バイエルンからミルウォーキーにクルーザーモデルで殴り込み

BMW Concept R18 の最新情報です。

BMW R18市販直前モデルを目の当たりにしてきました。
R18がごく限られた人だけにお披露目するBMW社による「シークレットイベント」にお招きいただき、じっくり見てきました。

BMWJapanの方にブログに書いていいですか?って一応聞いたら、
テキストベースであればブログに書かれてもダメと言えない(積極的に書いてとは当然言わないけど)ってことなんで、書きます(書きまくります)。

なお、会場での写真は有りません。カメラもスマホも会場内持込不可でしたので。
スケッチも禁止されていたので、目で見た記憶頼りに書いたものになります。
なので、間違いもあるだろうって前提でお読みください。



既にConcept R18は、R18、R18/2の2機種が発表されていましたが、

R18(黒)
https://www.bmw-motorrad.jp/ja/experience/r18/conceptr18.html



R18/2(赤)
https://www.bmw-motorrad.jp/ja/experience/r18/conceptr18-2.html



R18/2については以前、「BMWさん?マネましたね?」のタイトルで自分もブログに書いています。
https://ameblo.jp/huewakas/entry-12545341927.html
カラーがレッドであることを除けば、クラブスタイルを強く意識したモデルで有ることは疑いないと思います。
この時は「風が吹いてくる」とサブタイトル付けしてましたが、今回実車を見て考え改めてました。「殴り込み」です。


さてさて、
今回お披露目されたのは、
R18 FirstEdition
と銘されたバイク。
発表済みのR18 (Black)、R18/2(Red)の2台を使って一言で表現すれば、

色は黒で統一、前半分がR18で、後ろ半分がR18/2。ホイールはスポーク。
って感じかな。

別の表現すれば、
R18/2からフロントのミニカウルを剥ぎ取って、
R18のスポークホイールに履き替え、全体を黒に統一。

ですかね。

実はハーレーによく似たモデルがありました。
SoftailSlim(FLSL)です。スポークホイールのまま、タイヤサイズをローライダー変えればぴったんこなイメージ。


ただし、R18ではステップがミッドコン、エキパイ・マフラーは左右出しになります(フラットツインなんで必然的にそうなる)


もう少し詳細に説明します。


1.外観

エンジン
 シリンダーは黒塗装
 シリンダーヘッドはメッキ。ただし、R18、R18/2のどちらとも違うデザインだったと思われる。
 排気量1800cc。
 インテーク側はR18/2的デザインのメッキされたパイプカバー付き。

エキパイ・マフラー
 左右2本出しのメッキシルバー
ハーレーよりもひとまわり太い感じで迫力あり。
 マフラーはフィッシュテールデザインだが、単なる直線的なパイプではなく3次元で造形され、外側に膨らみを待たせ、上から眺めるとテールに向かうほど八の字に開くデザイン。美しい曲線で構成されて、超気合入っている
 多分、既存のどのバイクにも無い造形。
 バイク後方に立って見下ろした時、タンクからマフラーにつながるシルエットは思わずうっとりする造形美。

ドライブシャフト
 シャフトカバーが無く、むき出し。
 クルクルと回るジョイントギアを直視可能。うっかり指突っ込むと間違いなくちぎれる。

タンク、テールカウル
 ティアドロップタイプで形状はダイナ・ローライダーS(FXDLS)に近いがやや小ぶり。
 容量は15L以下に思える。
 テールカウルはR18/2とほぼ同じ形状でFXDLSに近い。
 ラメ入りのメタリックブラック塗装。
 白い太さの異なる2本の手書きライン。
 イメージはR100RSのClassicBlackだが、ライン色と太さが異なる。
 タンク前部中央に丸形のフューエルキャップ有り。

フロントサス
 正立テレスコピックタイプ。インナーチューブはカバー(色は黒)され、経はわからず。

リアサス
 ハーレーの現行ソフテイルとよく似た配置。モノショックがシート下に斜めに装着されている。
 調整ダイヤル等は見当たらいない。
 
タイヤ
 BridgeStone BattleCruise H50
 F:120/70-19
 R::未確認。FXLRSに近い180/70-16あたりと思われる。

    フロントの/70の扁平率は記憶違いかなとも感じます。ローライダーSは/90ですし。
    しかしR18 /2のこの写真から、やっぱり70あたりなんじゃないかな?
    だとすると、R18の目指す方向性は、ハンドリングに関してBMWは一切妥協せずかなりスポーティーな走りが期待できそうです。ハーレーのクラブスタイルなんぞ、ヤンチャなボーヤのお遊びだろ?とでも言いたげな。まあ、単にフロントヘビーなためかもしれませんが。

   
 


