割と、奇数回は、ざっくり度が高くなりそうな気がします。3話は2分割です。てへぺろ
《今週、ちょっと多忙で、なかなか、進まず。。。遅くなりました。》

 

 
ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

青春ウォルダム(月譚)  청춘월담 英題:Our Blooming Youth

 (tvN 20230206-0411 全20話)

 

【Episode 3-1】

 

ジェイの口を押さえつけ、暴露を止めるファン。

ファンの前に、正座すると、

ファンの不利益になるようなことは決してしないと誓い、涙を流しながら、助けを請うジェイ。

 

自分に忠誠を誓い、命をかけて、ケソンから自分に会いに来たと言ったのなら、東宮に来るのは簡単だろう、と言い出したファン。

ファン「朝鮮と言う国は、女子に対し、“ああ、お前ならできる。やってみなさい。”ということはないと申したな。では、忠誠を誓うものに、その許可を与えよう」

 

東宮に参れ

ただし、中に入る方法は自分で見つけ出さねばならぬ

よかろう、お前ならできる。やってみよ

 

それが、ファンが出した課題でした。

 

ジェイ「・・・・・」

 

その時、テガンが、先ほどの大声を聞きつけたのか、姿を見せると、

それをきっかけに、倉庫を後にするファン。

 

すぐ傍に控えていた割には時間がかかったような感じがしないでもないですけど、これも、ミスリードかもしれません。

 

というのも、実は、この倉庫でのシーンの合間に、テガンと同じ、赤い装束を来た護衛武士が、人目につかない裏庭にやってきたシーンが挟まれてます。

しかも、手の甲の感じが若いのよ。。だからそれも、ミスリードよ(笑)

 

地面に、通信箱ならぬ、筒が掘られている。

懐から、密書を取り出し、中に入れる。

そのあと、今度は、女官がやってきて、その文を取り出す。

 

「王世子が、軍事訓練の狩場から、五衛の兵士を一人、捕まえてきた」

 

一体、誰が誰のスパイなのか、誰と誰が繋がっているのか、おそらく、錯綜してそうな気がします。

そして、ミステリーと謳うからには、「怪しいふり」=「怪しくない」、もしくは、後々、事情がある・・だと思うので、それも要注意。

ね、ソ内官?(苦笑) ← ファン付きの内官。。

 

・・・ということがありつつ、倉庫の外で、ファンに追いついたテガンが、ジェイの処遇というか、(今までの)特別扱いが不思議でたまらず、ファンに訊ねても、無言を貫くファン。

 

倉庫内では、“出宮”の札を見つめるジェイ。

王宮の外に出る=死。

今は、わずかな望みにかけるしかない、と涙を拭き、

立ち上がる。

 

すぐに倉庫を出て、ファンに追いついたジェイ。

ジェイ「チョハ、御命じになられたとおりにいたします」

立ち止まるファン。

テガン「???」

 

ここ、うまいよね。

ちょうど、スラッカンの侍女たちが通りかかったところで、ジェイが、直接、セジャに指示されて動く人間なんだって、目撃者になってくれたんだよね。

 

テガン「あいつ、ほっておいて大丈夫なんですか?」

ファン「どうするか、見ものだな」

 

すぐさま、スラッカンの侍女たちに、自分は、狩場でセジャについていた護衛だったが、今度、内官になることになった新入りで、内官の制服に着がえるにはどうしたらいいか、と淀みなく質問し、更に、通りかかった内官につないでもらう。

まんまと、内官詰所にたどり着くジェイ。

 

「不運な奴だ。あんな繊細そうな奴が、東宮でやっていけるのか?」

「3日ももたないんじゃないか」

と噂される始末。

 

内官の官服を前に、心を落ち着けるように、一息つくと、着替えをはじめるジェイ。

 

 

~マンヨンダン~

そうそう、ミョンジンが、ジェイを愛してるとか、ふざけたことを言い出した直後ですね。

 

ジェイのことなら、本人以上にわかっていると自負するガラムとしては、どこで、このミョンジンとジェイに接点があったのか、と不思議でたまらない。

ガラム「つまり、その人を好きだとかなんとか言われました? たとえ、その人が、先生様の言う通り、無実だったとしても、あの女性には、婚約者がいて・・」

ミョンジンのこと、先生様と呼びましたね(笑)

