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青春ウォルダム(月譚)  청춘월담 英題:Our Blooming Youth

 (tvN 20230206-0411 全20話)

 

【Episode 11-2】

 

食堂に泥棒に入った子供が、必死に路地を駆け抜けるのを、追うマンドクたち。

 

「泥棒!!」

「捕まえてくれ~~!」

 

大通りに出た子供が、あろうことか、吏判チョ・ウォノの輿の先導をしていた従者とぶつかり、抱えていた箱を落としてしまう。

 

相手を見て、まずい、とすぐさま、反応するマンドク。

 

輿を下ろせ、と大騒ぎするウォノ。

ウォノ「開けてみよ、今すぐ、確認するのだ」

 

白磁の壺が無残にも・・・。

 

ぶつかった少年がまだ、起き上がれずにいるところを、「こいつ・・」と従者が立ち上がらせます。

 

ウォノ・・破片をみて、放心。

 

追いかけてきたガラムや、ジェイ、そして、さすがのミョンジンも、言葉を失います。

 

従者「こいつです」

ウォノの前に、子供を突き出す従者。

ウォノ「これが一体、どれほどの価値があるか、お前にわかるか?」

子供相手に大絶叫し、怒りに任せて、地面に転がすと足蹴にするウォノ。

少年「助けてください!」

 

ウォノ「道を邪魔するだけじゃ足りず、この磁器を割りおって・・・!!」

弱い者には、とことん強く出るウォノ。

ウォノ「これがいくらで売られておるか、知っておるか? これにどれほど賭けたか、思いもよらぬだろう! これの価値が・・・」

 

その間、蹴られている少年を見て、耐えられないガラム。

 

ウォノ「代わりに、お前の骨をへしおってくれるわ!」

拳を握りしめたファンが前に出ようとするのを、

さっと手で制するジェイ。

ジェイ「なりません。お忍びであることにケチをつけられてしまうでしょう」

悔しさに固まるファン。

 

ウォノ「死んでしまえ! このガキが!」

 

その時、その子に覆いかぶさるガラム。

ガラム「なにをなさいますか? まだ、ほんの子供です」

 

ガラマ~~~!!笑い泣き笑い泣き笑い泣き笑い泣き笑い泣き

遠巻きにして、誰一人、行動に移せないなか、この子の勇気はすごい。

ちなみに、ガラム16歳です。

 

ははは、なんだ、こいつは・・と、薄笑いを浮かべるウォノ。

 

ガラム「大丈夫?」

少年をかばいながら、助け起こそうとするガラム。

 

ガラム「わざとしたことではありません。どうして、このように、蹴とばしたりされるのですか!」

必死に訴えるガラム。

 

呆れたように、笑い出すウォノ。

 

ウォノ「これは・・ 道義的原則の法はどうなっておるのだ? この者は、私が誰であるのか、知っておるのか? さぁ、教えてやれ」

従者「礼をつくせ、この方は、吏曹判書大監様であるぞ」

 

ざわざわとなり、頭をさげる周囲の大人たち。

 

それを聞いても、なにもできず、歯がゆいファン。

 

驚き、少年を抱えたまま、土下座するガラム。

ガラム「大監様、存じ上げず、大変失礼しました。ですが、その磁器に、人の命よりも重い価値があるとは思えません。身分は低くとも、命に価値のない者などおりません」

 

吏判という言葉に驚いた風でもあるボクスン。

 

毅然と訴えている途中のガラムの襟首を掴みあげるウォノ。

 

それを見て、今度は、自分のほうの身体が動きそうになるジェイ。

 

ウォノ「お前のような虫けらが、私に説教しようと言うのか?その口から、もう一度申してみよ、お前の口をこれで開き、突き出してやるぞ! さぁ、申してみよ、さぁ、早く!」

 

ガラムの襟首をつかみ、グワングワンと揺すりたてるウォノを見て、さすがに我慢できず、ジェイが動こうとしたその時、ガラムとウォノの間に入り、

ぐっとガラムを後ろに引っ張り、前に歩み出たミョンジン。

 

ミョンジナ~~~!!