シート
 R18/2より若干小ぶりに?色は黒。後方中央に「BMW」の銘入り。

ホイール
 メッキシルバーのスポークタイプ。本数はR18より少ない感じ?
 サイズはタイヤ参照

ブレーキ
 F:ダブル
 R:シングル
 ローターデザインはハーレーに似てる。
 キャリパーはメタリックシルバーのカバーで、「BMW」の刻印あり。

ヘッドライト
 LEDで見た目は特に特色無し。カバーは黒だがR18のようなデコボコは無くツルッとしていたような。

ウィンカー
 形状は最近流行りの矢尻型。
 リアはテールランプを兼ねていて、ダイナ・ローライダーS(FXDLS)と同じ趣向。
 フロントはダイナやソフテイルと同様位置、ハンドルのグリップ内側下に取り付け。

ハンドルバー
 メッキシルバー。(だったと思う)
 モトクロススタイルハンドルバーだがソフテイル・ローライダーよりは曲がりが少ない。
 が、ライポジはやっぱりローライダーSに近い

グリップ、ステップ、フットレバー
 黒。特に装飾等なし。グリップはメッキされたバーエンドカバー付き。
 ステップ位置はハーレーで言うところのミッドコントロール。
 フラットツインのシリンダーがあるので、フォワードは有り得ない。

フロントブレーキ、クラッチのレバーとリザーバータンク
 メッキ。形状は普通。だったと思う。
 クラッチは油圧と思われる。

メーター
 丸形のシンプルなものがハンドルバー中央に取り付けられている。

タンデムシート
 今回はシングルシート仕様なので装着無し。
 ただし、パッセンジャーシートやタンデムステップの取り付け部らしき穴は確認できた。

サドルバッグ
 ガードを装着するためと思われる穴がテールカウル横に有り


2.感覚的な部分

サウンド(排気音)
 予想に反して抑えれられていて、アイドリングは結構静か。
 ただしアクセルを開けるとさすがに1800ccビッグツインなりの爆発がはっきりわかる重低音が響く。でも国内規制の範囲で満足度低し。
 ユーザーとなった人の多くはマフラーを変えたくなるハズ。

重さ、足着き、サイズ感、
 跨って引きおこしてみたところ、
 引きおこしの重さは、現行ソフテイルのローライダーSより重く、ダイナ・ローライダーSより軽い感じ。
 フラットツインで低重心であるはずなので、多分、車重は320kgから330kg位ありそう。あるいは、フロントヘビーなためかも。

 足着きはかなり良い。
 シート高は低く、シートはややスリム、ハーレーみたいな出っ張ったプライマリーも無いので楽々。

 ステップに足を置き、ハンドルに手を添えた感じでは、ダイナ・ローライダーSに近いサイズ感。


 おそらく全体的なサイズはダイナやソフテイル・ローライダーSとあまり変わらないと思いますが、1800ccフラットツインエンジンの存在感が凄く強調されていて、かつやや小ぶりなタンクとシートのせいで、全体的には見た目はハーレーのソフテイルモデルよりやや小さく感じます。
 

3.その他、特記事項

 なんと、リバースギアが装着されている模様。
 シート下左側に長さ5cm位の大き目のフューエルコックみたいなレバーがあり、FとRの刻印あり。
 会場のスタッフさんと確認しましたが、多分リバースギアだろうとのこと。
 (BMWJapan社員さんも実は詳細は知らされていないらしい)


以上ですかね。
どなたか、CG化をお願いします。


先行して発表済みのR18/2は、カラーがレッドですが、ダイナ・ローライダーS(FXDLS)を強く意識したクラブスタイルモデルそのものだと感じました。

一方、市販モデルとなるR18 FirstEditionは、カウルが無くなり、ブラックだけどストライプ入りタンク、フィッシュテールマフラー、スポークホイール、等、クラブスタイルから少し距離を置いてクルーザーの方向に振っている感じです。

それでも、全体のシルエットはやっぱりクラブスタイルの匂いがするし、ダブルのフロントブレーキ、FXDLSと同様テールランプ機能をリアウィンカーに統合する手法、よく似たシートとテールカウルの形状などなど、ローライダーSをこれでもかと真似して強く意識して狙いを付けていることはほぼ間違い無いところ。
(ドイツ人って以外と粘着ね)

これはもはや、
ミルウォーキーに殴り込みに来たも同然です。


また、ブラックレザーの新モデルライディングウェアも展示されていて、こちらもハーレーを意識したスタイルでした。

ちなみに、会場にはソフテイル・ローライダー(FXLR)も置かれていました。
なんでローライダーSでないの?ってスタッフさんに聞いたら「そうしたかったが諸般の事情でこうなった」とのこと。
あんだよ。。言ってくれれば自分のFXDLS持ってきたのに。。。


