ここには「R.B.P」と呼ばれる、日本人がたむろする「ラーダーズハウス」のようなものが存在する。そこに行けば色々な情報が手に入ると、かつてのバイト先の先輩が教えてくれた。
彼は一年前、大陸をバイクで駆け抜け、その素晴らしい世界をアツく語ってくれていた。
ここ「R.B.P」 では日本社会でドロップアウトし行ってまぇ~ってな感じの怪しい日本人が一日中たいした目的も持たずにブラブラしてたりする。


彼等の1日の行動パターンと言えば、スーパーに行ってビールを買って日の高いうちから酒をくらい、夜遅くまで宴会し、先に寝てしまったヤツの顔にマジックで落書きしたりと、さながら修学旅行のようなノリで毎日を過ごす。
「こっ、こんなコトをしにオーストラリアに来たんじゃないやい!」
当時の俺はそー思った。朝も昼も夜も、不眠不休でバイトして旅行代を稼いだ毎日を思うと、早く自転車で走りたかった。有意義に過ごしたかった。
だけど、後に説明するんですけど、アデレード、シドニー、ケアンズと主要都市にも似たような宿が有り、しっかり連泊しましたです。酒も浴びる程呑みましたです。シドニーなんか3ヶ月も連泊しました。あ~っはっはっはっは。
2週間のパース滞在で、旅の準備をする。
このパースという町は本当に美しい!


町並みが整備され、サイクリングコースもあり、ゆったり楽しめる。
まずは、銀行で自分の口座を開く。
銀行の受付で口座を開きたいと申し出たら、別室へ案内される。
海外の銀行で別室へ案内されるなんて、気分はVIP待遇!
将来スイスに銀行口座を開く時の練習だ!と勝手に妄想が膨らむ。
別室にて待機すると、ちょっと綺麗目のお姉さんが出てきて、突然握手を求めてきた。
「Nice to meet you!」と挨拶し、お互い名前を紹介しあった。
握手してなんだか得した気分だ。やっぱり金髪の美人はイイッペヨ!(千昌夫風に)
プチ英会話教室のようであるが、違うのは気分がスイス銀行にトリップしていることだ。
それで口座を開くにあたっての手数料・税金等の説明を受けた。
「英語を話すのは大変?」と聞いてきたので
「楽しいけど、ちょっと難しいかな。まぁ理解できてるよ。」
つーか、英語で専門用語がビシバシ飛び交うので半分位しか理解できない。
しかし、俺はスイス銀行に口座を持つような人間と自己暗示がバッチリ掛かっていたので、威厳を保ちながら言い放った。
銀行のお姉さんは「今まで色んな国のお客様が来店したけど、英語を理解してもらえなくて大変なのよ。でもあなたは理解しているし、会話力はGOODよ!」とおっしゃったのである。
おぉぉぉぉぉ、外人に褒めてもらったよ。
あー、この国じゃ俺が外人か。まー細かいことはどーでもいーや。
でもよー、実を言うと半分位しか理解してねーんだよ。
分かんねーところは適当に「aha!」って言ってただけなんだよ。
でもさ、外人に褒めてもらっちゃった。わーいわーい。


ま、何はともあれ、パースで銀行口座を開設したり、地図を入手したり、道路事情を確認したり(特に水が入手できる場所)、色々と準備したらアっと言う間に2週間が過ぎてしまいました。


この宿で知り合った友人達に見送られパースを出発。みんなから見送られるのは嬉しい。それにこの先の旅の貴重な情報も教えてくれた。良い仲間だ!
パースを出発。いよいよ旅が始まる。しかし初日から道を間違えてしまい、全然前進できなかった。Mandurahまで行く予定だったのに…