みんなのワードマクロ -2ページ目

みんなのワードマクロ

ワードマクロで、文書作成とオフィス事務を効率化!!

前回の記事「【Word】法務文書の条番号の表記を統一するワイルドカード 」に少し関連したマクロです。

先日の「Wordで上書き翻訳セミナー 」の受講生からお題をいただき、作ってみました。

この上書き翻訳セミナーでは、特許の段落番号にカーソルを移動させるマクロを紹介しました。

こちらの記事で紹介されているマクロをベースにしたものです。

【Wordマクロ】日英特許明細書の段落番号を探すマクロ(改良版)

法務翻訳の条番号でも同じようなことをしたい!とのことだったので(気持ちよく分かります(笑))、さっそく作ってみました。

もちろん、英文でも和文でもどちらでも使えるように作ってみました。



▼このマクロでできること

マクロを実行すると、条番号を入力するためのインプットボックスが表示されます。



数字を入力すると、先頭から検索を開始して一番最初に見つかった「段落先頭に記載されている条番号」にカーソルを移動します。

ここでいう条番号とは、以下のものです。

Article 1
第1条

数字は、全角でも半角でも関係なく検索できます。また、大文字・小文字も区別しません。


▼マクロの解説

インプットボックスに入力した文字列が数値であるかどうかを判定するために、IsNumeric関数を使用しています。

条番号のパターンを英語表記と日本語表記とでいくつか用意しています。この文字列を検索します。

このパターンのいずれかに合致した場合にその位置にカーソルが移動します。

条番号のパターンの先頭に ^p と入れてあります。これが段落先頭の意味です。


このマクロでは、あくまでも文書中に条番号が1箇所だけに現れることを前提にしています

複数の段落先頭に同一の条番号が記載されている場合、いずれか1つだけにカーソルが移動するということになってしまいます。

この点はご注意ください。


検索条件は、大文字小文字の区別なし、全角半角の区別なしで検索しています。

なので、Findオブジェクトでの条件設定をしていません。設定をしない場合、項目はFalse として扱われます。

可読性を高めるためには、1つ1つの設定(TrueとFalse)をきちんと書いた方がいいかもしれません。


▼マクロ

Sub 条番号へジャンプ()

 Dim myNumber As Variant '条番号の入力
 Dim myFind(7) As String '条番号のパターン(英日)
 Dim i As Integer
 Dim blnFound As Boolean
 Dim myMessage As String 'メッセージ
 Dim myTitle As String  'タイトル
 Dim myRange As Range  'Rangeオブジェクト

 '-------------------------------------------
 '条番号の入力
 '-------------------------------------------
 myMessage = "番号を入力して下さい。" & vbCr _
             & "(半角・全角どちらでも可)"
 myTitle = "条番号へジャンプ"

 Do
   myNumber = InputBox(myMessage, myTitle)
   If myNumber = vbNullString Then End
 Loop While IsNumeric(myNumber) = False Or _
       myNumber < 1

 '-------------------------------------------
 '条番号のパターン(英語、日本語)
 '-------------------------------------------
 myFind(1) = "^particle " & myNumber & " "
 myFind(2) = "^particle " & myNumber & vbCr
 myFind(3) = "^particle " & myNumber & vbTab
 myFind(4) = "^p第" & myNumber & "条"
 myFind(5) = "^p第 " & myNumber & " 条"
 myFind(6) = "^p第 " & myNumber & "条"
 myFind(7) = "^p第" & myNumber & " 条"

 
 '-------------------------------------------
 '検索実行
 '-------------------------------------------
 blnFound = False
 
 For i = 1 To UBound(myFind)
 
  Set myRange = ActiveDocument.Range(0, 0)
  
  With myRange.Find
   .Text = myFind(i)
   .Forward = True
   .Wrap = wdFindContinue
   .Format = False
   If .Execute = True Then
    blnFound = True
    Exit For
   End If
  End With

 Next i
 
 '-------------------------------------------
 '見つけた場合にジャンプ
 '-------------------------------------------
 If blnFound = True Then
  Selection.EndKey Unit:=wdStory
  myRange.Select
  If Selection.Characters.Last = vbCr Then
   Selection.MoveEnd Unit:=wdCharacter, Count:=-1
  End If
  Selection.Collapse direction:=wdCollapseEnd
 Else
  MsgBox "条番号:" & myNumber & _
      " は見つかりませんでした。", _
  vbInformation, "検索結果のお知らせ"
 End If
 
 '-------------------------------------------
 'オブジェクトの解放
 '-------------------------------------------
 Set myRange = Nothing

End Sub


▼関連記事

【Word】法務文書の条番号の表記を統一するワイルドカード

【Wordマクロ】日英特許明細書の段落番号を探すマクロ(改良版)



