冬休みに入ろうとしています。親族の親たちは、田舎に帰省する・しないのお知らせとともに「我が家はこういう予定」と近況報告も書いてくれていたりします。読んでいて、なかなか「それぞれの家庭で個性的だなぁ、いろいろ、課題を抱えているんだな」と感じましたので、ちょこっと1つの家庭の例を了解のもと、抜粋してみます。

 

学校での学習がふるわない、かなり遅れ気味の小学生中学年の子。親は本音では「遅れている学校の科目を冬休みの間に塾などで復習させて新学期までに追いついた状態にしたい」のですが、好きでもないことに頑張れるほどの精神力もまだまだ備えていない小学生の中学年、それは理想で現実は「やりなさい!」の親子バトルになって、冬休みが地獄と化すから・・・親子共に疲弊して、ふたを開けたら信頼も損ねて反抗期に拍車がかかる、なんて逆効果だ、という親の愚痴のようなものが書かれていました。

 

この親族の親は「あれもこれもできてない」とはついつい思ってしまう性質なのですが、そのまま子供にベクトルを向けて「親の子への欲望」を垂れ流しにすると子供が受けきれずに癇癪を起こして爆発する、とわかっているので「ぐっと我慢」することから始めたようです。では冬はどんな予定かというと

 

・楽しめる簡単な、負担のない習い事を探す(子供が好きになりそうな分野+居心地のよさそうな雰囲気の場所での体験をいくつか選んである)

 

・苦手で家庭でフォローが難しい科目1教科だけ、個別指導塾で冬休み中は学習の予定(宿題はなしで学習は塾内ですすめる)、子供は宿題なしで塾内で丁寧に教えてもらいながら学ぶ、という方針に好意を持ち、妥協してOKしている。

 

・田舎に帰省せず、年末は体力・気力回復のため、最小限の「やらなきゃならない」こと以外はのんびり、のほほんと暮らす

 

の3つに絞ったそうです。子供の部屋がぐちゃぐちゃなので片づけをしたい、体力がないから運動もさせたい、字が汚いからもう少し綺麗にかけるように休み中に練習させたい、近所のお友達と遊ぶように声掛けしたい・・・といろいろ、親としての「野望」はあるのですが、やりたいことを詰め込んでも「詰め込めば詰め込むほどできなくなる」のが子供の混乱しやすい・能力越えでのパニック(癇癪・泣き・ぐだぐだ)につながるのがわかりきっているので、親側でそのパターンに転げ落ちるのは避けたい、と思い、ぐっと「親が」こらえて「今これはしておかないと、子供の精神力、とくに気力や日常生活の中で何かを楽しむことができる心の余裕が回復しない」と自分たちに言い聞かせて、上の3つにしぼった、とのことです。

 

子どもには学校以外の居場所でのリラックスして楽しめる場が必要なので、この場所探しが1番目。今まで続けてきた習い事先は、教室の子達の成長とともに「居心地が悪く」なって、劣等感を刺激するため楽しくない習い事に転落してしまっていました。ですので習い事を整理して仕切り直し、「今のこの子の能力と興味・嗜好」で楽しめそうな新しい習い事を発掘するのが冬休みの優先課題だそうです。

 

心が少しでも動く、踊るようなスパイスがあれば、嫌なことも少し「やってみようかな」という流れになりやすいのが子供です。1番目の楽しそう、楽しみだ!と思える習い事先が見つかる流れで、少し嫌な勉強を1科目だけ、丁寧に専門家から指導してもらって「わからない・できない」を解消して、新学期までの子供の「勉強がわからないままだ、自分はできない」と凝り固まりそうな心の負担を取り除いておくのが2つ目の目標。

 

勉強は遅れていたとしても「教えてもらったらわかった」という経験があると、心理的な「できない!できない!わかんない!」というパニック心理が除かれるので、その後の伸びが全然違ってくる・・・というのは親族の今大学生や社会人になっている子達の経験から顕著なので、まずこの「心理的な負担を除く」というのが学習不振から脱出させるために最重要、と私達は考えてやっています。1科目集中することで「自信が付く」と、他の教科にもじわじわと良い方の影響が出てきますので、「できていない全科目に手を付けてよけいにアップアップさせる、混乱させる」よりは1科目集中で、子供が自分の成長を少しでもわかりやすく・感じやすくするようにしているわけです。

 

冬休み中にこの試みが成功するといいな、と思います。個別指導塾は通常は週1~2回ほど行っていますが、面談で1科目にしぼること、冬休み期間は講習として回数を休み期間中「だけ」増やすこと、学校の復習を主にして、わからないところをわかった、に変えていくこと、という話を先生と親子でした上で方針もはっきり決めています。最初は親族の子は「嫌だ!冬は塾は休みたい!」と抵抗していたらしく、でも「宿題なし・塾内で丁寧にわからない!をわかる!に変えていく」という風にハードルがぐっと低くなったことで、子どもも受け入れて「本当にわかるかな、大丈夫かな」と先を心配している様子だそうなので、講習がはじまって「わかる」が1つ、2つ増えて行けば、きっと気持ちの回復は大丈夫じゃないかな、と思います。

 

この塾での学習に集中できるよう、そしてこの一つの目標を確実に到達するためにも、よけいな気持ちをそいでしまうことや精神力を削るようなことはしないでおこう、と帰省やお出かけ、イベントなども何も入れず「のんびり年末・正月」を送ることになりました。

 

こんな感じで冬休みに突入します。親の方があきらめたことが多く、欲望の十分の一もかなわないことでストレスを感じそう、とも言っていましたが「子供が少し自信を取り戻して、来年から学校以外の楽しい場所、習い事先を得て明るさを得たら、生活も明るくなるから」そっちを選ぶよ、とストレスを良い結果で解消できればOKだ、親の役割ってそんなものだし、と親なりにかなり頑張っています。

 

この子のお父さんが特に衝動的にこうしたい!という欲望が抑えられなくなる特性を子供時代から抱えていたので、親になって工夫して、自分なりにコントロールできるようになってきたとはいえ、ゼロになるわけでもスムーズに苦も無く自分を冷静に保てるわけでもないので、子育て中は自分自身との闘いにかなりの気力で頑張っています。同類の親族にわーっと愚痴ったり、それでいいんだと励まされたりしながら、よくやっているなぁと思います。習い事先を事前にサーチして先生やその教室の子達の顔を見てきて「これはいける」と体験レッスンを押さえてくるところまでやってのける、フットワークの軽い奥様と良いコンビです。

 

元旦は初詣で神様に「(マイナスなことが)何事もなく、平安に、ごくごく平凡に、物事がなされますように」と願って来ようと思います。極端なよいことや最高の幸せより、日々を平坦でも落ち込むような悪いことなく、安定して過ごせることこそ発達凸凹の子が自分で「いい感じ」に暮らせている、と思える大事な基礎です。来年の春ぐらいには、この子がそう思えていることを願っています。

 

 


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