5 高校教育のあり方について

 

(質問)

質問の第5点目は高校教育のあり方についてであります。

 学生の需要と高校の供給のミスマッチを解消するためにも、専門学科のうち一部を普通科高校のほか、今後県内企業においても人材不足が加速化するデジタル人材を育成するような学科に振り替える方が学生のニーズを満たすとともに本県の将来のためになるのではないか。また、少子化が加速する中、県立高校は統廃合を繰り返し、私学は縮小を続けており、公立私学の統廃合や明確な役割分担についてそろそろ本格的な議論を始めるべきではないか。本県においても県立高校の専門系学科の再編や、県立、私学の統廃合など、時代に即した再編を検討すべきであると考えるが、教育長のご所見をお伺いします。

 漫然とした学校生活を送らせるのではなく、少子化・人手不足の現在、子供たちの未来のために、社会性や自分に合った必要な技術を持ってもらうことが重要なのであり、現在の定時制や通信制の在り方が的外れになっているのではないか。そこで、現在の定時制、通信制の他に、引きこもり対策や夜間中学をも兼ねられるような『希望者をすべて受け入れる香川型のチャレンジスクール』を、県東部、県西部の2か所ぐらいに設置するべきと考えるが、教育長のご所見をお伺いします。

 

(教育長答弁)

辻󠄀村議員の高校教育のあり方についての御質問にお答えいたします。

今年度から計画期間が始まった「魅力あふれる県立高校推進ビジョン」では、少子化が進行する中にあっても一定の規模を維持しながら、生徒の多様なニーズに応じた学びを、全県的な視点に立ち総合的に保障するため、適正な高校及び学科・コースの配置について検討を進めることとしております。

専門学科につきましては、工業科や農業科などに加え、福祉科や情報科、造船コースの設置など、生徒の学びのニーズや、産業界からの担い手育成の要請、地域の活性化の観点などに対応して設置してきているものであり、このことは、公立高校が果たす大きな役割であると考えております。

専門学科の再編に関しましては、生徒の希望や進路状況のほか、議員御指摘の、時代が求めるデジタル人材の育成も含め、地域産業の動向などを踏まえながら対応してまいりたいと考えております。今後、専門学科の生徒が目的意識を持って学び、卒業後は、習得した知識や技能を活かせる道に、これまで以上に多くの生徒が進むことができるよう、教育内容の充実に取り組むとともに、中学生やその保護者に、専門学科の意義や魅力を積極的に広報してまいります。

県立高校と私学の統廃合や明確な役割分担に関しましては、私立高校は、独自の建学の精神に基づいて、それぞれの特色を生かした学校運営に取り組まれており、県教育委員会として統廃合等、私立高校の運営方針に関して申し上げる立場にはありませんが、公立私立の校長が参加する校長協会研究協議会など、教育上の課題について協議を行う場を設けており、今後も、本県の高校教育の魅力向上や課題解決に向けて、力を合わせて取り組んでまいりたいと考えております。

学び直しのための昼夜間の定時制高校であるチャレンジスクールの設置につきましては、本県では、定時制・通信制課程において、スクールカウンセラー等と連携した支援や、卒業後に自立した社会生活を送れるようキャリア教育の一層の充実を図っているところです。

併せて、「魅力あふれる県立高校推進ビジョン」において、定時制、通信制課程単独の高校についての研究を行うこととしておりますが、その中で、議員御指摘の希望者すべてを受け入れるチャレンジスクールにつきましても、東京都や神奈川県などに設置されている先進校の調査を行うなど、引き続き研究をしてまいりたいと考えております。

県教育委員会といたしましては、生徒が学ぶ意欲を持って高校に進学し、その可能性と能力を最大限に伸ばしていけるよう、県立高校の魅力化と、社会動向や時代のニーズに応じた学びの場の多様化に積極的に取り組んでまいります。