 

ミョンジン「噂によれば、そばに、別の男もいたらしい。だが、それがなにか問題か? 私が彼女を好きというだけだ」

ガラム「・・・・・」

もう、ガラムの開いた口がふさがらん(笑)

 

世宗大王が作らせた「新註無寃録(法医学に用いる、法と薬の本。検屍の手引き書みたいなもの)」という本を見せられ、読んだことないのか、と言われるガラム。

 

ミョンジン「まさか、本も読めないのに、私の弟子になれると思ったのか?」

ガラム「文字が読めることと、検死に何の関係があるんですか? 検死なんて、大抵、仵作人(オジャギン)がするも・・」

と言いかけると、解剖は、死体を扱うために、身分の低いものの仕事だと言われているが、死因を突き止める仕事でもあり、重要で価値のある仕事だと力説するミョンジン。

 

別の人に師事していた時、アムクル(女性文字)なら習った・・と言いかけると、今度は、文字に対する冒とくだ、美しい書き文字を、その先生は教えてくれなかったのか、と、怒られるガラム。

※平安時代、日本でも、漢語を重用する官僚たちから、ひらがなは婦女子が使う文字だと一段低く見られていたのと同じような感じがしますね。

 

ガラム「教えてもらいましたよ、でも・・・私の頭の中には、虫が住んでて・・」

なにか覚えようとするたびに、そいつが全部食べちゃうんです、と、泣き言を言い始めるガラム。

自分のような身分の低い者には、覚えたところで、どこで使うのか・・と自虐的なことを言うと、「どこで使うかって? これを読むのに使うだろうが!」と本で、ガラムを叩こうとしても、パッとよけられる。

ガラムは、勉強はできないけど、運動神経はバツグンみたい。

 

「漢字がむつかしいからわからないのだ、というのは理解できるが、少なくとも、書き文字(ハングル)は覚えなければならない」というミョンジンに対し、ずっと働き詰めでそんな暇なんて・・と答えるガラム。

 

ミョンジン「お前のようなもののために、世宗大王は、この書き文字を作られたのだ。どんなバカでも一日あれば覚えられるぞ。この世のどこに、これほどよい書き文字が他にあると思うのだ?!」

 

自分の名前、キム・ミョンジンを書いてみろ、と課題を出され、とりあえず、書いてみると、

高笑いしながらも、

「よく書けてる! お前、それほど悪くないぞ。これだけ、基礎ができてるなら、半日もかからない」と褒められる。

うっすら、嬉しそうなガラム。

 

識字は大事だからね。

ミョンジン、理に適ってるだけじゃなく、人を育てる才能もあるかもよ。

 

今度は、弟子とするならば、お前のことを知っておくべきだから、ガラムのことを話せ、と言われる。

今朝、会ったばかりで、もう近所の人に弟子だって紹介したくせに、と言い返すと、気に入らなければ、いつでもクビだ、と強気なミョンジン。

 

ミョンジン「お前の文字は、それほど、ボロボロってわけじゃない。いいから、何が得意で何が不得意なのか、申してみよ」

改めてそう聞かれ、考えるガラム。

 

~東宮 ファンの部屋~

部屋に入ろうとしたとき、控えていた内官と女官に止められるファン。

女官「昨晩、ご用意したものがございます」

ソ内官「狩りの訓練からお戻りになるのが遅く、お見せできませんでした」

控えていた二人の内官に、お見せしろ、と命じるソ内官。

 

いきなり、ドラや小さな鐘を取り出して、

ファンを褒める歌を踊り囃し立てる二人。

えっと・・・もとから、こういうフォーメーションの踊り、韓国にあるんでしょうか。それとも、流行ってます?

