なかなか、ペースがつかめず、スタイルが定らないまま、見切り発車してしまいます。

 

簡略化したいところはしたいのですが、人物が絡んでくると、セリフや細かなしぐさ等により、この人がどういう性格なのか、思考パターン、評価などなど今後の展開に関わってきたりするので、そこ、捨てられないんですよね。。。

いたしかゆし。

 

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。視聴しながら生じた疑問の考察やら、内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

シグナル  시그널 英題:Signal

 (tvN Jan 22, 2016 - Mar 12, 2016 1時間15分×全16話)

対象:15歳以上

脚本:Kim Eun Hee

演出:Kim Won Suk

 

※このドラマは、犯罪を扱うという特性上、登場人物がエピソード毎にたくさん出てくること、1話完結ではないこと、現在・過去の描写が頻繁に入れ替わる、など、通常の筋追いでは、わかりにくい部分もあるため、補足も兼ねて、びびの独断で、人名や、人間関係など、ドラマよりも先に、リマインドしたり、説明をする場合があります。

極力、ドラマ上、「なるほど!! この人がこういう立ち位置だったのね」という謎解き部分の醍醐味が損なわれることのないように工夫したいとは思いますが、なにぶん、整合性を取り切れない箇所もでてきそうな気がします。

余計、わかりにくくなったりしたら、ほんと、申し訳ないです。

 

【Episode 1-1】

 

 

過去 

 

【2000年7月29日】

 

~小学校のグラウンド~

体育の時間。高学年の児童が、バドミントンに興じている中、

一人見学をしている女子キム・ユンジョン(Kim Yoon Jung)。

そして、もう一人、片隅で見学している私服の男子パク・ヘヨン(Park Hae Young)。

不思議そうなユンジョンの表情からすると、見知らぬ男子・・と言う感じなので、ヘヨンは転校生っぽい。← 事情により、転入してきたばかり。

彼女の視線に気づき、自分のほうに視線を向けたヘヨンをみて、微笑むユンジョン。

 

人との関わりが苦手なことに加え、思春期発動か、バドミントンのラケットを差し出してくれたユンジョンを

無視してしまうヘヨン。

 

 

放課後

一斉に、子供たちが友達と連れだって帰っていく中、教室にひとり、ポツネンとつまらなさそうに座ったままでいるヘヨン。

 

急に振ってきた雨を前にして、もともと、天気予報に合わせて、傘を持たされていた児童や、親が迎えに来るのを待つ子などで、昇降口はごった返している。

 

ジャングルジムの前に佇む黒い傘を目深にさした女性 が意味深にインサートされる。

 

一人減り、二人減り・・・皆が出払った頃、とぼとぼと、出入り口にやってきたヘヨン。

そして、もう一人。

傘もなく、誰も迎えに来ていない、さきほどの女子ユンジョン。

 

自分の持つ、ボロボロの傘に目を落とすヘヨン。

振り返ったユンジョンに気づくと、慌てて、後ろ手に傘を隠す。。

 

特に、嫌な顔をするわけでもなく、かえって微笑むユンジョン。

 

ヘヨンの立場にたてば、こんなボロボロの傘、みっともなくて貸してあげることもできない。

ましてや、一緒に入る?などと声もかけられない。

 

いたたまれず、掴んだ傘をささずに雨の中を飛び出していくヘヨン。

 

カンタ@となりのトトロを、更に拗らせたタイプですね。(笑)← カンタは雨宿りしているサツキに傘を「ん・・!」と突き出せたけど、

ヘヨンには無理だった。。

 

あ・・・と、なにか言いたげなユンジョン。

 

やはり、気になったヘヨンが振り返ると、

独りぼっちになり、さすがに気落ちしているユンジョンが見える。

 

もう、罪悪感しかない。。

さらに、駆け出すヘヨン。

 

立ち止まった時、ジャングルジムの前に佇む女性に気づく。

大き目の黒い傘。

白いブラウスと黒いスカート、黒いバッグを持っている。

そして、なにより、場違いな派手な赤いハイヒール。

その女性が、振り向きそうになった気配を感じ、またまた、駆け出すヘヨン。

 

