久しぶりに、不登校関係の記事です。かつ、勉強が苦手な子達のケースについて書いてみます。

 

今年、田舎に帰省した家族に「小学校または中学校から不登校をしていて、この4月から通学制の高校へ進学する予定」の親族の子が数人いました。その子達は勉強が嫌いだったり、苦手だったりします。年末年始に帰省がてら、偶然、親族たちが集まって晩御飯の鍋をしたときに、ぽそぽそと、話をしていました。

 

「私は今、こうしてる」

「自分は今、これしてるところ」

「こんなことが不安だから~しないといけないらしい。」

 

という感じで、情報交換をしていました。お互い、習い事や個別指導塾、家庭教師などで外部との接点はあったものの、不登校をしている間は小学校や中学校という同級生との集団社会には属さず、薄い経験値しかないので、それゆえの「準備」というものが必要であることは、関わっている大人や進学先の事前相談会や個別相談で聞いていて、少しドキドキしながら受験本番と入学する春を待っている状態です。

 

この子達の進学先は、通学制の学校とはいえ、通学制・単位制と色んなコースを持っている高校だったり、フリースクールのような高校だったりします。ですので受験的にはパス可能な所を志願先にしています。今までの勉強は、集団にいない分、家庭科や音楽、体育などは履修せずにいられるので、英語や国語、算数など主教科だけを動画学習(進学希望の子はスタディサプリ<過去記事参考☆>を使って学んでいる子が多いです)をしつつ、わからない部分や私立の独特の過去問を個別指導塾でやっている感じです。遅れている勉強を専門家にスケジューリングしてもらい、なんとか受験までに「基礎部分だけ」できるよう、合格すれすれの点だけでも取れるよう、やっている感じです。

 

この子達は特に勉強が好きでもない、むしろ嫌いな、英語がすごく苦手、国語の読解が点でダメ、算数がすごく苦手、という子達でしたので、学校選びをする際に塾や親と相談して、

 

「背伸びせず、無理せずついていけるレベルの高校」

 

「入学してから大学進学コース!などと猛勉強させられる環境じゃない、趣味のクラブも楽しめる学校」

 

「息切れしたら、コース変更したり別室学習ができるサポートがある学校」

 

「朝や放課後に、学習の補習をしてくれる学校」

 

「相談しやすい先生がなるべくたくさんいる、自分に合った雰囲気の学校」

 

を選ぶように努めてました。頑張っていい学校に入って、ついていけずすぐ退学、すぐ不登校、というのが本当に嫌、と思っている子達なので、慎重に「余力がある状態で高校の3年間を過ごせること、それができて初めて大学や専門学校進学が考えられる」と親や主治医から言われているように、自分の今の精神面や力を過信をしたりしないよう、「自分の一番高い能力に合わせて低いところを見ないようにしてしまい、後で低い能力の部分で苦労する」ことがないように、念には念をいれて、塾の先生や見学した先の学校の先生と話し合って「高校の受験先校の選択」をしました。

 

発達障害の子は頭の中の世界で過ごしていることも多いですから、外部の塾などに通って「外での他人の様子」が少しでもわかる状態にして、自分のプライドや理想で高いレベルの学校をいきなり望むような、「理想と現実がかみ合わない」状態にしないよう、その点は親も塾の先生も注意しています。塾内テストを受ければ自分の立ち位置は「数字的に」明確にされるわけで、志望校への合否の確立も判定されますから、そうした「根拠」を親も説明材料として重要視しています。空想の世界で「ここを受けたい」と言われても現実世界ではレベルが合わない、想像とは違うのだ、という点が子供たちには理解しずらい特性があることも多いからです。

 

あと、高校入試に臨む場合は、高校は義務教育ではないのでより「子供自身の自立」が必要とされる環境ですから、不登校中でも最低、週に1回か2回は塾に行くことは、高校という教育機関へ行けるようにする前準備として必要なことだという、最低限のハードルも親子で課している家庭も多いです。

 

あとは入学前に、何度も子供が志望校に足を運んで高校側と子どもが話すこと、そうできなければ毎日通えるはずがない、という前提で、志望校先の先生と子どもが話せる環境であることを、受験前から子供自身が確認する、そうした環境であることを親も確認する、という部分は一番大事にしています。高校へ行かず家で家庭学習して高卒認定を受けるのではなく、通学して高校へ通いたいのであれば、これは大事な前準備となっています。現場重視、実際の行動重視です。しかしそうまでしても、子供たちにはやはり「高校は今までと全く違う」という感覚がぬぐえないそうです。

 

それは、

 