この人たち、ギャグメン(お笑いの人)じゃないですよね(笑)

 

ファン「もうよい」

装束の下にドラが隠せるのを感心するファン。(笑)

 

ファン「ありがとう」

踊った内官の一人が、このような時期に、東宮に、友好的で元気な新しい内官が増え、新しい活力になれば、どんなによいことでしょう、声をかけて連れてきましょうか・・と、伺いをたてる。← これが言いたかったのね。(笑)

ファンが厳しすぎて、務まる成り手がいなくて、人手不足っていうのは、本当なのかな(笑)

 

ファン「お前たちのように、私を気遣ってくれるものがいるのに、友好的で元気な者がなんの役にたつというのだ?・・・却下だ

ドラを鳴らすファン。

激務な部下を労ってるようで、人員を増やす気がないときの、上司みたいな口を利くファン(笑)

 

ファンが部屋に入ってしまうと、「まだ、失敗した・・」と愚痴る若手の内官。

女官も「何してるの? セジャ様は、新しい人を入れるのがお嫌いなのに・・」

だったら、気まぐれで、人をクビにしなければいいのに・・・と、結構、不満があるのね。

ソ内官「ただ、祈祷をすればよいのだ。お前たちはわからない。今日にも、なにかが起こり、チョハが、寛大な心で誰か新人を入れることを受け入れるかもしれぬ

 

これが、ジェイが東宮にやってくる、盛大な前振りになるのね(笑)

 

 

一方、表では、とりあえず、内官の集団の最後尾について、王宮内を歩くジェイ。

見慣れぬ王宮内の景色が物珍しく、ついつい、列から遅れ、迷子になってしまう。

 

うろうろしていると、ファンにサミ茶を届けようとしていたハヨン公主(ファンの妹)と遭遇し、

転びそうになったところを助けた縁で、

気に入られるジェイ。

遠慮するジェイに、隣にくるように、手招きするハヨン公主。

 

ハヨン公主「王世子が、すごく口うるさいって噂、もう広まってるんでしょ? お兄様を知れば、きっとわかるはずよ、お兄様はそんな人じゃないって・・。王世子様をよくお世話し、支えるって、約束してくれる?」

 

妹には、好かれているようだ、と少し安心するジェイ。

 

とんとん拍子に、東宮までやってくる。(笑)

 

~マンヨンダン~

ミョンジンに、得意不得意を聞かれたガラム。

ガラム「些細なことでも構いませんか?」

いいぞ、申してみよ、と乗り気になるミョンジン。

 

ガラム「まず、塀を乗り越えるのが得意です」

ミョンジン「???」

 

そこから、ガラムが、ジェイとともに、ケソンで事件解決に動いていた際の、武勇伝が始まります。

(まぁ、ジェイと一緒だったことは伝えてませんけど(笑))

 

男装し、屋敷を抜け出すジェイとガラム。

 

~王宮内~

 

東宮に向かっている途中で、ジェイもまた、その当時のことを思い出している。

 

~回想~

ガラムと共に、屋敷を抜け出したことが、父親にバレた日。

 

なぜ、男の身なりをしているのか、と父親に訊ねられるジェイ。

 

50回のむち打ち刑を受け、監獄に入れられた病弱な者がいるが、彼は犯人ではない、と訴えるジェイ。

父「これは、不当に投獄された男の状況を解決するというだけの問題ではないのだぞ。ありえないことだ、男の装束を女のお前が着るなど・・・」

そう言いつつ、ジェイを見つめるミン・ホソンの様子は、娘のジェイが男性以上に有能で、才気に溢れていることも、こうして、ジェイが訴えたい気持ちも、十分、承知している様子です。

 

ジェイ「男性にならねば・・・彼を救うためには、男性にならねばなりません」

世間は、女の身なりをしたものの言うことなど、何一つ、取り合ってくれない、無実の男の娘がお腹をすかせて、父親の戻りを待っているのだ、彼の無実を証明し、娘のもとに戻してやりたい、と訴えるジェイ。

ジェイのしようとしていることは、この世の秩序に反することだ、そんなことをすれば、世間の壁が行く手を阻み、立ちはだかるのだ、それに耐えられるのか、と説得しようとする父。

ジェイの父「諦めず、その道を突き進み続けることができるのか?」

一点の曇りのない瞳で、父親を見据えるジェイ。

それを物陰からじっと見つめているガラム。

 