ヘヨンが最後に振り返った時、

黒傘の女性とユンジョンが連れ立って、歩き始めているのが目に入る。

二人が校舎の奥に入っていくのを見届け、

なんとなく、気になりながらも、雨の中、校門から出ていくヘヨン。

 

※ この事件は、1997年8月31日に発生した「박나리 유괴 살해 사건/パク・(チョロンチョロンビン)ナリちゃん誘拐殺人事件」をモチーフにしていると言われています。

 

 

~ヘヨンの自宅~

夕食時、たった一人、カップラーメンとキムチの夕食を用意し、食べているヘヨン。

正面のテレビではニュースが流れている。

 

キョンギ道チニャン市の小学校で、女児が誘拐され、警察が捜査を開始したというニュース。

そこに映し出されていたのは、まぎれもなく、今日、会った女の子でした。

 

氏名:キム・ユンジョン

年齢:11歳

外見:身長137センチ、三つ編み。ピンクのワンピース。

特徴:右腕に痣、首の中央にほくろ

 

ショックを受けるヘヨン。

親切にしてくれた優しいクラスメートの名前を、ニュースで知ることになったのね。

 

<翌日>

学校の前には、マスコミが殺到。

登校してきた児童に対し、声をかけまくっている。

「ユンジョンさんは、どんな子でしたか?」

「ユンジョンさんのこと、知ってる?」

「ユンジョンさんと友達?」

「キム・ユンジョンさんが誘拐された件、どう思いますか?」

 

マスコミが無遠慮にむけるカメラやフラッシュを見て、あの日、校庭にいた黒傘の女性と一緒にいたユンジョンの姿を思い出したり、自分の兄が逮捕・拘束された時の光景が重なり、

足がすくんで動けなくなるヘヨン。


その後の報道によると、脅迫状に残っていた指紋から、サンジン大学医学部に通う学生である、重要容疑者ソ・ヒョンジュンが浮上。

テレビニュースでは、その顔写真が公開される。

 

ヘヨン:ユンジョンは、女の人に連れ去られたのに・・・

 

~警察署前~

兄の事件のこともあり、普通の小学生以上に、敷居の高い警察に、勇気を振り絞ってやってきたヘヨン。

 

回想:「ヒョン(兄さん)はやってない!」

泣きながら必死に訴えても、誰も耳を貸してくれなかった。

 

それでも、自分に親切にしてくれたユンジョンの笑顔を思い出し、知っていることを警察に話にきたヘヨン。

 

あの人じゃない。男の人じゃないよ、誘拐犯は男じゃないんだ、と、何人もの大人たちに訴えるも、

誘拐事件の捜査で殺気立っている刑事たちは誰ひとり、話をきいてくれない。

 

「クレジットカード会社から、なにか聞いたか?」

「すでに、通話記録を渡してあります」

「ユンジョン事件でなにか進展は?」

「まだです」

 

そんな言葉が行きかうなか、呆然と立ち尽くすヘヨン。

 

~葬儀場~

ユンジョンの棺にむかって、半狂乱になって泣き叫ぶ母親。

つまり・・ユンジョンの遺体が発見されたということです。

 

~報道~

アナウンサー「数千枚のモンタージュ写真が配られ、何百人もの捜査員が導入され、そして、ユンジョンを探すために、数万人もの市民が協力しましたが、ユンジョンさんは冷たい遺体となって我々の元に戻ってきました」

 

~教室~

ユンジョンの机の上には、白い菊の花が置かれ、仲の良かった女子たちが涙を流している。

じっと、その様子を見ているヘヨン。

 

~町の中~

おびただしい数の指名手配の貼り紙が、町中の壁の到るところに貼られている。

ソ・ヒョンジュン容疑者が、身代金5000万円を受け取った後、忽然と姿を消したことや、逮捕状が出ているがまだ捕まらないことなどから、すでに、海外に逃亡したのでは、というニュースの報道が流れる。

