本当に、事件の性質上、3話は一気に駆け抜けたほうがいい、とわかっていても、ちんたらやってます(爆)

 

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。視聴しながら生じた疑問の考察やら、内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

シグナル  시그널 英題:Signal

 (tvN Jan 22, 2016 - Mar 12, 2016 1時間15分×全16話)

対象:15歳以上

脚本:Kim Eun Hee

演出:Kim Won Suk

 

※このドラマは、犯罪を扱うという特性上、登場人物がエピソード毎にたくさん出てくること、1話完結ではないこと、現在・過去の描写が頻繁に入れ替わる、など、通常の筋追いでは、わかりにくい部分もあるため、補足も兼ねて、びびの独断で、人名や、人間関係など、ドラマよりも先に、リマインドしたり、説明をする場合があります。

極力、ドラマ上、「なるほど!! この人がこういう立ち位置だったのね」という謎解き部分の醍醐味が損なわれることのないように工夫したいとは思いますが、なにぶん、整合性を取り切れない箇所もでてきそうな気がします。

余計、わかりにくくなったりしたら、ほんと、申し訳ないです。

 

前記事をお読みでない方は、さきに、こちらからお読みください。

#3-1 #3-2

 

【Episode 3-3】

 

現在

 

~未解決事件捜査班~

 

ここで、チーム・ミーティングのお時間です。

スヒョン「9つの被害者のご家族に会ってきたけど、被害者は全員、異なる年齢層・職種ばかりか、住んでる場所すら、みんな違ってた。ただ、一つだけ共通項があった。」

 

ん・・・と、ヘヨンが関心を示す。

 

スヒョン「全員、バスでの帰宅中に死亡していたってこと。」

 

ケチョル「本当か? うわ~、そんな共通点があったとは、大したもんだなあ」

これ、ケチョルのちょっとした皮肉です。

 

ケチョル「当時は、地下鉄がなかったんだぞ。そりゃ当然、みんなバスを使ってたさ。彼女らに、歩け、とでもいうのか?」

その視点で止まっていたから、(捜査が)進展しなかった、と言い切れるほど、ことは単純ではなく。

 

スヒョン「それで、彼女たちの亡くなった場所を、Geopros program(Geographical. Profiling System=地理的プロファイリング)に登録してみたんだけど・・・」

※Geographical. Profiling System・・・連続殺人や強姦事件(放火、爆破、強盗、テロ、その他の犯罪も含む)など一連の犯罪の発生場所を分析し、犯罪者が居住している可能性が最も高い地域を特定する犯罪捜査手法。

 

PCを見せるスヒョン。

 

その画面を見つめるヘヨン。

こういうシステムを取り入れる刑事がいたのか・・と改めて見直した、というのもあったでしょうね。

 

スヒョン「そうして、現在の、バス走行ルートが判明した。1508番よ。で、バス会社に問い合わせてみたら、そのルートは、26年前もその周辺を走ってた。当時は、95番だった・・」

 

いつしか、立ち上がり、神妙な顔をしてPC画面をみているケチョルとホンギ。

 

スヒョン「8番目の被害者、ファン・ミンジュは、そのバス会社で勤務していたこともわかった。ただの偶然にしては、ちょっと変じゃない?

ちらっと、ヘヨンを見るスヒョン。

 

ヘヨン「バスか・・・・」

小さく呟くヘヨン。

 

ケチョル「(ホンギに)おい、このルートを見てみろよ。龍山市全域に跨ってるぞ。市民の約半数がこのバスを利用してると賭けてもいい。これじゃ、被害者たちの共通点とまでは言えないだろう

滔々と語るケチョルを見て、ちょいムカつくスヒョン(笑)

 

ホンギ「たしかに、これは少し無理があります。先輩の言ってることのほうが正しいですよ。これを捜査の柱とするには、少し弱い気がします。」

ケチョル「だよな? ヒョンプン駅についてはどうなるんだ?」

 

その間、ずっと、報告書をめくりながら、なにかを確かめていたヘヨンが、急に質問する。

ヘヨン「95番は、ヒョンプン駅にも停まりますよね?」

スヒョン「ええ、そうだけど・・」

 

立ち上がると、市の地図を持ち、ボードに貼るヘヨン。

 

ヘヨン「それって、どこですか?」

ここ、と指で示すスヒョン。

 

はぁ・・・と、息をはくヘヨン。

ヘヨン「チャ刑事さんの言う通りです。バス・・・バスに違いないです」

確信に満ちた様子です。

 

過去

 

~ヒョンプン駅の線路上~

 

おそらく、役場でウォンギョンと会った後でしょうか。

イ・ミソンさんが倒れていた場所を訪れたジェハン。

当然、今は何もありません。

 

ジェハン:俺を襲ってきたあいつは、間違いなく犯人だった。

 

暗かったし、突然だったし、顔までは、はっきり目視できてはいなかったけれど、それはもう、確信以外のなにものでもない。

 

思い出しながら、あの晩と同じ道を走り抜けるジェハン。

 

 

同じ角を曲がり、犬に吠えられたり、

ウォンギョンの家の横の、練炭置き場の灰を投げつけられたりしたことを思い出しながら、

夜と昼での景色が違う中で、「そうだ、奴はこっちに行った・・」と確認しながら、走りぬけ、

やがて、問題のバス通りに出る。

 

そこで、前にいた黒い帽子の男チェ・ヨンシンを犯人だと思い込み、捕まえたのだ。

 

ジェハン:一体、いつ、俺は、あいつを見失ったんだ?

