硝石とは、硝酸塩鉱物の一種。化学組成はKNO₃、結晶系は斜方晶系。無色〜白色でガラス光沢があり、

黒色火薬の材料のほか、染料、肥料、釉薬の材料にも使われる。

勉強になりました。。


 

ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

青春ウォルダム(月譚)  청춘월담 英題:Our Blooming Youth

 (tvN 20230206-0411 全20話)

 

【Episode 9-3】


 

~王の間~

ガッシャーン!

膳をひっくり返す王。

 

王「チョ・ウォンボに、この五つの皿の膳を受けたあと、苦々しく悔やんだと伝えよ」

 

~中殿の間~

右議政「王が王座で乱用している権力は、我が一族や私によって与えられているものなのです。私はただ、王に、それを忘れるべきではないと、教えて差し上げたにすぎません。どうかご心配なく、媽媽」

今回のことを、そう、中殿に説明する右議政。

 

 

中殿「ですが、王様は、お怒りで、食卓を投げつけたそうです。」

ははは、と小さく笑い飛ばす右議政。

右議政「王家の食事は、(朝鮮)八州への気遣いを表すものです。民たちの厳しい労働を無視することはできないというのに・・・」

 

それでも、右議政を見る中殿の表情は固いまま。

 

右議政「チョナは、今回のことで多くのことを学ばれたことでしょう」

 

眉をひそめている中殿。

徐々に、この人の表情が、ただ、右議政を恐れているだけ・・には見えなくなってるんですが、どうなんだろうか?

 

同じチョ一族とは言え、右議政の実娘じゃないってこともポイントかな。

右議政に王室に送り込むのに適した実娘がいなかったからか、たまたま、この人が中殿に祭り上げられているだけで、圧倒的に、立場は弱い。

中殿は、力のある伯父を恐れ、逆らえないのも、ミョンガンの立場を考えるからこそ、とずっと思ってたんですけど、どうも、この人は、そこまで無策な人じゃない気がします。

 

 

~ファンの部屋~

こちらも、食事を前に、微動だにしません。

チーム世子のみなさんも、おなじく立ったまま、微動だにしません。

久しぶりな、このお通夜のような感じ。。。

 

怒りをこめて、箸をつけないファン。

 

気持ちはわかるけどね。

 

あ~、ここで、ミョンジンたちと一緒に、食堂で食べたクッパを思い出して、バクバク食べながら、真に民の側にたつ世子として、こういう食事ですらありがたい、こんなことくらいで揺るがないってところを見せたら、かっこいいんだけどな。

まだ、世子の地位にいることに必死で、そこまで達してない感じ、あるよね。

 

私は、ハヨン公主の対応が一番、好き。爆笑

 

~東宮殿 庭~

わざわざ、足を運んできた右議政。

 

右議政(呟く)「ソンジュのチョ一族を怒らせてはならないのだ。チョハも、それを心にとどめておかねばなりませぬぞ」

 

部屋の中では、その声が届いたのかどうか、一層、闘志をもやすファン。

 

~市場~

宮殿での大騒ぎを振り払うように、出てきたジェイ。

 

「軍器寺」と書かれた、兵器など軍需品の製造を担当していた官庁を訪れ、

世子の指令で調査に来た旨を伝える。

ジェイ「最近、硝石(火薬のもと)を受け取りにきたものはおりますか?」

 

出庫の記録を見せる役人。

一瞬、動きが止まるジェイ。

 

ジェイ「本当に、この方でよろしいですか?」

役人「ええ、間違いありません」

ジェイ「この帳簿を世子に持っていきます」

 

そのやり取りを、塀の外から聞き耳を立てている右議政の護衛武士。


ジェイ「(なぜ、この方が・・・)」

ジェイの重苦しい顔を見ると、予想外の人物、しかも、そうであってほしくない人物の名前が書かれていたとしか思えません。

 

自然と、足が兵曹の役所に向いてしまったジェイ。

門の外から伺うと、兵士たちに、優しく声をかけているソンオンの姿が見える。

 