で、スタッフのお一人に、ここまでハーレーを(あからさまに真似して攻めますかね?って言ってみたら、
「限られたパイの中で売上伸ばすには残る分野に食い込まないと」的な話をされていました。
日本の外車市場ではハーレーに次ぐ2位ですが、販売台数は倍近い差がありますからね。

確かに、現在のBMWにはクルーザーは無いことはないですが、メジャーだとは言い難い。
K1600B
https://www.bmw-motorrad.jp/ja/models/tour/k1600b.html




かつてはアメリカンモデルも有りましたが、いつの間にか消えました。やっぱカッコ悪?
R1200C
https://www.bikebros.co.jp/catalog/7/1_6/




新たに顧客を開拓するためには、ハーレーのソフテイルモデルの市場を攻めるしかないという判断でしょう。
そのためにややはりツインモデルで、ってことでしょうね。
インライン6でやっても面白そうですけどね。個人的には。

しかし、フラットツインゆえにブレイクアウトやファットボーイのようなフォワードコントロールスタイルは不可能。
よって、必然的にまず勝負をかけるのはローライダーってことでしょう。


また、クルーザーモデルを出すだけにとどまらず、豊富なアフターパーツでカスタムを楽しむというハーレーのビジネスモデルも取り入れようとしているんじゃないかな?

エンジンのヘッドカバー、インテークカバー、フューエルキャップ等等ところどころに配置したメッキパーツは、今回モデルはツルンとしてますが、ユーザーとしては「ここに何か模様が欲しいだろう!」って思うこと間違いなし。


ただし、マフラーは既にかなり凝り凝りな形状をしていて、アフターパーツでどんな形状にできるんだろう?って感じですね。
音は間違いなく変えたくなるでしょうから、マフラーもいろいろ出てくるはず。
しかし、ノーマルが3次元の複雑な形状してるので、同じ意匠でアフターパーツを作るのは容易じゃなさそう。
例えて表現するなら、
既存のマフラーがただの棒(マジンガーZの脚)だとすると、
R18のマフラーは豪奢で妖艶なグラマラス(ゲルググの脚みたい)





ハーレーと張り合うにはアフターパーツとして絶対欠かせないマフラー市場がどれだけ盛り上がるかが、R18の肝かも。
2in1なら形状のこだわりは捨てられそうですけどね。


それにしても、空冷フラットツインに乗った経験があれば、ある心配も感じるはず。

夏場の足の暑さです。


なんせ足の直前にエンジンシリンダーがあるわけすからね。
高速で飛ばしているときには大量の走行風で熱さも吹き飛ばされますが、下道では足、地獄です。
しかも1000ccでもかなり熱いのに、倍の1800ccです。熱量も当然倍です。

ここ、このモデルの一番の急所かなあ。

予想として、吸気ガスの空燃比を濃く(ガソリンを多めに吸わせる)すれば、エンジン発熱が抑えられるので、そんな対策を打っているかも。
当然、燃費が悪化しますが。。
本当にそうしてたら、リッター17km位かもしれません。
ちなみに自分のローライダーSではツーリングで20km位。
ミルウォーキー8のソフテイルでは25km位出るようです。


つづいてR18の生い立ちを。

R18というモデルは、まずエンジンが出来上がり、それをバイクに仕立てることを、世界のどの国でもなく日本のカスタマーに依頼したそうです。
選ばれたのは岐阜の
CustomWorks Zon
https://cw-zon.com/2020/02/09/salon-du-2-roues-lyon/

R18のエンジン、駆動部分一式「だけ」がドイツ本国のBMWから送られ、条件は「エンジンを掛け走ることができる」モデルを作ること。
たっとそれだけ。
でZonさんにより生み出されたのが上記ホームページのモデルです。

そして、最初にお披露目されたのも、ここ日本。

日本とこうして手を結び、そして敵として狙うはアメリカ合衆国のハーレー。
しかも一番人気のローライダーSをまずは標的に添えて。

むむ、なるほどね!!
ドイツのBMWさん、もう一回やりますか!


WWⅡの意趣返しをアメリカに!

じゃあ、イタリアも誘わないとね!!

あ、いや、ちょっと待て! 
あ、やべえ。

ローライダーSのデザインって日本人のダイス・ナガオさん、つまり、日米合作のハーフじゃん。
https://response.jp/article/img/2016/04/22/274030/1044269.html


日本て既に微妙な立ち位置。。

ごめん、BMWさん、今回の話はなかったことにして。

でも、
欲しいよ。R18。

ちょーだい、BMWさん(>人<;)



R18/2ベースにR8FirstEditionとの違いを図示してみました。
元の画像はこちらから拝借。