 

ウォノ「今度はなんだ? お前、何者だ」

明らかに、両班だとわかる出で立ちのミョンジンに睨みつけられ、「なんだ?」と食って掛かろうとするウォノ。

 

急に、笑顔になり、「ああ、これは大変申し訳ありませんでした、大監・・」と頭を下げるミョンジン。

ミョンジン「この者は私の弟子なのですが、まだまだ、知恵と知識が欠けておりまして・・・、そのため、あなた様が何者かも存じ上げず、話しかけてしまったようです」

その隙に、少年を助け起こすガラム。

 

ああ、もうでしゃばるな、と手で制するウォノ。

 

ガラムと少年を自分の背後に隠すようにかばうミョンジン。

 

ミョンジン「この者の師として、とても恥ずかしく、申し訳なく思います」

頭を下げるミョンジン。

こんな風にして、うまく話をまとめるのか、と思いきや、

 

ミョンジン「しかしながら、この者の立場で考えてみれば、この可哀そうな子供が目に入ったとたん、張り裂けそうな痛みを感じたのに、一体、なにもせずにおられましたでしょうか? それを、いかにして、黙れ、などということが出来ましょうか・・口は話すためにあるというのに・・・」

反撃開始!

 

やった!!

ミョンジン、こういう時は、全然ヘタレじゃないの、最高!

 

ミョンジン「もしも、下品で愚かだからといって、この者たちが話すのを禁じれば、大監は、この者たちの懸念をどのようにお聞きになられるのですか?」

 

表情が歪んでくるウォノ。

 

一方、ミョンジンの言葉に、うんうんと頷きはじめる周囲の大人たち。

 

ミョンジンの裾を引っ張り、あまり刺激するな、と、目で合図するガラム。

 

大丈夫だ、まかせておけ、と、優しく微笑み、

ガラムの手首をぎゅっと掴んであげるミョンジン。

ここでしょ、11話の、Bestきゅ~~~んは!!

 

きっと、ミョンジン自身も、ガラムから勇気をもらってるはず。

ガラム「・・・・・」

イェジンちゃんの、心の武装がほどけた瞬間の、女性の表情がよいのです。

 

ここで、戦法を変えるウォノ。

ウォノ「そなたの父は誰だ?」 ← エセ権威主義者の決まり文句みたいなものですね。

この手の、威張り散らかす両班や、現代劇での頑固ハラボジとかが、吠えたてる犬にも、「そなたの父は誰だ?」っていうの、くだらなくて好き(笑)

 

ミョンジン「このような場所で父の名を出して、迷惑をかけるような真似はしたくありません」

はぁ・・と、聞いているウォノ。

ミョンジン「ですが、私の名ならば、申し上げましょう。私の名は・・・」

 

ここで、最初にガラムに書かせた 懐かしき書き取り第一号の書がバ~~ン!

ミョンジン「コム・モン・ジンです」

 ここで、持ってきたかぁ。爆笑爆笑爆笑

 

吹き出したり、あからさまに笑い出す周囲の人々。

 

これも一つの才能よ。

 

その中で、ずっと厳しい顔を崩さないファンやジェイ。

 

ウォノ「そなたの父がどれだけ高い地位にあるか知らぬが、息子をいかにして教育したかをみれば、聞くだけ無駄であろう。このような愚かな者どもに、世界がいかに恐ろしいものであるかを教えるのが私の責務であるために、教えてやろう。さぁ、その子供を連れてまいれ」

従者「はい、旦那様」

 

連れていかれそうになる少年をガラムが押さえ、取り合いになる。

マンドク宅から盗んできた包みが地面に落ちる。

 

従者「こっちにこい。跪け!」

輿に座ったウォノの前に連れていく従者。

 

さっと、包みを回収するマンドク。

マンドクがこの中身を知ってたら、こんな騒ぎにはなってなかったのかもしれないと思うと、ちょっと切ない。

 

ウォノ「あ~、この国には、法と呼ばれるものがある。字が読めれば、知っておるだろう。だが、私にもたらして損害に対しては、全て支払わねばならぬことは、知らねばならぬ。この子供に、この磁器に私がいくら払ったのか、教えてやれ」

従者「200両でございます、旦那様」

周囲の人にも聞こえるように、大声をあげる従者。

 

200両と聞いて、ざわつく見物人たち。

 

さすがのミョンジンも、「大監、このような子供に、どうやって、そんな大金を用意できますか」と、歩み出る。

 

