講演会で全国を行脚しておりますが、医者に「怒鳴られた」という人が毎度たくさんおります。しかも、理不尽に。ただ質問しただけでとかで。

Wikipediaですが、「インフォームド・コンセント(英: informed consent)とは、「正しい情報を得た(伝えられた)上での合意」を意味する概念」とあります。また「単なる同意だけでなく、説明を受けた上で治療を拒否することもインフォームド・コンセントに含まれる」とあります。これは医師に義務づけられたルールでございます。

医者が患者さんへ理不尽に怒鳴ることは、これに当てはまりますか?

もちろん、当てはまりません。手術の時でも、専門用語を並べられて訳も分からず「分かりましたか?」「あ、はい」と生返事して書類を渡されて署名していませんか? 全ての疑問が解消されて署名していますか? こんなはずではなかったという後悔をしていませんか? 外来通院でも全ての疑問を解消できて検査をして薬を飲んでいますか? そう問うと「とても言えません」と皆さん、口を揃えて答えます。

なぜですか? と聞くと、

恐いからです と答えます。

患者さんが医者に言いたいことが言えない関係は健全でしょうか?


不健全です


当然、怒鳴るときに愛がある場合もございます。医者の世界で死は敗北なので治療拒否は考えられなかったりもします。そんな時は怒鳴ったりもするかもしれませんね。あとは、不摂生を是正せず病気の宝庫に向かい続ける人にも怒るでしょうね。わたしの親父は眼科医で患者さんをしょっちゅう怒鳴って泣かせてましたけど、愛があったので激混みでした。そこまで真剣に想ってくれる医者が、いまはどれだけいるのでしょう。

患者が弱者という概念が定着していますので、医者が眼前にいるだけで患者さんは萎縮してしまいます。病気で意気消沈もしています。しかし、そのことを医者はあまり考えません。考えもせず、高圧的な態度に出ます。わたしにも高圧的怒鳴り医者の時代があるのでよく分かります。もちろん、反省をしていますDASH!

高圧的で理不尽に素人さんを怒鳴りつける理由は?
1)医学は絶対だ! という前提
2)医者は偉いのだ! という幻想
3)素人のくせに面倒くさい!
4)患者へ寄り添う気な~し!
まあ、怒鳴り医者の根底にはこんなものが流れているのでしょうね。


なぜ医者は「先生」と呼ばれているのか?
教えるからでしょうね。

誰にです?
素人の患者さんに ですよね。

玄人(専門家)が素人へ教えて先生となる。そして、素人さんが理解して納得して関係は成立する。今の多くの医者は、それを放棄している訳です。義務違反ですね。

いわゆる「医師患者関係崩壊」という状況です。
言い方を変えると「信頼関係の破綻」です。


なぜ、そんな医者に人生を任せるのですか?


信頼関係を一方的に破棄する行為が「理不尽に怒鳴る」でしょうね。理不尽な怒鳴りは「更なる支配」を生みます。そして、医者は患者さんを支配して自分が信じている素晴らしい医学を実行しようとする傾向にあります。医学が全てであるという概念の押しつけをされてはいませんか? それで患者さんは本当に幸せなのでしょうか?


患者側から歩み寄っても、それに答えようとしない医者だった場合、主治医にする価値はございません。信頼関係を失ったままの医療ではストレスにはなれども、幸せにはなりません。多少遠くて不便でも、別の医療機関を探した方がよかろうと思います。星の数ほど医療機関はございます。ストレートに紹介状をお願いしましょう。拒否されたらカルテ開示を請求しましょう。カルテ開示を拒否する権限は医療側にはございませんので。
 それでも拒否されたら保健所や厚労省へ連絡しましょう。
 あまり動けない方や高齢者さんの場合は残念です。頑張るか、諦めるか。。。汗

質問しただけで怒鳴るような理不尽な医者に遭遇した場合、その情報を友人で共有し、皆で受診しないように努めましょう。更には近隣の方々とも情報共有しましょう。転居してきた人にも進んで情報を提供しましょう。大きめの病院であれば、投書箱にどこの誰からどんな目に合ったか、どんな気持ちになったかを熱い気持ちを込めて投書しましょう。市民病院であれば、市役所へメールしましょう。怒鳴られる度に、繰り返し繰り返し苦情を出しましょう。

信頼関係の築ける主治医が見つかった場合、先の逆です。皆で情報共有して盛り立てましょう(無駄な受診はお控え下さい)。良き医療人は繁栄し、悪しき医療人は衰退する。それが自然の節理だと思います。

すぐに検査して薬を出して愛想がいいから「良い医者」とはなりません。検査の必要性を説明して納得、薬も必要最低限で説明して納得、分からないことは理解するまで説明。1回の外来でできなければ別の日に改めてすれば良いのです。それもよく相談して下さい。口うるさい患者さんへ「心が病んでいる」とかで精神科へ紹介状を書かれることもありますが、従う必要はありません。

良い医療環境を築くのは患者さんであり、患者家族であり、これから患者になるかもしれない皆さんです。

どうか、我慢しないで下さい。



人生の選択は自分にしかできません。上記の事ができないと言う方、全てを受け入れて下さい。それもまた人生ですから。