ジェイ「それら全てを恐れ、女性の枠組みに縛り付けられたままの身でいるには、私はこの世が好きすぎるのです、父上。」

 

今、まさに、内官の装束を身に着け、男の身なりで、東宮の敷地に入る門をくぐろうとしているジェイ。

 

ジェイ(声)「もし、敷居があれば、それを乗り越えていきましょう。この世は、面白く、興味深いものなのです。」

 

この竹林の小道は、「雲月」を思い出します。。。

 

ジェイ(声)「全力で駆け抜け、この世を隅々まで、この目で見たいのです」

 

東宮の御所に到着した一行。

 

ファン:よかろう、お前ならできる。やってみよ。忠誠を誓うものに、その許可を与えよう

 

建物を見ながら、立ち尽くしているジェイに、「こちらに参れ」と、笑顔で手招きをするハヨン公主。

2回目。(笑)

見るからに、可愛いよね、この子。

 

ハヨン公主「さぁ、ここが東宮よ。これからは、迷子になったりせず、ちゃんと自分で道を見つけるのよ」

ジェイ「はい、もう見失ったりしません」

なんだか、今後の展開を示唆するようなやり取りである(笑)← キートン山田風に(笑)。。

 

深々と頭を下げるジェイ。

 

 

~ファンの部屋~

ジェイとの話を前提にして、熟考するファン。

 

ファン:何者かが、私が送った婚礼の贈り物の中に、偽の秘密の手紙を忍ばせたとして、おそらく、その者は、幽霊の呪いの書を送り付けたもの、もしくは、その一味の一人に違いなかろう。

呪いを現実のものとするために、私を矢で撃ち、ケソンへの伝令や我が師の家族を殺した者・・・、そやつらは皆、同じものであろうか。

 

自分のそばにいる閣僚たちの顔を思い浮かべながら、おそらく、あの者たちのうちの一人だと推測するファン。

 

狩場で、自分にむけて、狙いを定めていたかのようなソンオン。

犯人に仕立てられたと主張する恩師の娘ジェイ。

 

誰の手を取り、誰の手を振り払うべきなのか。。。

 

ちょうど、ハヨン公主がお茶を届けに来訪し、そこで、はじめて、ジェイの姿を確認した内官たち。

内官たち「・・・・???」

 

ここでも、ハヨン公主の、クイクイっていう手招きが可愛いのよ。(笑)

3回目(笑)

 

来る途中で、東宮の場所がわからなくて、迷子になっていた新人の内官に出会ったので、ここまで連れてきた、と説明するハヨン公主。

 

内官姿のジェイを確認したファン。

この時の、「来たか・・・」っていう顔と、密かに肩で息をする感じ、いいよね(笑)

 

ジェイ「チョハ、お命じになられたとおり、ここまで自分でたどり着きました」

第一関門突破です。

 

~市中~

事件に進展でもあったのか、ソンウンを先頭に、馬に乗った兵曹の一団が通りを駆け抜けていく。

 

~右議政の屋敷~

右議政の息子、兵曹のハン正郎が、祝賀の詞を血まみれにしたとの理由で、道教の管轄オ・マンシクのところに出向いたと報告を受ける右議政。

 

鼻で嗤う右議政。

右議政「もし、狩場での訓練中に、世子にいやがらせをしたければ、捕まえて、足をひねるかすればよいではないか?」

左議政の読み通り、右議政の仕業じゃないってこと?

 

ガプスと呼ばれた報告者に、「その男、今日、仕事に出ておらぬそうだ。もし、家にいるとしたら・・・」と告げる右議政。

 

~オ・マンシクの家~

すでに逃亡したらしい、と聞き、家の中の調査を命じるソンオン。

家族も一緒に逃亡した、という話をしている途中で、「なにかあったのか?」と隣宅の住民が話しかけてくる。

ひと月くらい前、家財の処分をしていた、と聞き、落胆するソンオン。

 

~右議政の屋敷~

右議政「ハン正郎には同情するよりほかないな。女には振られ、オ・マンシクをとらえることもできぬとは・・・。鶏を追いかける犬のごとく、無駄足であったな」

わ~い、この笑い方、いつもながら、小憎らしいったらないわ。(笑)

