いつまでも呟いていても仕方がないので、一つ書いてみよう。

新聞記事の写真がちゃんとアップできない。
アップロードすると画面が乱れてしまう・・・だめだーショック!
仕方がない 転記しよう。


抗癌剤は「手術・放射線と並ぶ柱に」という題名。

この記事に違和感があるが、意見を聞きたいという事でした。
ちなみに、この記事は日経新聞だそうです。


 抗癌剤はがん細胞を死滅させるために使う薬剤です。現在のがん治療では、手術、放射線治療と並んでがんに立ち向かう有効な手法として利用されています。
 手術や放射線治療は原則、局所的な範囲にとどまっている場合にしか使えませんが、抗がん剤はがんが体中のあちこちに転移していたり、全身を流れる血液のがんの場合にも有効です。抗がん剤の治療が本格的に始まってから、白血病などのがんの治療成績は飛躍的に進歩しました。
 抗がん剤は、主に遺伝子を作るDNA(デオキシリボ核酸)を攻撃することでがん細胞を死滅させます。原理状、がん細胞だけでなく、健康な細胞のDNAもやっつけてしまいます。
 健康な細胞はがん細胞に比べて元の数に早く回復してきます。抗がん剤はこの回復にかかるこの時間差を利用します。健康な細胞の数がある程度元に戻り、がん細胞が弱っているうちに、何回か抗がん剤を使い続け、がん細胞の数を極端に減らす事が出来ます。
 抗がん剤はもともと、第一次世界大戦で使われた化学兵器(マスタードガス)などを元に、第二次世界大戦後、開発されました。薄めたり毒性を弱めたりして、当時、なすすべがなかったがんに立ち向かう「武器」として活用しはじめたのです。(回答者=佐々木常雄・都立駒込病院院長)




私の見解を述べよう。
新聞なので、素人向けにこの様な表現になっているとは思いますが、かなり問題がありました。

ここで言われている抗癌剤は、細胞分裂を妨げるだけであり、
分裂準備に入る前の安定したガン細胞には無害です。
従いまして、
ガン細胞を積極的に死滅させるという錯覚を招く表現は不適切です。

抗癌剤は体中に癌が散らばった場合に有効ですと言う表現は表向きです。
本音は、抗癌剤しか使うものがない が正しく、上記表現は不適切です。
体内にがん細胞が散らばった状態はステージ4で、いわゆる「末期」と呼ばれる状態です。
残念ながら、この状態での治療成績は全くと言えるほど進歩しておりません。

白血病などの癌の治療成績は飛躍的に進歩しましたずるいです。
白血病治療成績飛躍的に進歩しました ならば納得です。
これは全ての癌の成績が進歩したという錯覚を与える記述です。

健康な細胞はガン細胞に比べて元の数に早く回復してきます正解ですね。
しかし、ガン細胞に比べて正常細胞の方が圧倒的に影響を受けます。
その回復する力が残っている内に抗がん剤を止めなければ、回復能力も消失してしまいます。
ですから、抗がん剤で重要なのは引き際です。
また、裏を返せばガン細胞の分裂が遅い訳です。
平均的に分裂状態にあるがん細胞は2割ほどと言われており、1回の抗がん剤で分裂阻止が有効なのはこの2割程度と言う事になります。
この「がん細胞」と「正常細胞」への二つの兼ね合いを加味した結果、1回の投与量を決めて、分割投与をせざるを得ないのです。

あとは、ガン細胞を極端に減らす事が出来ると言う表現は、過大表現で不適切です。必要以上に期待感を持たせてしまいます。先にも書きましたが、がん細胞の分裂は正常細胞よりも、遙かに遅い場合が多いからです。また、がんの種類や、個人差でも大きな差が生じます。

* 「未分化型」や「低分化型」とよばれる悪性度が高い場合は分裂しているがん細胞の数は多く、増殖速度も速くなります。従って、抗がん剤に反応しやすくなります。がん細胞と抗がん剤の種類によって効果は異なるので、主治医に良く確認しましょう。
* 「高分化型」とよばれるタイプはその逆で、増殖速度はかなり遅いです。抗がん剤の効果も逆となり、殆ど効きません。

都立駒込病院の院長も、短い文章で伝えるのは大変だとは思いますが、大いに問題です。
このような旨い話に乗らず、正しい知識を身につけて病気と医者に向き合って下さい。