・見せられた教科書の科目数や内容、学習量が膨大ですごくハイレベルに見えること

 

・先輩である親族の高校生や大学生の子達が、「高校の勉強は段違いにレベルが高くなる。学習量もハンパじゃない。通学制にするなら入学前から個別指導塾の先生に計画表を作ってもらって、中学までの復習と高校の予習をしておく方がいい」と助言していること

 

・通学制は「学習速度」を学校の進度に合わせないといけないから、自分がそのスピードに合わせられなさそうなら、最初からフリースクールや不登校者に慣れた塾に行って高卒認定試験を受ける方向の方がいい、と親や塾の先生、親族の大学の先輩から言われていること

 

などもあり、かなり、

 

「通学制の学校へ通うための準備」

「高校という今までと違う組織・教育機関で学ぶための準備」

 

が気持ち的にも、行動的にもいるのだと感じていたそうです。どの子も昨年の夏あたりから受験と入学後の準備をスローですが、それなりに始めていました。こうして同じ不登校者の立場でありつつ、未知の「高校」という世界に入ろうとしている、受験を目前にしている子達は、お互いの不安をぽそ、ぽそ、と話しながらも、やはり期待もそれなりにあり・・・という複雑にいろんな気持ちを抱えているのでした。

 

ここで実際に不登校から通学制の高校へ通い始めた子についても書いておきます。

不登校を経てから、今年高校1年生になった子達は、何が大変かと言うとやはり

 

・「長時間、毎日、外に出ていること」=気力、体力の持続力がすごく要求される

・「美術や体育など副教科が案外大変」=塾で自分のペースで勉強しているだけじゃない、苦手教科ももちろんやらないといけない

・「同級生が大人な感じで成長しているので、自分が幼く感じる」=精神的成長に差を感じる年齢になったこと

・「自分から求めないと、何も個別にケアやアドバイスは与えられない」=自分から動かないと、高校はたくさんの科目の先生がいるので自分が透明人間のようになってしまう(そこに自分がいてもいなくてもいい状態になる)

・「課題、宿題、提出物はしっかり自分用スケジュールノートに都度書かないと、何が何かわからなくなって大パニックする」=科目数も情報量もやらないといけないことも膨大にあって毎日が大変

 

という点です。それゆえ、学習レベルがやや易しい、入学しやすい学校の場合は提出物や宿題もレベルが易しい、頻繁ではない、できないと先生がつきそって補習でまかなってくれる、という学校側の姿勢が全学生対象な高校を選んでいます。

 

そうした「学力レベルが低め」の高校を選ぶことに抵抗があるのが、世間一般の保護者の反応だと思いますが、私達の親族の親の場合は「その時々が平穏に波風立たず過ごせて、環境に合うだけでもミラクル」と思っている敷居の低さなので、こうした易しいレベルの高校をあえて選択することも可、な状態です。

 

子供たちのこの12月までの高校体験で「続けて通えている理由」も聞きました。

 

・自分だけが大変じゃない、みんなもふうふう言いながらやってる、だから少し安心感がある

・勉強が苦手な子もたくさんいるから、自分だけじゃないって思うと心強い

・自分が得意な科目は一科目だけなのに、専科の先生がテスト返しの時にべた褒めしてくれて、クラスのみんながすごい!と言ってくれて、自分を覚えてくれてうれしかった。

・あんまりクラスでは話せなくて友達もいないけど、クラブ(オタク系)で放課後は毎日、クラブ仲間と過ごせているから楽しい。昼食もクラブ仲間と食べてずっと趣味(クラブ)の話ばかりしてる。

・テストがボロボロな科目の先生が、放課後に補習をずっとしてくれて、再テストを3回もやったけど、馬鹿にせず励ましてくれたからその科目自体は苦手だけど、先生の授業は好きになった。

・案外、不登校あがりの同級生も何人かいて、自分がそんなに異質じゃないのがよかった。「毎日学校に来るのしんどいよね~」と愚痴りながら、なんとなく頑張れている

 

などです。それぞれ、「自分のタイプに合ってる」高校が見つけられてよかった、と思います。ハードルは高すぎない、でもそれぞれの子が持つ特性部分には折り合いがつけられそうな環境だと、えっちらおっちらでも、何とか前進している感じがします。

 

今年受験する子達も、こうした「良い面の話」を聞いて、興味深そうに聞いていました。不安はもちろんありますが、人生を歩むというのは未知の世界を歩いていくということなので、今やれることをやって気を紛らわせながら、日々を乗り越えていければいいな、と思います。

 

 

 

 


人気ブログランキング

 


にほんブログ村