また移住者の先輩として、移住を考えている人の相談に乗ったり、農家民泊を経営して外部からの宿泊者を受け入れている神内さん。現在の活動や今後の目標についてお聞きしました。
◆食べ物と健康
― 日高川町に移住したきっかけは?
私は大阪出身なんですが、昔から田舎暮らしへの憧れはありました。20代の時に、大きい病気にかかって入院することになったんです。その頃から健康のことに強く興味を持つようになり、独学で色んな資格を取って、メディカルトレーナーになりました。
やがて健康な体づくりだけではなく、「食べ物と健康」ということを考えるようになって、安心できる食べ物を自分で作ろうと思ったんです。それが移住を決めた理由のひとつですね。
― どうして日高川町を選んだんですか?
和歌山方面へは釣りなどでたまに来ることがあって馴染みがあリましたし、生まれ育った大阪にも近いです。また事前に色々調べて日高川町は移住者の受け入れに力を入れていることを知り、排他的な地域ではないのだろうと感じたことも大きかったですね。
◆日高川町での移住生活
― 移住されていかがでしたか?
最初のうちは本当に大変でしたね。移住前にはとても小さな畑を借りて家庭菜園はしていましたが、農業のことは全く分からなかったのでとにかく試行錯誤の連続でした。作った野菜の販路開拓も全て自分でしないといけないし。
しかも移住してきた年に大水害が起こったんですよ。あの時は日高川の水位がかなり上がって、たくさんの家や畑が流されて大変でした。私も川の近くに住んでるんですが、家のすぐ前まで水が迫ってきて本当に怖かったです。
― ちょうどその年だったんですね。
あと、一番大変なのは獣害ですね。自然栽培で野菜を作りたいと思っているので、周りの農地から農薬が飛んでこないよう、周りを耕作放棄地で囲まれた場所で作っているんです。山に近いこともあってシカやイノシシの被害が本当にひどいですね。年に50回以上被害を受けたこともありました。
― それはひどいですね。
あまりにもひどいので、狩猟免許を取って罠を仕掛けるようになりました。畑を囲むようにバリケードを作ったり、捕まえたシカやイノシシを捌くようにもなりました。移住してきた頃はこんなことをするとは思わなかったですね(笑)
◆農家民泊での交流
― 神内さんは民泊も経営されてるんですよね。
はい。数年前から「民泊 花の音(はなのね)」という屋号で農家民泊を始めました。大人なら4人まで宿泊可能で、今のところ日本の修学旅行生や、海外からの教育旅行生などが多いです。一緒にご飯を食べたり、農作業を手伝ってもらったりして、田舎暮らしを体験していただいています。
― お客さんの反応はいかがですか?
海外の方が来られた時は、言葉の壁があったり、宗教の問題で苦労することもあります。提供する食事にも気を付けないといけないので。
ただ、みなさん自然の中での暮らしをとても楽しんでくださっています。時間がある時は近くの観光スポットを案内したりしています。滞在期間は短いですが、少しでも田舎暮らしの良さを知ってもらえたら嬉しいですね。
◆さらなる移住者の受け入れ
― 今後の目標を教えてください。
僕はこれまで、移住希望者の相談に乗ったり、イベントでお話しさせてもらったりと、移住者の受け入れに向けて色々活動してきました。地域のために働いてくれる若い人の移住は、田舎にとって必要なことだと思います。そうした人たちを受け入れるために、今後も積極的に活動していきたいと思っています。
また民泊にももっと多くの人に来てもらいたいですね。まだまだ一般のお客さんが少ないので、今後はPRに力を入れていきたいと思います。
― 最後に、神内さんからお知らせです。
自然栽培のことを中心に、健康関連の様々なことについて、ブログでご紹介しています。興味のある方は読んでいただけるとうれしいです。
また移住を考えていて、その候補地として日高地域に興味のある方は一度ご連絡ください。移住者の先輩として色々相談に乗れると思いますので。
― ありがとうございました。
・神内さんのブログ