、芸術家が創作しやすい環境を整えることで、瀬戸内国際芸術祭がより一層盛り上がることであろう。このように、瀬戸内国際芸術祭を盛り上げることによって、香川県への観光客は、より一層増加することであろう。そして、瀬戸内国際芸術祭で得た観光収入を、人口増加、移住のために活用すれば、香川県の人口増加にもつながると思う。
最後に、私たちの香川県は私たちの想いと行動で良くも悪くもなるのである。"

③ 【復活☆笑展街】  善通寺第一高校 土井理紗子

"「復活☆笑展街」をテーマに大きく3つのことを考えた。
1つ目は商店街の改革である。丸亀商店街の近くには丸亀駅がある。交通の便もよく、丸亀のなかでも住みやすい場所のひとつである。そこにマンションやアパートを建て若者を集める。そして、広い駐車場を作り、車でも来やすい環境を整える。さらには、大型ショッピングモールと同じように、トイレやベンチ、エスカレ-ター、エレベーター、自動販売機も設置し、買い物の途中に休める場所も作る。商店街内部の改革としては、広く商店街の存在を知ってもらうために、定期的に広告を出すのはどうか。HPなども開設し情報を発信していくのも宣伝の効果があると思う。また、「一店逸品運動」として店長が自信を持っておすすめできる「逸品」を作り、その商品を中心として店をアピールしていく。そして「100円商店街」ということで各店舗に100円コーナーを設置し、誰でも買い物しやすい場所を作ってはどうか。さらには商店街にある飲食店が、5枚綴りのチケットを発行・配布し店を飲み歩いてもらうというのも面白いと思う。店はチェーン店と昔ながらの店とが共存できるようにし、定期的に屋台を出店していきたい。また、店員と客とが積極的に会話をすることで、地域のコミュニティーにもつながっていけばと思う。
2つ目は高校生による童話の製作である。題して「昔むかしの香川県」。高校生が自分の住んでいる土地を題材とした童話をつくる。丸亀市なら飯野山や丸亀城など。作った童話をもとにジオラマを製作し、商店街の至る所に童話と共に展示する。そうすれば買い物途中の人たちの目にとまり足をとめてもらうことで、高校生が地域との関わりを持つことができ、各地の童話によって地元に愛着を持つことができるのではないか。
3つ目は「香川県大文化祭」である。実施するのは年に1度の2日間。香川県内にある、小・中・高・大・養護学校がひとつの商店街に集結し、展示や出し物を行う。行う市は、オリンピックのようにローテーションで。学校ごとにリーダーを選出し、まずは市で話し合い、その中からさらに代表者を選出して県で話し合う。進捗状況は香川県のHPに掲載してほしい。各地の土地の良さを知るきっかけにもなるし、学生はもちろんのこと、香川県中のたくさんの人々が参加することで、商店街および、県内全体の活性化にも繋がると思う。"

