花くまゆうさく先生のコラム本
青いオトコの汁
にも書いてあるが
この国に生まれた男子は
北野武監督の新作映画が
公開されたら
取り合えずワクワクしながら
劇場で鑑賞するのが正しい姿なのは
間違い無し!
私も作品によって好き嫌いはありますが
殆どの作品は一度は観てますが
何故か今まで一度も観た事が
無かった
をやっとDVDで観ました!
遠くに働きに出ていると
祖母から聞かされていた
少年正男が
チンピラの中年菊次郎と
旅する話!
自分の映画を
本人も恐縮するくらい
褒めてくれた
映画評論家
淀川長治が、
この映画の完成前に
亡くなり
『観て欲しかった』と
追悼コメントをされた本作品を
もし、先生が見たらどんな感想を
言われたのか聞いてみたかった!
たけし演じる菊次郎は
自分の父親の名前!
最初、題名が主人公
少年正男の夏じゃないの!?
と思っていたが
調子の良い嘘ばかり
ついていたオッサンが
母親は、もう別の家庭を築いて
自分の元に帰ってこないのを知り
泣きじゃくる少年の為に
「行こう、なんか人違いみたいだったなぁ」
「お母さんは引っ越した。正男が
尋ねてきたらこの鈴を渡すよう言われた。」
「苦しい事や悲しい事があったら、
鈴を鳴らすと天使が来て正男を助けてくれる。」と
優しい嘘を付いてあげるんですが
実はこのオッサンが成長する作品だから
この題名のねと偏差値40の私は
思った次第ですが、
如何でしょう!
良く、行きつけのBARパノラマ島で
お会いする弁護士の先生が
お子さんとコンビを組んで
Mー1の予選に出場したり
その店でかつて3ヶ月に一度開催してた
バンドのライブなどに連れて来たりと
思い出を作ってあげてる場面を観て
良いなぁ~と感じる訳ですが
この映画の中では
井出らっきょやグレート義太夫
たけしがお気に入りだった
THE CONVOYの主宰者
今村ねずみ達と
だるまさんがころんだ、
かくれんぼ、射的
スイカ割り、
石がどのコップに入ってるか当て!
などど
テレビゲームでなく
昭和な遊びを一緒に
楽しんでる場面は
一見面白くない
古いコントですが
それが、またタマラン訳です!
何より、今でもトヨタや
キリンのCMで使用される
久石譲メインテーマ曲の
Summerが流れると
どんな微妙な場面でも
名シーンに思わせてる
凄い破壊力であります!
かつて、掟ポルシェさんがコラムで
戦場のメリークリスマスのテーマを
流したら、最低なくらい
卑猥な映像も
全部
高尚なアートにかわる説を
書かれてましたが
このSummerも同様の力が
あります!
現に、この曲を流しながら
湯切りをする前に間違えて
粉末のソースを入れてしまい
味が薄々のカップ焼きそばを
食べていても、
何か、これはこれで
良い感じがしてます!
自転車で転倒して購入したばかりの
ズボンを破いてしまっても
全く面識のない女性に
『オッサン!キモイんだよ!』と
ハッキリ言われても
脳内でこの曲をフルリピートで
流して、毎日美しく生きていきたいと
思った虎丸の春であります!
『完』