1. 持続可能な田園都市の構築について

 

(質問)

質問の第一点目は持続可能な田園都市の構築についてであります。

大都市でのライフスタイルが日本の出生率低下を加速させており、ポストコロナ時代、日本経済を維持していくためには東京一極集中では日本経済の沈没が進むのは明白です。本県においてもデジタル田園都市国家構想の考えを取り入れるなど、人口減少社会にも対応した『自立力の高い田園都市』を構築していくことが急務ではないでしょうか。

国が示した新しい資本主義の提言においては、デジタル田園都市国家構想を実現するための手段として、テレワークの推進や中小企業のDXの推進、教育のICT環境の充実などが挙げられており、こうしたデジタルの実装が今後の人口減少対策には必須なのは明らかであります。

国が、将来的に永住権の取得の道も開かれている在留資格「特定技能2号」の対象分野の拡大の検討を進めているとの報道がありましたが、「特定技能2号」には在留期間の上限はなく、家族帯同も認められることから、特定技能のような外国人労働者の受入れ促進も有効ではないでしょうか。

また、持続力の高い田園都市を造るためには、国外を含む県外からの外貨を稼ぐ力のある産業を育成し、他国や他地域からの影響を受けにくい自立力を高めることが重要であると考えます。

人口減少を克服し、香川県が『持続可能な田園都市』を構築していくためには、デジタルの実装、外国人労働者の受入れ、外貨を稼ぐ産業の育成などについて、具体的かつ戦略的な対策を講じるべきであると考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事のご所見を伺いします。

 

(知事答弁)

 辻村議員の御質問にお答えいたします。

まず、持続可能な田園都市の構築についてであります。

 都市の持つ活力や利便性と、田園の持つゆとりや安らぎを兼ね備えた魅力ある生活圏である「せとうち田園都市」の創造に向けた歩みを確かなものにするため、新たな総合計画や、今定例会に見直しの素案をお示ししている「第2期かがわ創生総合戦略」に沿って、デジタルの実装や県内産業の育成など、人口減少問題の克服につながる様々な対策を、現状の分析を行いつつ、総合的に推進していく必要があると考えております。

具体的には、議員御指摘のデジタルの実装につきましては、今般の国の経済対策の一つである「デジタル田園都市国家構想推進交付金」の積極的な活用を検討するほか、現在準備を進めております「かがわDX Lab(仮称)」において、各市町や民間事業者と連携し、本県における地域の課題解決のための実証などを行い、そこで生まれたサービスの社会実装を図ってまいりたいと考えております。

外国人材の受入れにつきましては、生産年齢人口が減少する中、外国人材は、本県経済の持続的発展に必要不可欠な人材となっていることから、

引き続き、特定技能制度の説明等を行うセミナーを開催するとともに、外国人材の受入環境の整備に要する費用に対して助成するなど、県内企業における外国人材の受入れを支援してまいりたいと考えております

また、議員御指摘のとおり、県外や国外から資金を稼ぎ地域経済を牽引できる産業を育成していくことが必要であることから、ものづくり分野や食品・バイオ関連分野などを成長のエンジンとなる分野に位置づけ、AIなどの先端技術を活用した生産性向上や新産業・新サービスの創出のための研究開発を支援するとともに、国内市場が縮小傾向にある中、県内企業の海外展開を支援するため、コロナ禍においても、オンラインによる商談会や海外展開のための講座を開催するなどにより、県内産業の多角的な成長・発展につなげてまいりたいと考えております。

私といたしましては、引き続き、県民の皆様をはじめ、企業、団体、各市町などと連携・協力しつつ、スピード感を持って人口減少対策に全力で取り組むことにより、持続可能な「せとうち田園都市」の確かな創造に向けた歩みを進めてまいりたいと考えております。