追い風だ。すんげえー強い追い風だ。
35Km/hで巡航している。
これはメチャクチャ早い。
いつもは18Km/hで走ってる。
このスピードで走行しても全く風を感じない。
つまり35Km/hの追い風が吹いているのだ。
すんごい楽チン。笑いながら走ってしまった。
周りから見ればタダの変な奴だ。
でも俺は一日中笑いながら走ってしまった。
「♪ナラボーなんて一週間で超えてや~るぅ楽勝ぉぉ」謎のメロディーを口ずさみながら走った。超ノリノリ。
2日かけて走り抜ける予定だった最長直線路90Mile(145Km曲がらない真っ直ぐな道)をアッサリ1日で走ってしまい、結局この日は182Kmを6時間で走りきった。


気象条件の事など忘れ「俺ってすげぇじゃん」と思った。
Caigunaのロードハウスに着くと同じくナラボー超えに挑戦している日本人サイクリストの菊地さんに出会った。
やった!日本人だ!久々に日本語で話ができるぅぅぅ!
菊池さんは世界中を旅している人だ。バスでオーストラリアを周っていたが物足りなさを感じ、自転車でパース~シドニー間のオーストラリア横断することをおもいついたと言う。
そしていつの日か自分が父親になった時に「お父さんはここを自力で走ったんだぞ!」と地球儀を指差したいそうだ。おぉ!いつの日か俺も同じことしよう!
菊池さんは、自転車で体力をつくり、この後ネパールへ飛びエベレストを見に行くと言ってた。
この人とはアデレードまで一緒に走ることになるが、一年間40Kgのバックパックを背負いニュージーランドの山々を登ってきたという足には勝てず、俺はいつも遥か後ろを走っていた。
この日、菊地さんは自転車のスポークを折ってしまいKalgoorlieの街へ送って修理してもらっていた。
車輪が送り返されるのを待った為、ここのロードハウスのテントサイトに2泊した。