ふと、門の外に立ち、こちらを見ているジェイに気づいたソンオン。

会釈して、足早に立ち去る様子に、慌てて、門の外まで追いかける。

 

ソンオン「コ内官。どうかしたのか?」

ジェイ「いいえ、なんでもありません」

ソンオン「なんでもないことはないだろう?チョハの指令で、こちらに参ったのか?」

ジェイ「違います。ただ、用事で通りかかっただけなのです」

・・・目を合わせられてないじゃん。

ジェイ「そう、そうです。ただ、通りかかっただけなんです」

わけありオーラ、出しまくり。

 

ジェイ「ご無理のないよう、お気を付けください、ナウリ」

 

一体、どうしたんだ? なんか変だな、と思うものの、

一礼して去っていくジェイ。

それ以上、追求できず、見送るソンオン。

 

~マンヨンダン~

東宮殿に戻る前に、もう一度、帳簿を見返しているジェイ。

ジェイ「(チョハは、この帳簿を見たら、どれだけ、傷つかれるだろう)」

 

そこへ、ミョンジンとガラムが戻ってきました。

 

ジェイ「硫黄を手に入れた者を捜していらしたのですか?」

ミョンジン「三日かけて、薬屋を回り、ようやく、これを見つけることができたよ」

帳簿を差し出すミョンジン。

 

慌てて、ページを繰るジェイ。

 

ガラム「軍事寺に、行かれていたんですか?」

ジェイ「行ってきたところだ」

ガラム「漢陽には、蜜蝋を売る店が数えきれないくらいあります」

その数を想像し、ちょっとうんざり気味。

 

ミョンジン「確かにそうだが、硫黄と硝石の購入者の名前がわかれば、もうそれ以上、探索することもあるまい。(ジェイに)そうだと思わないか?」

難しい表情のままのジェイ。

やっぱり、ここにも同じ人の名前があったの?

 

~雑貨店~

翌日、蜜蝋を売る店も調査するジェイ。

帳簿を確認しているジェイ。

店主「とっても、太っ腹なお方でしたよ。たくさん払ってくれたし、うちにある蜜蝋を全部持って行ったよ」

 

虚ろな目になるジェイ。

 

ジェイ「・・・ああ、この帳簿を貸してもらってもよろしいですか?」

店主「ところで、あなたは、どういう御用向きの方なんですか?」

世子付きの内官である札を見せるジェイ。

 

店主「アイゴ~! 世子様のためにお仕事をされてるとは思いもしませんでした。どうぞ、お持ちくださいませ」

手のひら返しな店主。

 

力なく店を出てきたジェイ。

またしても、あってはならない人の名前を帳簿に見つけてしまったんだね。

 

ぼうっとしながら、歩き始めると、大量の荷物を背負った男とぶつかってしまう。

派手に、道に倒れ込み、しょっていた籠がバラバラに。。

 

すみません、と謝りながら、男を立たせるジェイ。

 

男「なんてことだ。自分の行く方向くらい、もっと注意して歩かなきゃ。ああ、これ全部を背負子に乗せなおすには、どれだけかかるだろうなぁ」

道に散乱している竹で編んだかごを拾い上げはじめるジェイ。

男「ああ、結構だ。さっさとお行きなさい」

うるさそうに、ジェイの手出しを許さない男。

ジェイ「申し訳ありません」

帳簿の入った風呂敷包みを持ち、とぼとぼと歩き始めるジェイ。

 

そんなジェイの後ろ姿を見ている男が、竹籠をどけると、そこには、本物の風呂敷包みが隠されていた。

ちらりと、遠くに控えている護衛武士に目で合図をする男。

 

あ~、このすり替え、仕組まれてたのね。

 

~ファンの部屋~

ファン「今、だれがやったと申した? 同時期に、蜜蝋、硝石(火薬)、そして硫黄を購入した人物は本当に・・・」

ジェイ「間違いございません。三か所から帳簿を受け取ってまいりました」

信じられないファン。

ファン「開けてみよ。この目で確認する」

帳簿の入った風呂敷包みを差し出すジェイ。

 