 

~警察署前~

事件後・・・ユンジョンの写真が貼られた大きなボードを持ち、警察署の門の前で、無言の辻立ちをする母親。

「私の娘は殺されました」

犯人逮捕に繋がる目撃情報を募りつつ、事件の悲惨さを訴え、風化防止のため、

夏から冬、季節が変わっても、

同じ場所に立ち続ける母親の姿を、離れた場所から見ているヘヨン。

 

それは、2002・・・2003・・・2004・・・と続き、

そして、2006・・・2007・・・2008・・・と止まらない。

 

いつしか、パク・ヘヨン(Park Hae Young/演:イ・ジェフン)は高校生の制服姿に。。

 

変わらず、同じ場所に立ち続け、肌が日焼けで痛々しくなり、どんどんやつれていくユンジョンの母親を見て、いたたまれないヘヨン。

ヘヨンの成長は、ある意味、兄の事件と、この事件の風化と共に進んできた年月です。

 

ビリヤード場で、殴り合いのケンカをしているヘヨン。

 荒れていたヘヨンの学生生活が映し出される中、時代は下り、報道の声が被せられる。

 

アナウンサー「未解決事件に関する報告です。キム・ユンジョンさん誘拐事件の時効が近づいています。」

 

 

現在 

【2015年 7月27日】

キム・ユンジョン誘拐事件の時効成立まで、残り3日

 

一日一日 バツ印でつぶされ、丸く囲われた29日の周囲に☆マーク、TheEndと書かれているカレンダー。

 

 

そこで、 場面はガラリと変わり・・・

 

~カフェ~

ユンジョン誘拐事件から15年後の2015年、27歳となったヘヨンです。

 

ヘヨン「問題は、無意識下での行動です。リビングのトロフィー、机の上の写真、バスルームに残された本などを通じて、その人の無意識を覗くことが出来るんですよ。心理学では、“スヌーピング(覗き見)”と呼ばれるものです」

 

ヘヨンの相手はゴシップ紙の記者。

 

記者「それで、スヌーピングを通じて、何がわかったっていうんですか?」

 

テーブルの上に置かれた、【カン・ソラ&イム・シワン 交際】の記事が掲載されている新聞。。

ぶわはは、『未生』ペンヨロブン、(フェイクニュースでも)すごく懐かしいですよね(笑)

※『Signal』『未生』は、ともに、キム・ウォンソク監督作品です。ついでを言えば、好きすぎて筋追いできない『パートナー』や『成均館スキャンダル』『ナエ アジョッシ(私のおじさん)』もそうです。

 

ヘヨン「なにについて? この二人の交際?」

 

記者「いいえ、そうじゃなくて・・・午後10:30に、ヒョンジン公園の裏門で彼らが会っていたってことですよ。幽霊でもあるまいに、どうやって分かったんですか?」

 

ヘヨン「昨年、この三人が三角関係にあるということは有名でしたよね」

制作発表の時の写真じゃん(笑)

 

記者「ああ、そのドラマなら、よく知ってますよ。マネージャーがカッコよかった

でしょうね(笑)

Jang Hyuk Jinさん、ムン課長ニム役でしたね。

さすがに名前とか忘れてたので、思わず、見返しましたよ(笑)

 

タブレットの画像を見せるヘヨン。

 

ヘヨン「これ、最近の空港ファッションの写真です。三角関係のうちの一人の男性が3泊4日の予定で出国した。それによって、彼ら二人は、自分たちの立場を再確認する時間があったわけです。ここは、最近イム・シワンが公開した新しい住居です。リビングにあるポスター、随分大きくないですか?」

 

そんな話をしながら、店に入ってきた女性に

ちらりと視線を送るヘヨン。

すぐに視線を戻し、記者との話を進める。

 