ウォノ「それでは、身体で返すべきであろう。牢獄で、200年ほど、そうすべきかな」

少年「助けてください。どうか、お許しください」

ウォノ「お前の残りの人生、私のために働けば、その金を私に支払えると思わぬのか?」

立ち上がるウォノ。

ウォノ「それに、この子供は・・・、おい、お前。お前、この子供を追いかけておらなかったか? 私は、お前が泥棒、と呼ぶのを聞いたぞ」

マンドクを指さすウォノ。

げ、ふんぞり返って座ってただけかと思ってたのに、ちゃんと聞いてたんだ。

 

マンドク「それは・・・この子が、なにか、もっと価値のある者を盗んだと思っただけでして、大監のご心配をおかけするほどのことは・・・」

ウォノ「盗んだのはなんなのだ?」

マンドク「・・・・・」

ウォノ「なぜ、聞かれたことに答えぬ!」

さっきから、自分の思い通りにならないことの連続で、イライラがピークに達しているウォノ。

ウォノ「面をあげよ。」

近づいてきたウォノに、目を伏せるファン。

 

そして・・・ぎゅっと目をつぶっているボクスン。

 

正面をむくマンドクと、対したウォノの動きが止まる。

 

騒動のさなか、離れたところから、様子を見ている老僧。

 

ウォノ「そなた・・・」

どこかで会ったことがあるような、記憶をたどりつつ、「何者で、どこで働いておる?」と訊ねるウォノ。

マンドク「ただ、日々の暮らしに追われるだけの宿屋の主でございます」

ああ、あの食堂は、宿屋でもあったのね。

 

結局、思い出せず、「その盗んだものを見せよ」と言いつけ、輿に戻るウォノ。

ウォノ「者ども、近づいて、よく見るがよい。私は、なにも、個人的な怒りを発散しておるのではない。ただ、法を守ろうとしているだけなのだ」

 

あ~、こういうところは、チョ一族だわ。(苦笑)

 

ファンの怒りを隣で感じているジェイ。

 

ウォノ「さぁ、盗んだものをこちらに持ってまいれ」

しかたなく、前に歩み出るマンドク。

 

ちらっと、その包みの中身を見るウォノ。

ウォノ「あ~、“杭を盗むものは、牛を盗む”。 ささいな窃盗から始めた子供たちが、反逆の盗賊に成長するのだ」

フランスの諺になると、Qui vole un oeuf vole un boeuf.(卵を盗むものは、牛を盗む)らしい。

 日本だと、「嘘つきは泥棒の始まり」ってところかな。

 

とっておいた残り物のごはんやお芋(?)を放り出すウォノ。

 

少年「だめです!」

泣きながら、拾い集める少年。

これを見れば、彼にとって、これがどれほど貴重な食べ物であるか、普通の人なら見てわかります。😢

 

ウォノ「これは、明らかな窃盗なので、捕盗庁(ポドチョン)に突き出すことにする」

 

意気揚々と、嬉しそうなウォノ。

 

ファン、そろそろ限界です。

 

ここまできて、なにも動けず、悔しさをにじませるミョンジンやガラム。

 

ウォノ「孔子様はかつて、“朽ちた木に彫刻できないように、腐りくずれた土塀には上塗りができないように、怠け者は教育しがたい(朽木糞牆)”とおっしゃった。当然、お前たちのような身分の低い者は、聞いたこともなかろう。つまりだ、お前たちのようなものをどれだけ叱っても、なんの効果もない、だからこそ、厳重に処罰せよ、ということだ。孔子は実に賢い。さぁ、この子供を捕まえろ、出発するぞ」

 

引っ立てられる子供を見て、ざわつく見物人たち。

 

「もう十分ではないですか、吏判大監」

 

その声に、せっかく、持ち上がった輿ですが、「ああ、また、なんだよ、今度は・・・」と輿を下ろさせるウォノ。

 

心配そうに、パクソンビを見るミョンジン。

 

だるそうに輿からおりたウォノの顔が、みるみるうちに青ざめる。

 

ちらっと隣にいるコ・スンドル内官(ジェイ)を見て、本物の世子と悟るウォノ。

ウォノ(小声で)「こ、こんなところで、な、なにを・・・」

 

ウォノの前に、進み出るファン。

もう、ジェイも止めません。

 

本日の決め顔、どうでしょう(笑)

もっと画素数の大きいキレイな画像で、PCの背景用画像をつくって楽しんでおりますが、当然、これもいただきです。(笑)

 

突然現れた学士の出現で、風向きが変わったように感じるマンドクや老僧。

警戒心MAX!

