4 ため池の適正な保全管理について

 

(質問)

質問の第4点目はため池の適正な保全管理についてであります。

豪雨災害の頻発は、河川の氾濫のほか、ため池の決壊等の被害も引き起こしており、国においても、一昨年に「ため池管理保全法」、昨年度には「ため池工事特措法」を相次いで施行し、被災リスクの低減を図っているところであります。

こうした中、県では約20年ぶりに県内ため池の調査を行い、2,350箇所減少しているが、私の地元の善通寺市においても山間部の小規模なため池において、ため池管理者が減少する中、適正な保全管理が大きな課題となっています。

このような状況下、県では、昨年10月に「香川ため池保全管理サポートセンター」を開設し、ため池管理者に対する技術的支援や防災重点農業用ため池の劣化状況評価を行っていると伺っている。劣化状況評価の結果、劣化が進行し防災工事が必要なため池では、工事を実施することとなるが、ハード対策は、時間も経費もかかり、多くのため池で一度に改修工事を行っていくことには限界があります。

このため、ため池管理者による、日頃からの、通常の定期的な保全管理はもとより、台風などの豪雨時の見回りなどを強化していく必要があるが、農業従事者の減少や高齢化の進行、さらには、それらと相まって、ため池管理者の減少などにより、ため池の保全管理体制が脆弱化しています。

このため、ため池の適正な保全管理を促進するためには、「サポートセンター」の効率的かつ積極的な活用が必要と考えるが、これまでの「サポートセンター」での活動状況について伺うとともに、今後どのように取り組みを進めていくのか、知事の所見を伺います。

 

(知事答弁)

次は、ため池の適正な保全管理についてであります。

議員御指摘のとおり、昨年10月に開設した「香川ため池保全管理サポートセンター」においては、決壊等によりその周辺の区域に被害を及ぼすおそれがある「防災重点農業用ため池」を中心に、昨年度から、ため池の劣化状況評価を行うとともに、適正な管理がなされるよう、ため池の管理者等に対する指導・助言等を行っております。

劣化状況評価につきましては、「防災重点農業用ため池」のうち、未改修のため池、

約1,500箇所の調査を来年度前半までに完了させる予定としており、県では、調査結果をもとに、「防災工事が必要なため池」、「劣化が部分的に進行して定期的な監視が必要なため池」、「劣化が進行していないため池」の3つに分類し、このうち、「防災工事の必要なため池」について、決壊した場合の影響等を考慮し、優先度の高いものから、計画的に工事を実施していくこととしております。

また、「定期的な監視が必要なため池」につきましては、地元での管理体制の強化が重要であることから、サポートセンターにおいて、

ため池の管理者等に対し、補修・点検等に関する技術的指導・助言を行うとともに、電話による緊急の要請や相談があった場合には、機動的な対応やきめ細かな支援を行い、ため池災害の未然防止につなげてまいります。

さらに、今後は、管理者等の保全管理の技術や防災意識の向上を図るため、新たに技術講習会を開催するほか、サポートセンターによる定期的かつ継続的なパトロールを本格化するなど、管理体制のより一層の強化を図ってまいりたいと考えております。

私といたしましては、ため池の適正な保全管理の実現に向けて、今後とも、各市町や農業関係者等と緊密に連携を図りながら、サポートセンターの活用に、より一層積極的に取り組んでまいります。