ヘヨン「統計的にみて、これは、彼が非常にプライドが高く、自制心を持っているということを意味している。カン・ソラは連絡を取り続けているかもしれないが、そう簡単に会ったりはしないでしょう。しかしながら、ピョン・ヨハンの帰国前日、おそらく彼が先に体調を崩してしまったのでしょう。つまり、会うのは昨日の7月26日でなければならなかった・・」

 

記者「時間についてはどうなんですか? なんで、夜の10:30だと?」

 

さきほどの女性が席についたのを気にしているヘヨン。

 

ヘヨン「時間の選択にも心理学が関係しているんですよ。イム・シワンは翌朝、コンサートのリハーサルを控えていた。それを考慮して、朝8:00には起きなければならないと仮定します。彼の都合によって、カン・ソラと話をする時間を決めたわけです。人目を避けなければならないことを考慮すると、午後10:30というのは、明らかでしょう」

 

席についた女性が鞄から、数枚の写真を取り出してみている。

暗視カメラの映像で、ヘヨンの横顔が映っている。

 

ヘヨンの、滔々と流れるような説明に俄然、興味が出てきた記者が身を乗り出して、更に質問を続ける。

記者「場所についてはどうなんですか? なぜ、ヒョンジン公園だったんですか?」

 

話を続けながらも、なぜか女性の存在が気になるヘヨン。

 

ここで、女性の持つ写真が、さきほどよりも少し大写しになる。

ゴミ集積所でゴミをあさっているヘヨンの顔がはっきり暗視カメラに捉えられている。

 

ヘヨン「1989年、冷戦時、ブッシュ大統領とゴルバチョフ書記長も、(自国の)アメリカやソビエトでは会っていません。彼らは、マルタ島で首脳会談を行いました。それはなぜか?誤解が生じている場合、中立の立場で会うのが正しいからです。愛情も同じです。彼らもまた、対立していると感じているのに、それぞれの家で会いたいと思いますか?照明も人も多くなく、中立的な場所。ヒョンジン公園裏門であれば、キャップを被り、ジョギング用の服装をしていても不自然ではない・・となりますね。OK?」


Q.E.D(証明終わり)ニヤリ

 

見事な推察ぶりに、呆然と口許を押さえている記者をみて、鼻で嗤うヘヨン。

 

つまり、この記者はヘヨンのサジェストにより、密会現場を張り込み、特ダネをゲットできたってわけです。

 

ヘヨン「さぁ、それでは、次のビジネスの話に移りましょうか?」

 

そういって、写真を2枚テーブルにあげるヘヨン。

 

ヘヨン「この二人・・・どこで会うと思いますか?」

ここで、更に、チソンとボヨンちゃんをもってくるって、チンチャ・・・テダナダ!爆笑爆笑爆笑爆笑爆笑

一体、なに繋がりだ?(笑)

このチソンの宣材写真、やばかっこいい!

でも、これ、ドラマ設定上、2015年のはずだよね。

※ ちなみに、チソンとイ・ボヨンは、2013年に挙式しています(笑)

記者「二人が付き合ってるって? うわぉ、すごい! どうやってわかったんですか?」

 

女性「ゴミを漁ったのよ」

 

ヘヨン「?」

ヘヨンの返答を待たずして、間をわって入る女性。

 

顔写真付きの身分証を示し、

ヘヨンを見下ろすチャ・スヒョン。

 

~チニャン署~

当然のごとく、連行されてきたヘヨン。

防犯カメラにしっかり映し出されているヘヨンの写真をじっと見ているスヒョン。

 

逆に、ヘヨンは、さきほど、カフェで、身分証を見せてきた女性チャ・スヒョン(Cha Soo Hyun/演:キム・ヘス)をじっと観察してます。

 

傍らでは、カップラーメンをすすっている刑事のキム・ケチョル(Kim Gye Cheol/演:キム・ウォンヘ)

※いうまでもございません。キム・ウォネ氏。

 

ケチョル「俺はまた、ゴミ箱を漁ってるホームレス猫のしわざかと思って、殺鼠剤でも使おうかとしたら、なんと、人間! しかも、警官だぞ。警官! 猫なら、殺鼠剤を飲めば死んだはずだよな?」

 

すでに、ヘヨンの身分は割れています。

 

ヘヨンの前に、写真を置くスヒョン。

 

スヒョン「パク・ヘヨン警衛ですよね。 イ・ボヨンさんが、ストーカー行為であなたを通報したんです。」

ヘス氏、こういう感じが普通にかっこいい!!