④ 【輝け 我らの 香川県】   多度津高校 宮崎夢海

"「輝け 我らの 香川県」をスローガンに掲げ、私たちのふるさと香川県がより輝くことができるような取り組みを考えた。この取り組みには三つの柱がある。
一つ目は「知る香川」である。他の県の人に「香川県といえば」と聞くと、ほとんどの人が「うどん」と答えると思う。しかし、私たちはうどんはもちろんのこと、他にもさまざまな特産品や観光地があることを知っている。「こんぴらさん」や「八十八か所巡り」、最近では「瀬戸内国際芸術祭」などのイベントをアピールしていく必要があると思う。他の県の人に興味を持ってもらうために、香川のお土産品などの箱や袋に「地元の声」を載せてもらうということを提案する。私たちは買い物をした時に買った商品のパッケージや商品情報など見てしまう。そこに香川のアピールを載せれば、興味を持ってもらえるのではないかと思う。
二つ目は「優しい香川」である。いつも話しかけてくれるおじいちゃん、おばあちゃん。元気にあいさつしてくれる小学生。香川県の人は優しい人が多い。近所の人に採れた野菜をおすそわけしたり、道端でおしゃべりしたり。コミュニティはある。それを強くすることが大切かと思う。例えば、「ここは崖になっていて危ない」や、「この家にはあの人が住んでいる」等は、事故防止や防犯につながる。高齢化率25%以上の香川県にとって、子どもから高齢者までの結びつきは大切になるのではないのか。例えば、老人ホームと児童館を隣接することで毎日顔をあわせることができ、ふれあいの機会も増え、高齢者から次世代を担う子どもたちへ伝統や習慣を受け継ぐことが出来ると思う。また、30年の間に70%の確率で起こるといわれている「南海トラフ巨大地震」においても、地域の人との関わりはすごく重要になってくる。協力し、支えあうことが出来たならば、被害を抑えることが出来ると思う。地域ぐるみで避難訓練を実施したり、防犯のイベントに参加したりすることで、安心・安全な香川県につながると思う。
三つ目は「暮らす香川」である。香川県の人口は100万人をきっている。UターンやIターンで香川に来てくれる人を増やすことが必要だと思う。アート県として、デザイナーの方に移住してきてもらいたい。そうすることで、「瀬戸内国際芸術祭」が盛り上がるのではないかと思うからである。しかし、移住してきてもらうには、働く場所が必要である。そのためには、雇用を増やすべきである。第六次産業を活性化させることで、たくさんの雇用が確保できるのではないかと思う。第六次産業とは、第一次産業、第二次産業、第三次産業を連携して行うことで、地域が活性化するというものである。仕事があり、自然豊かな香川県で、生きがいのある楽しい香川県ライフを送ることができると思う。"

⑤ 【地方創生のために】   観音寺中央高校 瀬戸雅也

"地方を創生するためには、まず地元の企業が成長して、住民と協力しながら地域に根付いた職場になり、その企業が地域のためにボランティア活動や寄付活動を行うことで、企業と住民たちの間で良い関係が結ばれていくことが必要だと考えた。また、企業だけではなく地域の住民も地元のお店で物を買うように努力し、地域経済の景気を上げることが大切だと思う。こうしたことで、地域の企業が発展し、地元が元気になっていくと思う。イベントを開催することも活性化の起爆剤として効果的だと考える。イベントを通して、他県の人たちにも楽しんでもらい、さらに地域が活気づいていくことで「地方創生」につながると思う。
観音寺の企業や商店街の取り組みを調べてみた。創業150年を迎えるある企業は、昔から地域密着ということをコンセプトにして企業とお客様との関係を築き、現在は地元のお客様を対象に太陽光発電システムなどを販売している。琴弾公園の松の木を植樹したり、観音寺市・三豊市に車イスを寄付したりと地域に貢献している。さらにはベトナムやカンボジアの幼稚園建設などにも資金を出し、国際貢献している。地域の人々はこの企業で購入することにより、地域・国際貢献に協力することになる。また、観音寺の商店街には下着屋さんの中にケーキ屋さんがあるというような、ショップインショップという新しいお店のかたちがある。このような今までにないことにチャレンジしていくことで地元で買い物をする住民が増え、地方創生につながると思う。
そこで、「さぬきのうまいうどんを追うどん!!」というイベント開催を提案する。香川県ではうどんが有名なので、他の都道府県のラーメン博やB級グルメのように、香川県のうどん屋さんを集めた大会を開催すれば、全国から人が集まると思う。西讃、中讃、東讃地区での優勝、総合優勝を決めることなどでもその店舗のやる気や士気を高めることにつながると思う。また、イベントが終わった後も気に入ったお店に観光をかねてまた来てくれるなど、双方にとって利点が生まれると思う。
イベントを通して地域を活性化しようという意識が高まり、地元をより良くしていくために一人一人が地域のために行動できると思う。また、このような活動を1年で終わらせるだけではなく、持続的に続けていくことで香川県を気に入り、移住してくる人も増えてくると思うし、若者も都会へ行かず、地域のために頑張ろうと思ってくれると思う。"