市川 よしお さまのFB投稿から転載
< エコチル調査とは:
胎児期から小児期にかけての化学物質ばく露が子どもの健康に与える影響を明らかにするために、平成22(2010)年度より全国で10万組の親子を対象として開始された、大規模かつ長期にわたる出生コホート調査>
【さい帯血中カドミウム濃度が高いと、
出生後の子どもの成長が抑制の可能性-千葉大ほか 医療ニュース】
https://www.qlifepro.com/news/20240318/cadmium.html 抜粋
◇ 追いつき成長がみられないSGA児、妊婦の血中金属は影響するのか?◇
SGAは、子宮内の胎児の成長が遅れ、在胎週数に見合う標準的な出生体重に比べて小さく生まれた状態(下から10パーセント未満)のこと。
SGAには体質や環境など、さまざまな要因があるが、これまでの研究により、妊婦の血液中の鉛・カドミウム・水銀といった有害金属などの濃度が高いと、子どもがSGAで出生する可能性が高まることが報告されている。
◇ 妊婦血中マンガン濃度、
さい帯血中カドミウム濃度が2、3歳時点の身長伸び率低下と関連◇
・・血中濃度を測定した金属は、有害金属とされる鉛・カドミウム・水銀と、人体に必須でありながら摂取量が多すぎると有害となることがあるマンガン・セレン。これらの金属について解析を行ったところ、妊婦血中のマンガン濃度は2歳時点での身長の伸び率の上昇との関連が示された。さらに、さい帯血中のカドミウム濃度は3歳時点での身長の伸び率の低下との関連が示された。
◇ さい帯血中のカドミウム濃度が高くなるほどSGA児の身長が基準に追いつけない可能性
次に、それぞれの金属について解析を行ったところ、妊婦血中の金属濃度は関連がなかったが、さい帯血中のカドミウム濃度が高くなるほどSGA児が3歳と4歳時点で、身長が基準範囲に追いつけない可能性が高まることが示された。
◇子どもの発達や健康に影響を与える
化学物質等の環境要因解明に期待
・・妊婦のカドミウムの摂取は、ほとんどが食品由来と推定されるという。現在の一般的な日本人において、食品からのカドミウム摂取が健康に影響を及ぼす可能性は低いと考えられている。また、胎盤には妊婦から胎児へのカドミウムの移行を防ぐ働きがあるため、胎児の血液中のカドミウム濃度はさらに低くなる。同研究のさい帯血中カドミウム濃度は、妊婦の血中濃度の6%程度だったという。
同研究では、さい帯血のカドミウムの濃度は低い範囲にあったが、低い濃度の範囲の中でも濃度が高いほどSGA児の出生後の成長を抑える影響があることが示された。