 

ヘヨン「ストーカー? 人のゴミを漁るのが、ストーキング行為ですか? ・・・だったら、ゴミを取り出して食べる連中はなんになるんです? 不法侵入者?」

まだまだ、余裕のよっちゃん・・なヘヨン。

 

ケチョル「この状況を理解してないようだが、あんたは警官で、しかも一人暮らしの女性のゴミ箱を漁ったもすぎない。変態なのか?それに飽き足らず、金のために、記者に情報を売ったんだろ?」

写真を見せつけるケチョル。

 

ヘヨン「金? 私が? 私の銀行口座を調べてください。私は1円たりとも金なんて受け取ってません。これは、ただの趣味なんです。釣りとか、編み物とか、みんなするでしょ。私は情報を共有するために、自分のスキルを使ったんです。それって犯罪ですか?」

 

そうくるわけか、とでもいうように、頷きながら、ヘヨンを見ているスヒョン。

 

ケチョル「おいおい、あんた、ちゃんと人の話を聞く気がないのか? 上層部は、公務員を必死に働かせようと取り締まってるんだぞ。ああ、もうだめだ、なぁ、チャ刑事。こいつは警察の尊厳を傷つけたとして、通報し、解雇させるべきだよ」

ヘヨン「尊厳を傷つけた?」

小馬鹿にしたように嗤いだすヘヨン。

 

ヘヨン「警察が如何に(自身の)尊厳を傷つけているか、話をすべきですかね?」

 

ちらっと、ヘヨンを見るスヒョン。

 

ヘヨン「ここ、あなた(スヒョン)のデスクですよね?」

山積みされたファイル。

ヘヨン「ウォンミ駐車場放火事件に、ジンヤ強盗事件・・・オアシスルームサロン事件、事件の負担を減らしたいから、こうやって、私に嫌がらせをしてるんですか?

こんなふうに、積み上げてるだけで? あんたは、あれもこれも、ここに積み上げてる。それなのに、こうして、私みたいな間違った人間を引っ立ててくるなんて、それこそ、あなたの尊厳を傷つけてるってことでしょう。」

立ち上がるヘヨン。

ヘヨン「そういう人は、いつだって、他人の目の前や、横や後ろに隠したりするものなんですよ。彼らは、自分の目に代わり、椅子の下に保管するんです」

そういうと、すっと、スヒョンの机の隅から、隠すように置かれていたモノを拾い上げる。

 

ヘヨンが手にしたバッドマンのイラストが挟まれた写真立てには、枠に、手書きの文字が書かれている。

「手錠の重さは2.5リットルの涙」

 

読みながら、小さく呟くヘヨン。

 

ヘヨン「彼らは、こういうことを心に留めて、自分自身に言い聞かせているんだ。"そう、自分はまだ、まともな警官だ" そんなふうにね。・・・さすがにバッドマンは大袈裟じゃないですか?」

ムッとするスヒョン。

よく我慢した!!ショボーン拍手拍手拍手

 

予想外に、まともだったスヒョンのデスクのあらさがしから、ターゲットを切り替えるヘヨン。(苦笑)

 

ヘヨン「こっち(スヒョンのデスク)はまだ、警察官っぽいですけど、あっちの机は、ビジネスマンの机みたいですね」

ケチョル「おいおいおい、や、やめろよ」

ヘヨン「捜査手引きは、ラーメン鍋の鍋敷として使われてる。最近、読んでる本と言えば、すべてゴルフ関係だ。」

すべて、見透かされるような、ヘヨンのファイリングに、腹を立てたケチョルが、首にまいていたネックピローを外し、投げつける。

ケチョル「こ、こいつ!」

 