 

ファン「ただの通りすがりの学者ですが、一言よろしいでしょうか、大監?」

一礼するファン。

 

ウォノ「・・学者・・・そうなの(です)か」

ファン「この子が、あなたの磁器をわざと壊そうとしたとは思えません。事故でしたし、たとえ、それが窃盗であったにせよ、中身は、冷え飯とサツマイモが少し入っただけの器のようですね。この朝鮮の国の法では、(その程度であれば)猶予を認めているのに、なぜ、あなたは、この子を放してやらないのでしょうか?」

 

またまた、助け舟を出す人物の出現に、ざわつく見物人たち。

 

ははは・・・と乾いた笑いを立てるウォノ。

 

その隙に、ガラムの身を案じるジェイ。

 

ウォノ「私は、国から禄をもらっている吏判であるのに、どうして、このような犯罪を見すごせよう(ましょう)や、学士どの。それに、罰はさけられぬぞ(ません)。一人を罰することにより、千人の者たちに教訓を教えることになるのだ(です)。だからこそ、私は例を締めさねばならぬ(のです)」

ファン「法についてお詳しそうにお見受けしますが、思いやりの気持ちがないところを見ると、孟子の本は読んでおらぬようですね。孟子は、かつて、このようにおっしゃっておいでです。“思いやりの心は慈悲の芽である(慈悲善根)”と。」

目を見開くウォノ。

 

ファン「この子をごらんなさい。おそらく、世話をしてくれる両親もなく、仮にいたとしても、世話をやくことができぬ理由があるのは、明確です。おそらく、空腹のあまり、盗みを働いたものの、盗みについて罪悪感を覚えたからこそ、逃げ出し、結局、あなたの磁器を壊すことになってしまったのでしょう」

ウォノ「それは・・・まぁ、私にも慈悲の心くらいある」

ファン「ええ、私も、そうに違いないと思っておりますよ。でも、誰かを思いやる心と誰かを助けるために駆け寄るというのは、違うものです。誰も、思いやりの心は持っているが、それを行動に起こせる勇気を持つものは多くない。あなたなら、どうなさいますか? 思いやりの心だけを持っているだけなのか、それを行動に移せるのか・・?

ミョンジン「行動に移しましょう!」

完全に、風向きは変わりました。

 

ウォノ「だが、そうは言っても、これは、とても高価な磁器なのだ(です)」

そっと、ウォノに近寄り、小声で諭すファン。

ファン「私が知る限り、昔の王が贅沢品と宣言したため、市民には、飲酒以外に、特定の磁器を使用することは認められておらぬはずですが・・・。法を執行する立場にある吏判が、禁制の品を所持していることをどのようにお考えなのか、興味がありますね。」

ウォノ「そ・・それは・・・」

ファン「大丈夫ですよ、あなたのために、私は、これを見過ごしましょう。これは、お互いの秘密ということで・・・」

 

内心は不承不承ながら、手のひら返しなウォノ。

ウォノ「慈悲の心をもって、お前をゆるしてやろう」

それを聞き、一安心する見物人たち。

 

ファンに対してのみ、聞こえる小声で、「どうか、ご内密に・・・」とだけ呟き、「さぁ、行くぞ、屋敷に戻るぞ」と従者たちに声をかけるウォノ。

さっと、道をあける人々。

 

輿にも乗らず、歩き始めるウォノ。

 

さっと、視線を逸らせる老僧。

たまたま、マンドクの顔は覚えてなかったみたいだけど、老僧もウォノと面識があるってことなのね?

 

はぁ~っと、やるせなさをにじませながら、その場をあとにするウォノ。ニヤリ

 

すぐさま、大丈夫だったか、と、子供に駆け寄るミョンジンとガラム。

 

ファンのもとに近寄るジェイ。

周囲の人々から、拍手が沸き起こる。

 

これでよかったのでしょうか、と、どこかまだ不安がぬぐえないジェイ。

無事でいることの大変さが身に染みる身内の胸中に立ったのかどうかは、わかりませんが。。

 

ウォノを退散させたファンのことを、誇らしげに見るミョンジンやガラム。

 

やっぱり、ファンの顔をみて、なにか、思うところのあるような老僧。

まだ、世子だとは、確信はしてないとは思うけど、只者じゃないことは気づいたんじゃないかな。

 