7~10歳くらいの子供たちと一緒に見てたら、「あ~、それ、偽物だよ~」「見せちゃダメ~~~!」って大騒ぎしそう。(苦笑)

私、本の読み聞かせとか、大好きなんです(笑)

 

~王の間~

広げられた帳簿。

 

王「蜜蝋、火薬、そして硫黄。。。つまり、すももの木に火をつけたのは、雷ではないということなのか・・・しかし、本当にこの人物なのか?」

 

人物の名前を最後まで伏せるつもりでしょうが、今までの流れで、わからないほうがどうかしています。

 

そして、なぜ、ジェイの手元から離れたはずの帳簿が、王の手元にわたったのか・・・に関してもですね。

 

~左議政の屋敷前~

夜になり、兵曹の役所から帰宅したソンオンの目の前に、家の前で警備する護衛武士の姿が飛び込んできました。

 

ソンオン「義禁府の者がここにきたのはいかなる理由か?」

答えられず、目を伏せる護衛武士。

 

家の中から、「誰一人、見逃すな!」という大声が聞こえる。

 

慌てて、中に入るソンオン。

 

庭に、座らされている使用人たち。

・・・かと思ったら、左議政の夫人まで、庭先に正座させられてた。

ソンオン「母上!」

駆け寄るソンオンに、ただ、泣くしかないソンオンオモニ。

 

ソンオン「一体、これはどういうことだ?」

官吏「私はただ、王命により参っただけです」

ソンオン「王命だと? 今、自分がどこにいるのか、わかっているのか?」

 

それを無視する官吏。

官吏「罪人 ハン・ジョンオン、出てきて、王命を受けよ!」

愕然とするソンオン。

 

部屋の中で、じっと目をつぶっている左議政。

 

ソンオンが部屋にはいろうと近寄ると、左議政が扉をあけて、ゆっくりと外に出てくる。

ソンオン「父上・・・」

 

官吏「王家を蔑み、無礼を働いたかどで、王より、義禁府への同行を指示されたものである。聞いておるか? 急ぎ、罪人を捕縛せよ」

はい、と動き出した部下を止めるソンオン。

 

ソンオン「王家を蔑み、無礼を働いただと? ちゃんと説明せぬか!」

 

ソンオンの叱責など、ものともせず、たとえ、相手が左議政の左相であろうと、相手が兵曹正郎であろうと、一切、容赦ない義禁府の官吏たち。

 

左相に手をかけようとしたその時、「やめよ!」と声がし、そこにいた誰もが振り返ると、

 

じゃ~~ん!!

王世子登場!!

後ろに控えているのは、コ・スンドル(ジェイ)

 

庭先におりるハン・ジョンオン。

 

ファン「私から説明しよう」

 

ソンオン「チョハ・・どうして、ここにお越しに・・・」

いたたまれないように後ろに立つジェイを見て、

今日、兵曹の役所に来て様子がおかしかったことを思い出す。

 

ソンオン「(私を監視していたのか?)」

 

ファン「王家を蔑み、無礼を働いたとはどういうことかと訊ねておったな? 国巫が、“宋 家 滅 李”の呪いを発したあの日、宮殿のスモモの木は、呪いを実証するかのように、落雷により、燃え尽きた。それについては、そなたもよく知っていることと思う。スモモの木は、李の木である。宋家が李家を滅亡させるという国巫の呪いを意味し、天の意志だというものだ。だが、それは事実ではない。スモモの木が燃えた理由は、神の意志などではない。人間がやったものだ

文字に起こすと、結構な長台詞です。

 

ここにきて、改めて、父親を見るソンオン。

目を閉じて、感情すら見せない左議政。

 

ファン「火薬と硫黄を用いて、落雷により、木が燃えたように見せた。そして、木に蜜蝋を塗っていたため、異常なほど、長く燃え続けたのだ。素晴らしい着想だと思わぬか、左相?

