待ってた新刊。
前回ものすごいところで「続く」となっており、どうなったかな、とドキドキしながら読みました。
江戸での商売も軌道に乗り、
新しい小紋の柄もでき
これから!という時にまさかの身内の裏切り…。
今回の巻は、それだけではなく、まさかの呉服(絹織物)を商えなくなるという展開になり、ずっと重苦しい雰囲気の中、話が進みましたが、やっぱり幸のすごいところはここで終わらないところ(というか、読んでるこっちもまさかこのままやられっぱなしのわけがない、と期待して読んでるわけで)。
明るい希望が見えるところで今回の巻はおしまい。次の展開がワクワクすることになるのは間違いないな!
そして今回の9巻ではとても心に響く言葉がありました。
若くに亡くなった幸の兄を知っていた、儒学者の弥右衛門からの教え。
中国の明(みん)の時代に刊行された「菜根譚(さいこんたん)」という本からの言葉。
衰颯的景象 就在盛満中
發生的機緘 即在零落内
衰颯の景象は、すなわち盛満の中に在り。
生の機緘は、即ち零落の内に在り。
「衰える兆しは最も盛んな時に生まれ、新たな盛運の芽生えは何もかも失った時、既に在る」
何もかも失くしてしまった幸たちを励ましてくれる言葉になります。
「固く筋張った菜根は、よくよく噛まねばならない。ひとは不遇や逆境を噛み締め、乗り越えることで真の人生を味わい、多く
のことを成し得るーーー『菜根譚』はそう教えてくれます。百年以上も前に書かれた書に、これほど励まされるのか、と」
次の巻がまた楽しみになりました。