「高麗の皇帝には、必ず、私の息子がなるのよ」

第3皇子 即位後 定宗  ワンヨ

 

薔薇風呂あがりの母の濡れた髪をふくワンヨのシーンを見て、

夏木マリと目黒祐樹の淫靡な親子の姿を

久しぶりにおもいだしました。

あちらは正真正銘、(映画版限定)妖怪母子なので、血風呂でしたが・・・(笑)

(里見八犬伝《1983 角川映画》)
 

※内容にふれています。

 

原作ドラマだと、ワンヨ、もしくはワンヨが担うべき、該当者はいません。

 

他人の心理の奥底にある弱さや悪意に至るまで、

読むことに長けているのは、それだけ、その人だけでなく、

周囲の動きをよく見ている証拠です。

それを利用して、自分の手は汚さず、ことを成し遂げようとする。

欲しいものは欲しい。

典型的な イヤな奴です。

 

ただ、表向きも、いい人ぶらないのが、清々しい(笑)

 

もちろん、なぜ 彼がこんな風になってしまったのか、

視聴者には、手に取るようにわかるという親切設計です。

 

あの母からは、どうやったって逃れられません。

 

今となっては、皇太子殺害の水銀はウクが進めてきたことだし、

ウンの殺害についても、計画はウク。

最期の引導だけ、手渡されたようなものだと、わかりますが、

ま、それを差し引いても、弱者をいたぶるところなどや、

自分以外の人間を「駒」としか見ていないところなど、

ムカっとすることも多いです。

 

彼の濃いめのアイラインが妖しく画面に映るたびに、悪巧み~事件勃発の合図。
今度は何よ~~~緊張感が漲ります。

 

敵を仕留めるのに、「弓矢」を重宝するのは、

「他人の血に触れるなんて、もってのほか」の美学をお持ちのヨ様にぴったりだから。

相当の腕前です。

 

ウクとの弓矢練習のシーン、象徴的ですね。

「お前が誰を標的とするのか、楽しみだな」

もしかしたら、ヨナ公主以上に、ウク自身が気づいていない野心を

ヨは気づいていたのかもしれません。

ウクの深層心理に 悪意の種が宿ったことを

悟ったかのような 餌まき発言。

ホント、油断ならない。。。

  ヘスの朝帰りに動揺かくせず、外していたウクでしたが、

  ヨがいなくなったあと、明らかに 「ソ」を標的にした際には、

  命中してました。。。こっちも怖い。

 

一度目の謀反、失敗。

 

追いつめられたヨを、まず、ウクが弓矢で狙います。

恵宗擁立の立役者となったウクにとっては、

欲しいものを必ず手に入れると誓い、練った策略の途中段階にすぎず、

ここで、謀反人ヨには死んでもらわなければなりません。

 

「殺したい相手の顔を思い浮かべるのだ」

なんら躊躇いのないウクの表情からは、

ヨの必中法どおりの邪道な修練を重ねてきたことが伝わるシーンでした。

 

そんなウクを ソは「獣扱いするな」と 止めています。

欲心に迷い、「尊厳」を捨てたヨやウクに、「品格」はありません。

細かいようですが、この対比に泣けるのです。

 

 

ソは、なんとか傷つけずにとらえようとしますが

咄嗟に、切りつけてしまい、崖下に転落。

 

  このとき、直後の予告で生きていたことがわかってしまい・・・

  やっぱり、本編で「げ~~、お約束通り 生きてた~~」という展開を

  味わいたかった・・・。ベタ好きですみません。

 

2年が過ぎ、恵宗がすっかり、水銀の毒におかされた頃、

再度、ヨが皇宮に攻め込みます。

 

無理やり ソを屈服させて、定宗になったあと、

皇太子暗殺が、誰の手によるものなのか、

ヘスに知らせるところも、秀逸です。

昔から、自分をまったく怖れない女。

眼中にすら入れない女。

そして、なにより、ソの急所そのものであり、利用価値のある女。

ゆさぶり、反応を見る。

当然、スの答えは、ヨを退屈させません。

 

地獄から甦り、皇帝になった彼。
皇座の呪いに抗えず、精神を病んだ繊細な彼。
次期皇帝の名を空欄にした彼。

「全部お前のせいだ」
怒りにまかせて、「(次期皇帝は)お前が選べ」なんて、

ヘスを脅かしておきながら、スから視線をそらすことなく事切れました。

 

やっぱり こやつも最後にそばに置くのは、ヘスなのか。。。チーン

 

ヨとしては、決して意図したわけではなかったでしょうが

皮肉なことに、ヨが次の皇帝を、母の言うとおりに

ジョンに選定しなかったことが

光帝誕生の最大のアシストになってしまいました。

 

 

《結論》 チャれっそ!ヨや~。  こんなに語れるなんて、

     結構、私、好きだったみたい。 

 

※ページ内画像は SBSさんよりお借りしました。