左議政「・・・・」

ファン「主人の代わりに、この家の使用人が蜜蝋を買い求めたと聞いたが、それは事実か?」

庇うように進み出て、父親の代わりに答えるソンオン。

ソンオン「違います、チョハ。それは私の指示だったのです。あることのために、蜜蝋が必要でした。父は一切、関与しておりません。」

ファン「だが、軍器寺より、硝石を取り寄せたのは、左相だったと聞いたが・・」

左議政「そのとおりでございます、チョハ」

え?と父親を見るソンオン。

ファン「そればかりではなく、薬師に申し付けて、硫黄を入手するように頼んだ」

左議政「ええ。その通りでございます。チョハ」

それも認める左議政。

 

ファン「火薬、硫黄という爆薬の材料を、密かに入手した。驚いたことに、そなたが購入したそれらの品は、恐れ多くも、王家を呪い、幽霊の名のもとに脅かす事件に使われた。これをどのように考えるか、左相?」

左議政「裏切りの心なくば、そのようなことをするのは不可能でしょう」

 

それを聞き、ショックで、声をあげて泣き始めるソンオンオモニ。

 

ソンオン「いいえ、父上! どうして、“裏切り”などという言葉を口にすることができるのですか?」

黙ったまま、息子を見つめる左議政。

 

ファン「臣下にとって、反逆罪ほどの大罪はない。天からも認めらず、どの国もそれを許すことはない罪である。反逆罪を犯した者は、手足を引き裂かれ、家族も官碑になるか、ここより2000里も離れた場所に追放とされる。家門は断絶されることにより、罰せられるに値するものだ。それが、この国の法なのだ。それについては、よく理解しておるであろう、兵曹正郎、ハン・ソンオン」

 

ファンの前に跪くソンオン。

見ていられないと、下を向くジェイ。

 

ソンオン「どうか、この件の再捜査を私にお許しください。私が必ず、父の無実を証明してみせます」

 

ジェイにとって、この言葉は、まさに、自分の家族を惨殺したと罪をきせられた際に、ファンに申し出た言葉、そのものでした。

 

後方を向き、「今、申したことは、チョナから受けた王命に相違ないか?」と、義禁府の官吏に問うファン。

官吏「相違ございません、チョハ」

捕まえよ、と部下に合図する官吏。

 

ファン「止まれ!」

官吏に向きなおるファン。

ファン「この家の倉庫を開けてみよ」

官吏「え?なぜ、そのような・・・」

意外そうに聞き返す官吏。

 

ファン「私が、左議政と正郎の無実を証明してみせよう。」

ファンの力強い言葉に、誰も口を開きませんが、全員、内心大混乱。(ジェイと左議政を除く)

 

~ハン家の倉庫~

扉が開けられました。

まず、先頭に立ち、入っていくファン。

これが、チョ一族であれば、金銀財宝ざっくざく、食べきれない食材が腐っているくらいなのかもしれませんが、ハン家は、至って、質素です。

 

そして、ここが、無茶苦茶、泣けた。。。

 

色とりどりの布につつまれた箱がずらり。

 

ファンも、実際、目の当たりにし、言葉がない。

そして、ここにある物と、それがまだ置かれている意味に気づいたジェイも、視線を伏せるしかない。

 

さすがに、いくらなんでも、ただ、片付けず、保管してあるだけとは思わないでしょう?

 

埃除けのためにかけてある布を取り去ると、見事な花の細工が施された美しいロウソクが現れる。

ファン「高品質な蜜蝋の、素晴らしいロウソクだな。おそらく、これらのロウソクのために、蜜蝋が必要であったのだろう。」

官吏に現物を確認させるファン。

瞳に涙がにじむソンオン。

 

ファン「婚姻は、近隣の者に対する祭りの様相もある。(これらを見る限り)左議政は、息子のために、盛大な祝宴を準備していたようだ」

箱をあけてみるファン。

 

ファン「これらは、花火用の火袋だ」

同じものが入っているだろう箱がたくさん積まれている。

別の箱に入っている黒い粉をつまみ上げるファン。

ファン「これらのために、硫黄が必要であったに違いないな。では、あと、残されているものはなんであろうか?」

 

ファンの説明を聞き入っている義禁府の官吏。

ファン「左相、硝石はどこに置いてあるのだ?」

 