ヘヨン「もっと重要なのは、これらのカラフルな名刺入れでしょうね。賭けてもいいが、この中に、イ・ボヨンさんのマネージャーの名詞があるに違いない。」

 

分厚い名刺ファイルを手にしたヘヨン。

 

サッと取り上げると、バツが悪そうなケチョル。

便宜をはかりました、と、自白してるようなもんじゃん(笑)

 

ちらりと、ケチョルを見るスヒョン。

なるほど、この顔を見る限り、その件、知らされておらず、初耳だったみたいね。

 

ヘヨン「あなた方は、マネージャーからの依頼を受けて、捜査しているってことだ。でなければ、どうして、強力班が、ただのゴミ漁りを捜査したりします? これがあなた方の言う尊厳なんですか? ありえない・・

 

そそくさと、さきほど指摘された本やらなにやらを片付けようとするケチョル(笑)

 

ヘヨン「この国の警察にとって、これ以上の損害があるでしょうかね?」

嫌味炸裂。

 

スヒョン「人はたとえ、ねじまがった口でさえ、正しいことを言うべきだ、と言うけれど、あなたは、口はきちんとしていても、ねじ曲がった話をするのね」

今まで、ヘヨンの詭弁を黙って聞いていたスヒョンが口を開く。

 

スヒョン「いいわ。そもそも、一体、品格を持ってる警官なんているの?」

 

さっきまで、ケチョルが食べていたカップラーメンの空き容器をドンと叩きつけるように置くスヒョン。

スヒョン「警察大学校じゃ、そんなこと教えてくれないでしょ? だから、あんたも、ゴミ箱を漁る真似なんかしたのよ」

 

ヘヨン「あのですね、漁ったわけじゃないですって。捜査してたんですよ。ところで、どうして、敬語を外したんですか?」

スヒョン「なぜ、敬われて当然だと思うの? ここにいる私たちは、みんな品格とやらが欠けてる同士よ。敬語を外すくらい、なんてことないわ」

ヘヨン「・・・・・・」

おお、やりこめられたよ。

 

そこに、1本の電話が。。。

 

スヒョン「強力1班、チャ刑事で・・」

最後まで言い終わらないうちに、言葉が途切れるスヒョン。

 

大きなため息をつくと、「はい、わかりました」と言って電話を切る。

 

スヒョン「なんだか、おもしろいことになってきたわね。実に面白いわ。彼女、あの件については忘れたがってるんですって。」

訴えの取り下げということは、被害そのものの消滅です。

 

ヘヨン「向こうはそうかもしれないが、私には無理ですよ、あなた方が、賄賂を受け取って、この件を捜査したことを明らかにしてやりますよ」

そういって、ムキになり、名刺ファイルを開きだすヘヨン。

そうはさせじ、と 

なんとか、ファイルを奪い返すケチョル。爆笑爆笑

 

スヒョン「そうね、面白いことになりそうね。ゴミ漁りと賄賂の受付。けっこうな対決よね。あんたたち、どっちもかなり恥ずかしいことになる。この件、どちらが勝つか、見ものだわ

ヘヨン「・・・・・・」

スヒョン「座りなさい」

せっかく、事件化されずにすんだのに、ここで、座ったりでもしたら、公務員なんちゃらで、事情聴取まっしぐら(笑)

 

スヒョン:どうするの? 大事(おおごと)にするの?

