3 河川改修の推進について

 

(質問)

質問の第3点目は河川改修の推進についてであります。

ここ数年ゲリラ豪雨などによる自然災害が多発しており、県内では、近年、大規模な災害は起こってはいないものの、台風等を原因とした浸水被害は度々起こっている。地元善通寺市を流れる弘田川水系においても、平成16年などに、善通寺市や多度津町の市街地で浸水被害が発生している。こうした自然災害は、今後、発生リスクが更に高まることも予想されており、その対策が急がれます。

そうした中、国は、従来の管理者主体型の治水から、河川の流域全体の関係者が協働して取り組む流域治水への転換を推進し、本県においても「流域治水プロジェクト」を今年8月に策定し、取組みの進捗が期待されるが、これまで以上に河川管理者たる県の責務が増すと考えます。

流域の住民の命と財産を守るためには、まず河川の氾濫を防ぐことが重要であり、護岸等の河川管理施設等のハード対策を強力に推進する必要があるが、弘田川水系では、工事の進捗は年に数十メートルであり、財政的な制約があるにしても、不十分と考える。

平成30年7月豪雨で多大な被害を受けた倉敷市では、治水工事を先延ばしたとして、住民が国に対し訴訟を起こしており、本県においても同様の訴訟が起こる可能性もあります。

気候変動により豪雨災害が増えることが予想される中、河川の氾濫を防ぐために県内河川の改修を今まで以上に推進する必要があると考えるが、今後どのように進捗を図るのか、知事の所見をお伺いします。

 

(知事答弁)

次は、河川改修の推進についてであります。

 近年、全国各地で水害等による甚大な被害が発生している中、県では、気候変動の影響や社会状況の変化などを踏まえ、県内を7つの圏域に分割し、圏域ごとに重点的に実施する対策をとりまとめた「流域治水プロジェクト」に沿って、ハード・ソフト対策に取り組んでいるところであります。

このうち、河川改修につきましては、下流からの整備を基本とし、国の予算も活用して効率的、効果的に整備を進めるために、河川整備計画を策定しており、近年では、平成30年2月に一の谷川水系など3水系において新たに策定しているほか、現在、弘田川水系において策定に向けた国との協議を進めているところであり、今後も大束川水系や摺鉢谷川水系において策定することとしております。

一方、具体的な事業の実施にあたっては、平成30年7月の豪雨災害などを受けて、特に優先度が高い大規模事業等を計画的・集中的に推進するために、新たに令和元年度に個別補助事業として創設された「大規模特定河川事業」や、平成30年度からの防災・減災、国土強靭化のための「緊急3か年対策」に引き続き、昨年度からは「5か年加速化対策」の予算を活用し、河川改修を進めております。

また、中・上流部における河川改修については、過去の家屋等の浸水被害実績を踏まえ、県単独事業により、弘田川の支川である中谷川や旧塩江町の香東川などにおいて、下流の流下能力を考慮した暫定的な河道拡幅を行っているところであります。

私といたしましては、「県民の命を守る」ことを最優先に、今後とも、あらゆる関係者が協働して、ハード・ソフト両面から、「流域治水」に全力で取り組み、災害に強い県土づくりを推進してまいりたいと考えております。