一礼して、棚に近寄ると、硝石の入った箱を床に置き、中身を広げて見せる左議政。

 

左議政「少し前に、ケソンの府伊(つまり、ジェイのパパね)より、青い屋根を修繕するための火薬を頼まれておりました。あの家には、祖先を大切に祀るための離れがあり、代々、大切に管理されてきました。しかし、雨により、屋根が傷んでしまい、それを修繕したかったのです。もともとは、(婚礼の日に)初めてその家に赴く正郎に持たせ、これを送るつもりであったのですが・・・」

ファン「・・・開城府伊の死亡により、本当の持ち主を失ったのだな」

ファンが、左議政の言葉のあとを続ける。

 

この事実を、ここにいる左議政やソンオンと同等に、いえそれ以上に、重く受け止めているであろうジェイを見つめるファン。

 

ファン「(官吏に)聞いておったか?左相と兵曹正郎は、たった今、十分に証明されたのではないか?」

官吏「はい、チョハ」

ファン「では、私に申してみよ。お前をここに送った者は誰だ?」

 

へ? 王命じゃなかったの?

 

~王の間~

右議政「チョナ、王命に従い、義禁府の役人を、左議政ハン・ジョンオン邸に送りました。どうか、国法に基づき、あの者らを罰してくださいませ」

 

(ジェイから奪った)帳簿をたてにされては、どうすることもできなかった王。

王「・・・・・・・」

 

そして、まんま・・と王を動かせた・・と思っている右議政。

 

~左議政邸~

 

倉庫から出てきた一団を、侍女に支えられながら、迎えるソンオンオモニ。

 

ファン「そなたをここに送ったものに、見たままを報告するがよい。私は、自分で、チョナに左議政が無実であることを知らせるゆえ・・」

官吏「はい、チョハ」

先に、戻っていく義禁府の皆さん。

 

ファンに深くお辞儀をし、微笑む左議政。

母親のもとにむかうソンオン。

 

その様子を見届け、ほっとするジェイ。

 

~ハン屋敷 外 ~

屋敷の外に出てきたファンとジェイを追いかけてきたソンオン。

 

ソンオン「私は、もう、信じていただけないかと思っておりました。」

ファン「ある者が私に申したのだ。“無信不立” と。」

 

~回想~

ジェイ「信無くんば立たず。もし、なにかを捨てなければならないとしたら、最初に捨てるべきは、兵士、そして2番目は食糧、しかし、信頼・・信頼だけは、なにがあろうと手離してはならないものなのです。」

 

ファン「それでこそ、国を守ることができるとな。国を守ることは、民を守ること。それらは異なってはならない。」

ソンオン「それをチョハに伝えたのは・・・コ・スンドル内官ですか?」

だいぶ、コ・スンドル(ジェイ)をそばに置く意味が、わかってきてるのね。

 

ファン「また、別のことを私に教えてくれた。不-失-棄-親 ← やっぱり違うな。

ソンオン「偉業を成し遂げる方は、近くにいるものを失ってはならない・・ですね」

ファン「お前を失わないために、そなたを信じなければならぬ。]

 

ソンオン「おそらく、私の家族と私を信じてくださるためには、おそらく、硝石(火薬)、蜜蝋、そして硫黄を使用できるものはなにか、なぜ、それらを所持したのか、と、たくさん、考えられたに違いありません。」

きちんと察するあたり、さすがです。

 

小さく頷くファン。

 

~回想~

持ち帰った帳簿を、ファンに見せようと、風呂敷を開いたジェイ。

全然、違う本が入っている。

ジェイ「確かに帳簿があったのに・・・いつ、こんなものにすり替えられたの?」

焦りながら、ふっと、雑貨屋から出てきたときのことを思い出し、あ~っと、自分の失態に脱力するジェイ。

ジェイ「店を出るときに、かご職人と衝突したんです。その時、誰かが、すり替えたに違いありません。おそらく、何者かにあとを尾けられていたんです。誰が盗ったと思われますか?」

 

左議政の宿敵、ソンジュの(事実上の)支配者であるチョ・ウォンボだと。はっきり口にするファン。

 