 

ヘヨン「あ・・こんな時間だ。今回のところは、見逃してあげるってことにしておきます」

バッグを持ち上げるヘヨン。

 

そう言うと、悠然と部屋から出ていくヘヨン。

スヒョン「・・・・・」

この目つき。。

敵対意識でもなく、やりこめた感もなく、ただ、ヘヨンのことを冷静に見てるって感じ。

 

ケチョル「ああ、最近の若い奴は礼儀がなってない」

 

部屋から出てきたヘヨン、ほ~~っと、安堵の息を吐く。

(たかが一般の刑事なんて)簡単に丸め込めると思っていたのに、スヒョンを前にして、危ないところだったじゃん。

 

そこに、部屋から出てきたスヒョンが呼び止める。

スヒョン「お送りする必要はありませんよね?」

ヘヨン「(小声で)ああ、なんだよ。まだ、終わりじゃないのか」

 

スヒョン「警官を憎みながらも、品格あるパク・ヘヨン警衛・・・、手遅れになる前に出直しなさい。あなたは、警官に向いてないわ」

 

それだけ言うと、部屋に戻るスヒョン。

 

ムカッとするヘヨン。

なにしろ、この短時間で、ポイントをちゃんとプロファイルされちゃったんだから。。

 

ヘヨン「へん、どうせ、もう2度と会うことないさ」

 

その時、薄暗い廊下の先を見て立ち止まる。

なにかに導かれるように、その廊下を進んでいくと・・・

 

15年前、誰にも話を聞いてもらえずに立ち尽くしていた小学5年生だった自分の姿を見るヘヨン。

 

 

過去 

【2000年8月3日】

忙しそうに行きかう警察官たちを見ながら、呆然としていた時、制服姿の警官に声をかけられる。

警官「お母さんと一緒に来たの? 迷子になったのか? なんで、ここにいるんだね」

 

急に話しかけられ、首を振りながら、慌てて駆け出してしまうヘヨン。

 

早く家に帰りなさい、と、後ろで大声を出している警官をよそに、階段を駆け下りると、下から来た刑事とぶつかってしまう。

書類が散乱する。

刑事「おい!」

その声を振り切るように、走り去るヘヨン。

少年を目で追う刑事イ・ジェハン(Lee Jae Han/演:チョ・ジヌン)。

 

書類を拾いながら、小さく折りたたまれた紙片に気づくジェハン。

 

同僚「イ・ジェハン、急げよ」

ジェハン「おお」

 

少年と紙片のことが気になりつつも、同僚に急かされ、慌てて階段を昇っていくジェハン。

 

こうして、メインキャストの3人が登場したところで、一旦、切ります。

 

 

★『シグナル』EP.1-1 雑感★

 

とにかく、メイン3人の中でも、特に、このパク・ヘヨンとイ・ジェハンは、とても数奇な運命を担っています。

 

のちに詳しく出てきますが、あまり裕福とは言えない家庭ではあったものの、大好きな兄が巻き込まれ、逮捕されてしまった事件によって、家族もヘヨン自身の人生も一変。

 

そして、転校してきた矢先に起きたこのユンジョンの事件は、ヘヨン自身、捜査線上には登場しない&誰にも知られていない"唯一の目撃者"として、深く関わることになった事件です。

年月を経て、ヘヨンの成長とともに、迷宮入りし、風化してしまったかのように見えた事件の裏で、母親の想いや事件関係者の苦悩も含め、ヘヨンとジェハンを結び付ける事件となるために、あまり端折らずに、筋追いしてみました。

 

今回、見ていて、素朴な疑問。

7月29日って、夏休みじゃないのかな?(笑)

・・で、聞いてみたら、ドラマでどういう説明になっているかわからないけれど、パンガフハッキョ(放課後学校)とかで、スポーツとか、音楽、絵画とか、有料の習い事プログラムがあって、夏休みも通えるシステムがあるから、それじゃないの?と言われたんですが、これは普通に授業っぽいけどなぁ。

(しかも、過去にさかのぼって 2000年の7/29の曜日を調べたら、土曜日だった(笑))

 

おそらく、2015年8月に、韓国で、殺人罪における時効が撤廃されるというムーブメントがあったため、それを意識した時系列だったのかな、という気もしますが、当時はそこら辺のこと、話題になったのかもしれないのですが、リアルタイムで見ていなかったので、今となっては、よくわかりません。

 

やっぱり、すごく長くなってしまった。。。

どれも大事すぎて・・・。

先が思いやられます。

 

★『シグナル』EP.1-2に続く★