マイレージを使った制約でワシントン経由となったカナダはケベック一人旅。午後2時頃、成田まで行ったのに、突然予期せぬトラブルが起こった。発券手続きをしていたら、モニターに「ESTA」の文字。ナニ!ESTAってどういうことや。「アメリカ入国には必要です。」とユナイテッド航空のスタッフ。「入国って、ワシントンは乗り継ぎやで。入国なんかしないよ」それでも、「アメリカは入国審査がありますからESTAなしでは発券できません。」「何ということ!そんなことあるんかいな」

それから急いで空港にある10分100円のパソコン使ってアメリカ大使館にアクセス。ところが申請画面に入れない。孤軍奮闘したもののどうにもつながらない。ユナイテッドのカウンターに戻って状態を説明したものの、話にならない、そこで隣のカウンターへ移動、「ここは全日空ですけど、お手伝いします」とキュートなスタッフさんが駆けつけてくれた。膝頭をフロアにこすりつけて、懸命にキーボードを叩くけれど、反応がない。「いつもはこの画面で行けるんですけど。。。」キュートが雲って、どうしていいか分からない様子。

 気がつくと、隣のPCでは3人がかりでガヤガヤしている。「アメリカですか?」と訊いたら、案の定「そうです」の返事。「こっちもダメです。」と言うと、職員らしき人が「大使館に電話や!」と言って電話するものの交換が出て、「いまサーバがダウンしています」と言うだけでビザの係につなげないという。空港の職員さんは「電話を切らないで!」と言うものの、切られてしまう始末。

かくして、ボクは成田にひとり。

「それにしてもナニしにケベックまで行くのか?」

毎日、毎日、真夜中まで奮闘して、さらに2日連続の徹夜で仕事を片づけて、その上、考えることが多過ぎて、それすら判らなくなってくる。
、やっとギリギリで出てきた旅の目的も曖昧になる始末。ホントに疲れた。疲れて歩いているとダルマと目があった。中には日本酒が入っているようで、送ってあげたい人の顔が浮かんだ。

もうボクはすっかりカナダのことを忘れてしまった。