ファン「帳簿をすり替えたのが彼であれば、その意味を理解したに違いない。そして、その意味に気づいたとしたら、おそらくなにか行動するであろう。あの者なら、どんな機会であれ、逃すことはない。獲物の前で、躊躇するような奴ではない。左議政と正郎が危ない」

ジェイ「もし、そうなら、チョハは、左議政様の無実をお信じになるのですね?」

ファン「もし、正郎と左議政が無実であるならば、蜜蝋や硝石、硫黄が必要であった理由があるはずだ。なぜ、彼らは、それらをいちどきに必要としたのであろうか?」

 

ジェイ「チョハ・・もし、ハン家の倉庫の中をご覧になれば・・・」

ファン「なぜ、それらが必要であったのかを、明らかにできるだろう」

頷くジェイ。

ジェイ「ですが、チョハ、もし、倉庫を開き、そして、」

ファン「私の信念が間違っていたら?」

ジェイ「間違いなく、左議政様の政治的な経歴は終わりをつげ、ヨンサンのハン一族は断絶させられるでしょう。それはつまり、ソンジュのチョ・ウォンボとその一族が、敵を一掃し、今以上に権力を手にするということです。」

さすがに、その可能性を何も思わずにはいられるはずもないファン。

まっすぐに、ファンを見つめるジェイ。

ジェイ「チョハ・・、彼らの倉庫をあけるための、彼らに対する十分な信頼を、本当にお持ちになっていますか?」

迫るねぇ、ジェイ。

 

ちらっと、幽霊の書が入った文箱を見るファン。

ファン「かつて、そなたが申したように、幽霊の書が私の元に届いていなければ・・・」

 

幽霊の書:そなたの友は、そなたに剣を向け、背を向けるだろう

ファン「世子となったときに、いかなる友も持たぬと決めたのだ」

 

ファン「・・・旧友、ハン正郎への信頼に基づき、倉庫を開けたことだろう」

 

つまり、幽霊の書が届いてからは、信じ切ることができなかった、と認めたようなものです。

これを口にするのは、ファンとしても、勇気がいったことだったでしょう。

 

瞳に力が宿るファン。

ファン「彼らの倉庫を開けよう。正郎と左相を信じてみようと思う」

 

それを聞き、はぁ~っと、安堵のため息をつくジェイ。

(回想終わり)

 

涙を浮かべているソンオン。

 

 

ファン「もう一度、私と友になってくれぬか?」

ソンオン「チョハ・・・」

今にも、こぼれそうな涙をため、「私は、チョハの友でなかったことなど一度もありません」と答えるソンオン。

ソンオ~~~ン!!

 

ファンの目にも、涙がにじんでいる。

 

ジェイがほっとしたように、ファンを見上げている。

 

涙が決壊したソンオン。

ソンオン「なぜ、涙がこぼれ続けるのか、わかりません」

 

それを見て、長い間、辛い思いをさせた、と心の中で、詫びているファン。

 

ジェイ「奇跡ですね。二人の人間が出会い、頼りあい、そしてお互いに信頼しあえるということは・・・」

ソンオン「そうだ。奇跡だな」

 

ファン「私は、これから、毎日、その奇跡を起こし続けよう。私には信じるべき友がおり、そして、その友を守っていくであろう」

 

 

★『青春ウォルダム(月譚)』9-3 雑感★

 

おそらく、うまくいくだろうとは思っていましたが、うまくいってよかったです。

 

信頼、しんらい」は、韓国語で믿음(ミドゥム)。

「ミドゥンマヌン、ミドゥンマヌン・・(信頼、信頼こそは・・)」というジェイの言葉が、効果的に使われましたね。

 

このドラマは、ファンの成長物語でもあるはずなので、最初から、一人でなんでも立派にこなせたら、効果は薄れてしまいますから、仲間を得ることの大切さは、不可避です。

 

う~~ん、なんだか、右議政が当面の敵って感じで進みそう。。

別に、相手にとって不足はないですけどね(笑) 

 

★『青春ウォルダム(月譚)』10-1に続く★