先日、東京で、Wordで上書き翻訳セミナー を開催しました。

お越しになったみなさま、ありがとうございました。

早いもので、もう2週間前に開催したんですね(笑)。仕事が立て込んでおり、開催報告が遅れてしまいました。


イケてる参加者概要

男性:1名
女性:7名


イケてる業務分野のキーワード

特許、法務、金融、翻訳、インハウス、フリーランス


イケてる内容

翻訳工程にあわせて、いくつかのツールを組み合わせて使う考え方を紹介しました。

また、具体的にツールを使い、翻訳プロセスの練習をしました。



私が8年前に上書き翻訳を始めたころは、用語の一括置換をして英数字の半角や全角を変換するようなマクロを使っていました。

文字列の並べ替えやファイル管理などは、マクロ開発をしながら徐々に追加していった機能です。

最初は上書き翻訳用の用語集作りからやっていくのだと思います。少しずつコツをつかみながら、実務で活用していただけたらと思います。


イケてる参加者の声

ご許可をいただいた方の感想を紹介します。


・求めていたアイテムが「上書き翻訳」ソフトにほとんど入っていました(半角削除、段落番号付与、対訳表作成等)。もっと早く導入すればよかったと思いました。
また、セミナーは自由に質問できる雰囲気で、その場で疑問を解消できたのがとても良かったです。
・ランチタイムに他の参加者の方の話を伺うことができ、有意義でした。
・おやつが出てきたのがとても嬉しかったです。ごちそうさまでした。

特許翻訳者(英文和訳)様 30代女性



▼関連記事

【開催案内】Wordで上書き翻訳セミナー

今年のNIT Academyの秋の合宿テーマは特許英訳です。講師に特許翻訳者の時國滋夫氏をお招きして、特許英訳を2日間学びます。


イケてる開催概要

日時:9月17日(土)13時~18日(日)16時 1泊2日の合宿

場所:都内研修施設

講師:時國滋夫氏(特許翻訳)

対象:特許英訳初級者から中堅者まで

定員:18名


イケてる事前課題があります!

参加者には、特許文献の英訳課題(従来技術の説明、実施例、クレーム)を事前に提出してもらいます。

合宿では、米国の審査便覧であるMPEPも確認しながら課題の英訳方法を学びます。

特許英訳でよく耳にする「都市伝説」に惑わされず、自分で根拠を確認してく方法が身につくのではないか、と思います。

サブ講師で登壇いただく英国人法務翻訳者のエベースト氏からは、訳しにくい日本語の英訳方法を学びます。

英語ネイティブが日本語をどのように読み解きどのような表現を選ぶのかを学べると思います。


イケてる特許英訳に役立つマクロ

私は2日目の朝に、特許英訳に役立つWordマクロの活用方法を紹介します。

右クリックでGoogle! 」を用いてUSPTOのサイトで英語ネイティブが書いた関連文献からクレーム表現を探す方法や、「AutoCorrect Booster 」を使って英語の定型表現を素速く入力する方法を紹介します。

この2つのツールは、ユーザーの工夫次第で発展させられますので、使い方の例を持ち帰ってください。


イケてるこんな点が楽しみ!

合宿ならではの濃い交流が楽しみです(笑)。

私たち主催者は、事前に回答いただくアンケートや質問に基づき合宿を準備します。このことで、参加いただく方々の疑問にできるだけ答えられるようにしたいと思います。

1日目には、懇親会前の「しらふモード」と懇親会後の「リラックスモード」とで、「特許英訳何でも相談会」を2回開催します!

そして、1日目の講義がすべて終わった後は自由参加の夜の懇親会もあります!

こういう機会を通じて、参加者のそれぞれの立場での翻訳の考え方の違いをうかがえると楽しいなと思います。


イケてるもやもやを解消する機会に!

時間も参加費も大きな投資になりますが、特許英訳にどっぷり浸かってこれまでのもやもやを解消する機会にしていただけたらと思います。

この合宿の参加費には、合宿中の3食(1日目の夜の懇親会含む)、講義中の飲料と軽食、夜の懇親会のおつまみ・お酒、シングルルームの宿泊費、講習資料、配布マクロ代など、すべてが含まれています。

普段は疑問点にじっくり取り組む時間がとれないからこそ、この2日間をご活用いただければと思います。


イケてる詳細・お申し込み

詳細は以下のリンクからご覧ください。具体的な課題へのリンクもありますし、会場の写真もあります。

参加をお待ちしてます!


NIT Academy 特許英訳再入門合宿


----------------------------------------
この記事を新しいサイトに転記しました
----------------------------------------

 法務日英翻訳者の方から、「契約書の条番号を統一するためのワイルドカード」について問い合わせをもらいました。

その方は上書き翻訳をしています。条番号が統一されていない場合に置換が正確にされず困っているとのこと。おそらく、こんな感じで置換しているんだと思います。


第1条 → Article 1


Wordのワイルドカードを使えば簡単にできますね。

ところが、条番号の表記に揺れがあると、置換できないのです。


たとえば、

第 1 条  (パターン1:半角数字の前後に半角スペースあり)

第 1条  (パターン2:半角数字の前に半角スペースあり)

第1 条  (パターン3:半角数字の後に半角スペースあり)

みたいな感じ。


現場の書類ではこういうことがよくあるようです。

このような場合、まずは1つ1つワイルドカードを作ります。

1つの検索式で上記の3パターンを網羅しようと最初から考えると大変です。


続きはこちらの記事 をご覧ください。