『ラストスキャンダル』(2008)の頃は、まだ、ギリ2枚目、かすってたよね~~(笑)

 

~ファンの部屋~

ハヨン公主がお茶を振舞っている後ろで、そのまま、控えているジェイ。

 

ファンが、東宮に新しい内官を入れたことに興味があるハヨン公主。

ハヨン公主「あなたもこちらに来なさいよ。お兄様は、そんなに怖い人じゃないって言ったでしょ?こっちに来て、お茶を入れてちょうだい」

ファンが承服したのを見て、前に進み出るジェイ。

 

確かに、東宮に来いとは言ったけど、短時間の間に、内官になって現れるとは・・って、ちょっとおもしろく思ってるんじゃない?

 

その頃、部屋の外では、突如現れた新入りの内官に、東宮付きの内官たちや、宮女たちが、一体、あれは何者だ、あ~でもないこ~でもない、と大騒ぎ。← 小声でね。

ま、いくらここで、話しても、結論なんて出ません。

 

そこへ、なんと、ミョンガン皇子までやってきて・・・。

 

ハヨン公主「あの子ったら、書院(学校)に行くのが嫌で、言い訳ばっかりしてるんですよ。お兄様、勉強を見てやってください」

 

ミョンガン「一緒に行こうって約束したのに、(お姉さま)一人で来ちゃったんですね」

とりあえず、ミョンガン皇子、ぷくぷくして可愛らしい。。。

 

なんとなく、この兄妹弟の雰囲気は、大人の世界のあれこれを反映したりせず、仲がよさそう。

 

ミョンガン皇子付きの内官が持参したお菓子も追加され、一気に楽しいお茶会(笑)

 

ミョンガン「お兄様の狩での弓の腕前は、とても素晴らしかったと聞きました」

ハヨン公主「だったら、お兄様を見習って、弓矢の腕も上げるべきね。皇孫はまだ、馬にも乗れないんですよ」

ハヨンちゃん、言いつけ魔みたいだよ(笑)

 

ミョンガン「(お姉さまは、馬に乗るのが)どんなに怖いか知ってるんですか? おしっこちびりそうになるのに・・・兄上は、馬は怖くないのですか?」

 

ファン「兄上から、乗り方を教えてもらったからかもしれぬが、私は、まったく怖くないぞ。だから、お前も、私から教われば、怖くないだろう」

ミョンガン「だったら、いつか、私にも教えてくださいますか?」

ファン「その代わり、書院(王立学校)をさぼったりせぬように、いいな?」

ミョンガン「はい、わかりました」

 

ハヨン「そういえば、お兄様、祝賀の詞の謎をどのようにして、お解きになったのですか?」

ファン「あの謎を解いたのは私ではなく・・・、この者なのだ」

お茶を淹れに近づいたジェイを差して言うファン。

ハヨン公主とミョンガンの視線が同時に、ジェイに向けられる。

ハヨン「本当ですか? お兄様が連れていらした新しい内官なのよ。」

ミョンガン皇子に説明してあげるハヨン。

ハヨン「私、この者が賢いと、一目でわかりました。気に入ったわ」

ジェイ「光栄でございます」

ファン「ならば、この者をそなたの宮に連れて帰りたいか?」

ハヨン「本当でございますか? そうしてもよろしいのですか?」

嬉しさで、目が輝くハヨン公主。

抱きかかえられて、恋に落ちちゃった?(笑)

 

頷くファンに対し、焦りまくるジェイ。

 

ハヨン公主「私と一緒に、うちにくる?」

ジェイ「・・チョナ・・・(御冗談を)」

ファン「そなたはどうだ? ミョンガン? お前は、仕えている者にも優しいし、ミョンガンのところにいくほうがこの者にとっても良いかも・・」

ジェイ「ああ、ダメですよ、そんなの!」

大声を出して、話を遮るジェイ。

ジェイ「あ・・いえ、なりませぬ、チョハ・・。私はすでに東宮の内官でございます。一羽の鳥が、いかにして、二本の枝に止まることができましょうか。申し訳ございません、媽媽。ですが、どうか、王世子にお仕えさせてくださいませ。」