一方、少し、離れたところまできたウォノ、悔しそうに地団駄踏んでます。

 

その時、ふと、立ち止まり、さきほどのマンドクの顔を思い出そうとして・・・

思い出せず、諦める。 ← でも、これは、時間の問題かもね。

 

あんな騒ぎにならないように、今度は、大声で、「道をあけよ、吏判様がお通りになるぞ」と大声をあげる従者。

 

ウォノ「お前、さっきもそうすべきだっただろ!!」

完全な八つ当たりです。

 

~村~

盗みを働いた子供を送り届けるために、一緒に、村にやってきたガラム、ミョンジン、ジェイ、ファンの4人。

 

いくつかの粗末な小屋が建つ中、身を寄せ合って暮らす人々をみて、足を止める。

 

場違いな両班たちに、集まる視線。

 

少年が小屋に入ると、病気で寝ていた姉らしき人が少し、身体を起こす。

姉「なにか、食べるものはあったの?」

少年「姉さん・・」

姉「なにも食べてないの?」

少年「いや、たくさん食べたよ。ある家で集まりがあって、用事をしたからね。でも、ごめんなさい、姉さんの分まで持ってこれなかったんだ」

姉に心配をかけまい、とウソをつく少年。

 

辛い現実を前に、言葉がない。

 

姉「あなたが食べられたのなら、それでいいのよ」

微笑む姉。

 

誰よりも、この人は、これを受け止めないとならないのよね。

 

~マンドクとボクスンの店~

ボクスン「あいつ・・・吏判になってた。知ってたのかい? なんで、あんな奴がのうのうと贅沢に暮らしなんてできるんだ!!」

悔しさをにじませ、マンドクに訴えるボクスン。

 

縁台の上に、ひっくり返った香炉を見ていると、老僧が入ってくる。

老僧「片付けておけ」

これを、見つかったのは、しくじりだったと、老僧の冷たい目が語ってます。

 

~パンチョン~

ジェイ「ご両親はどこにいる?」

少年から話を聞くジェイ。

少年「亡くなったそうです、それで、姉さんが、私を背負って、逃げ出したんです」

ミョンジン「逃げ出したとは?・・どこから逃げ出してきたのだ?」

少年「姉さんは、私たちの故郷は、碧川だって言ってました。そこを追い出され、両親は亡くなったって・・」

 

ここで、またしても、碧川です。。

 

ファンを見上げるジェイ。

 

言葉を失くし、粗末な小屋の中で、病気で寝ている姉を見るファン。

少年に、「これで、姉さんに薬を買いなさい。そして、さきほどの宿屋には支払いをすませておくから、お腹がすいたら、そこで食べるとよい」といくらかの金を手渡す。

少年「だけど、(盗みを働いたから)私のことを捕まえて、ポドチョンにおくるのでは?」

ジェイ「そんなことにはならないから、行きたいときはいつでも、行っていいんだよ」

ミョンジン「私はあの宿屋の隣に住んでいるゆえ、どこにいるか聞いて、いつでも訪れるがよい」

ガラム「この人の名前、さっき、聞いたでしょ? コム・モンジンだよ」

それぞれに微笑みながら、少年に声をかけるガラムたち。

 

手を差し伸べてくれた四人の大人たちを、見上げる少年。

 

~マンドクとボクスンの店~

 

まとまったお金の入った袋をマンドク達に渡すファン。

顔を見合わせ、受け取ることにするマンドク。

 

ファン「両親もなく、行く当てもない。どうか、これで、あの子たちの面倒をみてやったほしい。必要であれば、もっと金を渡そう。どうか頼む・・」

マンドク「はい、学士様」

一緒に、頭を下げるジェイ。

ファン「では、また・・・」

戻っていくファンとジェイ。

 

ミョンジン「私からも頼む」

マンドク「はい、坊ちゃん」

 

残されたマンドクとボクスンが、大事そうに、その小袋を手にする。

 

このことが、後々、心を合わせてくれることにつながるといいのに。。。

 

そして、これが、一時の、施しにすぎないってことも、ファンは肝に銘じないといけないのよね。

このドラマで、それが描かれるかどうかは、まだ、なんとも言えませんが・・・。

 