 

ハヨン公主「イケメンなのに、お話もこんなに上手だなんて・・・」

出た!(笑)

お気に入りのイケメンは、なにを言っても、よくとってもらえるの。

 

ミョンガン「名はなんというのだ?」

ハヨン「そうね、私も覚えておきたいわ」

 

ジェイ「・・・!!」

まだ、そこまで、考えてなかったと焦るジェイに対して、どこ吹く風のファン(笑)

面白がってるよね(笑)

 

ジェイ「ああ・・・私の名は・・」

ちらっとファンを見ても、見事に無視される(笑)

 

ジェイ「(まじで、こいつ、氷室の氷よりも冷たい奴・・)はい、私の名は・・」

 

変な間があいた時、ファンの脳内では、一人の人物を記憶の中の人名管理簿からはじき出しました。

 

コ・スンドル 丙午生まれ 温陽郡出身

 

ファン「スンドル・・お前はまったく! どうしようもない奴だ」

ジェイ「??」

ファン「宮殿に来るのに迷子になったあげく、今度は自分の名を忘れおったか?お前の名は、コ・スンドルであろう、馬鹿者め!」

 

話を合わせろ!

 

ジェイ「!!(ファンを睨みつけたものの・・)ああ、スンドル!あはは、そう、コ・スンドル、 コ・スンドルと申します。」

改めて、ハヨンとミョンガンに頭を下げるジェイ。

ジェイ「私は、時々、自分の名前すら忘れてしまうほど、どうしようもなく馬鹿者に違いありません」

頭をポンと叩きながら、笑ってごまかそうとするジェイ。

ミョンガン「スンドリか・・。そなたに似合いの名だな。覚えておこう」

ハヨン「こんなに可愛いらしい内官が入ってきて、私もやっと安心しました」

 

ここで、話は終わったかと思いきや、急に、ミン・ジェイの話題を始めるハヨン公主。

ハヨン「お兄様、ハン正郎の婚約者のこと、お聞きになりました?」

ミョンガン「この国で、今や、知らぬものなどおりません」

ハヨン「なんて、恐ろしい。どうやら、別の好きな人がいたみたいですね。おそらく、ハン正郎との婚姻を前にして、その人と逃げようとしたときに、ケソン府尹につかまったに違いありません。それで、家族を皆、殺してしまったんでしょう」

噂通りの内容を、息巻いてしゃべるハヨン公主。

 

ファン「砒素を買い求め、家族が食べる汁の鍋に入れ、そして、彼女一人がその汁を食べなかったということらしい」

ちらりと、ジェイを見るファン。

ジェイを心配しつつ、疑問に思っていることも知らせています。

 

ハヨン「ああ、なんて恐ろしい」

ミョンガン「私が聞いたところでは、崖から落ちて死んだ、とか。」

ファン「死体が発見されていないのに、どうして、生きてるかそうでないか、わかるのだ?」

ミョンガン「ああ、もうそんなこと言わないでください。おそらく、もう海に流されてしまったのです」

ハヨン「ハン正郎が気の毒だわ、彼のイケメンな顔が・・あんなに、痩せてしまって・・・」

筋がね入りのイケメン好きなのね。。。(苦笑)

 

気の重い話題に、ため息をつくファン。


ここで、切りますね。



★『青春ウォルダム(月譚)』3-1 雑感★
 

とにかく、ジェイが東宮に入らないと、話は始まらないのですが、男装女子ものにありがちな「内官」になるという設定が、単純に、身分を隠し、王宮に入り込むためというだけではなく、かねてより「女子ではできない壁」を感じていた主人公だっていうところが、いろんな場面につながっていて、主張激し目ですよね。

 

「よかろう、お前ならやれる、やってみよ」

誰も出してくれなかったゴーサインを、ファンがはじめて出してくれたこと、そして、自分で決断し、官服に袖を通したところ、などなど、結構見どころだと思います。

 

設定は重いものがありますが、基本、コメディな部分も多いです。

楽しいシーンは、おもいっきり、楽しもうと思います。

★『青春ウォルダム(月譚)』3-2に続く★