~マンヨンダン~

ミョンジン「あ~~~、あのサヒョン!! 実に見上げた人物だ! 外見は剛健なのに、内面はとても穏やかだ。そうは思わぬか、弟子よ?」

 

ガラム「そう思います、先生様」

はっきりと答えるガラム。

 

ミョンジン「本当にいい人だ、気に入った、パクソンビ・・」

 

中に入っていくミョンジンを見ながら、「先生様も、そんなに悪くなかったですよ」と呟くガラム。

 

私もそう思います。

 

~市中の通り~

帰路です。

歩調を合わせている二人。

 

ジェイ「チョハは正しかったです。碧川に住んでいるのは、盗賊だけではありませんでした。あの子たち・・・たとえ、親が盗賊であっても、あの子たちには、なんの罪もありません。」

 

ふと、足をとめるファン。

 

その先に、二人の影が同じように寄り添っている。

 

ジェイ「なんだか、一緒に並んでて、いい感じですね」

いきなり、なにを言うか・・と隣を見るファン。

 

ジェイ「影のことですよ。チョハにも、そう見えませんか?」

影がくっついて見えるように、近寄るジェイ。

 

ファンはさしずめ、意識しまくりの思春期?(笑)

 

ジェイ「親しそうに見えます。そう思いませんか?」

首をかしげるジェイ。

 

なんか、突然、はじまったぞ。

 

寄り添ったような影に、内心、ものすごく狼狽するファン。

 

ファン「そばに寄るでない!」

さっさと歩き始めたくせに、少し先で立ち止まっているファン。

 

ジェイ「私が近づいたんじゃなくて、影ですよ」

そういって、また、二人の影を重ねようとするジェイ。

 

ファン「だから、近づくなと言っただろう」

 

・・・と言いつつ、すぐ止まるのよ、この男。(笑)

ファン「さっさといけ。何をしておる?」

ジェイ「自分で歩いてますよ。こっちが行こうとしてる場所ですから」

 

ファン「おお、まったく・・・こいつは」

わざとジグザグに進むファンを、ジグザグに追いかけるジェイ。

 

ファン「ついてくるな、命令だ」

ジェイ「はい、チョハ~」

 

ごめん。

やっぱり、今回の軍配は、ミョンジンの、この手です。

 

~右議政の屋敷~

物入れの奥にしまってあった巻物を取り出すウォンボ。

 

私、碧川の民、ホン・ジェヨン、碧川に暮らす人々に代わり、謹んで申し上げます。

 

書き出しを確認したウォンボが、拙くはあっても、漢字で書かれた全文を読み進めていく。

 

チョ・ウォノは、本当に、国を亡ぼす男であり、人々を苦しめています。

 

“蠱國病民”

 

赤い紙片に書かれていた言葉は、ここに書かれていたのでした。。。

 

ホン・ジェヨン 洪 濟勇

 

連判状の筆頭者でした。

 

ウォンボ「生き残った奴がいたのか?」

 

その時、世子が碧川出身者を呼び出して審問しているという、ウォノの話を思い出したウォンボ。

 

なにかを思いついたウォンボ。

 

ここで切ります。

 

★『青春ウォルダム(月譚)』11-2 雑感★

 

正義感が強く、情に厚く、咄嗟に、子供をかばったガラム、カッコよかった!!

誰よりも先に、身体が動く、その心根のまっすぐさや美しさに、まず、心を打たれました。

そして、コム・モンジンさんもね、たとえ、キツツキアガシに突かれまくって、満身創痍で、うじうじしていようと、やるときにはやる男!(笑)

ミョンジンって、自分よりも弱いと思う人は傷つけちゃいけないって律するし、いざとなれば、自分より強い者には立ち向かっていけるし、映画版の「野比 のび太」くんに、どこか似ています。

 

わかりやすく描かれすぎかな。

だけど、私は単純かもしれませんが、こういうの、大好き!

 

もちろん、開城時代にはたくさんの市井の人々を率先して助けてきたジェイのかすかな変化も、内面をみていくうえで大切だし、なんでもかんでもできる、スーパーガールにも壁はあるのだ、と、理解できていないと、ドラマは単調になるばかり。

 

でもね、寄り添う影のシーンだって、とってもロマンティックな場面の一つだったと思うのですが、そんなことしてるから、先を越されるのよ、と、後半のファンに伝えてあげたい。(苦笑)

 

 

 

★『青春ウォルダム(月譚)』11ー3に続く★