 

現場で考え込んでいると、1台のバスが停車する。

バスから降りてくる乗客と、案内する車掌、そして、発車して、すぐ先の小道で一時停止したバスを見た時、なにかが気になって、記憶をたどるジェハン。

 

あの晩も、あの時間帯に、ちょうどバスが通りかかっていた。。

 

ジェハン「まさか・・・」

 

 

現在

 

ヘヨン「ヒョンプン駅でイ・ミソンさんを襲い、失敗した犯人は、その1時間後、バス会社の社員(車掌)のファン・ミンジュのことも、スーパーマーケットの前で殺害しています。そして、奴は、その2日後に、9番目の被害者を殺した。ほとんどの殺人犯は、発見される危機を感じた場合、少し冷静になるものです。警察に捕まることを恐れているからです。でも、奴は、ヒョンプン駅での事件以降、さらに加速しているんです。

 

ここまで、ヘヨンの言葉を注意深く聞いていたスヒョンが口を開く。

スヒョン「殺人が中毒のようになっている連続殺人犯の場合、そのパターンは常に変わる。犯人は、もう、自分でも制御できないくらいだったのかもしれない

 

ヘヨン「もし、犯人に、そうしなければならない理由があったとしたらどうしますか?」

スヒョン「・・・?」

それってどういうことか、と問いただすような目をするスヒョン。

 

ケチョルもホンギも、茶々を入れずに、聞き入っている。

 

スヒョンに向きなおるヘヨン。

ヘヨン「ここが、イ・ミソンさんが襲われた場所です」

 

地図上で、駅付近を指し示すヘヨン。

 

ヘヨン「でも、犯人は突然、巡警によって、発見されてしまった。彼は一体、どこに逃げたでしょうか?駅員がいるために、駅には向かうことができません。線路上を走れば、かなり目立ちますから、それも不可能です。残された道はただ一つ・・ここらへんの近所の路地です。」

スヒョン「それらの道の先には・・」

ヘヨン「そうです。95番のバスルートがあり、バス停があります」

 

バスに乗ろうとしていたチェ・ヨンシンを間違えて、捕まえてしまったジェハン。

 

ヘヨン「犯人が捕まらなかった理由と・・そして、事を急いだ理由は、そのバスにあったんです。犯人は、8番目、9番目、10番目を適当に選んでいたわけじゃなく、自分の顔を見たかもしれない目撃者を殺していたんです

あああああ、ここで、バスの乗客の一人に、ウォンギョンの姿がはじめて映し出されました。えーん

 

ヘヨン「だからこそ、捜査が始まる前に、すぐに彼らを殺すしかなかったんです!」

 

熱弁をふるうヘヨンに、「なんだよ、これは?」と横やりを入れるケチョル。

ケチョル「お前、俺より先に、担当刑事に会ったりしたのか? 当時、たしかに、そんなとんでもないことを言ってた奴がいたそうだ

ヘヨン「え?」

 

ケチョル「イ・ミソンさんを助けた例の巡警・・・」

かすかに、反応を見せるスヒョン。

 

ケチョル「そいつが、犯人はバスに乗って逃亡し、しかも、そのせいで、ファン・ミンジュが死んだんだ、と主張したんだとさ」

 

スヒョンは、その巡警がイ・ジェハンのことだと知っていますが、おそらく、その事実は知らなかったんでしょう。

 

そして、ヘヨンは、ジェハンが既に、それに気づいていたのか・・と改めて知ったのでした。

 

 

過去

~オソン署~

ジェハン「ですから、バスなんです!たしかに、95番のバスです。そのバスの乗客に話をしてもらえば、犯人がわかります!」 

オソン署の刑事に、必死に喰らいつくジェハン。

おそらく、チャンスssiのあとにリーダーについた刑事に、当然のごとく、無視されます。

この革ジャンリーダー、ちょっとイケメン。

 

ジェハン「そうすれば、犯人を捕まえられるんですよ!」

立ち止まる刑事。

 

若い刑事「俺たちは、今、みんな、ファン・ミンジュ事件の捜査をしてるじゃありませんか。なぜ、確認してみないんですか?」

若い刑事は、ジェハンの言葉も気になったようで、リーダーに進言する。

 

リーダー「・・・・・」

黙って、強力班の部屋に入り、あとに続くジェハン。

 

ちょうど、スーパーの前で、倒れていたファン・ミンジュを目撃した人が事情聴取に呼ばれていました。

男性「仕事が終わったので、まっすぐ、徒歩で家に帰ったんですけど、通りで変なものを見たんです。それで、よく見ようと近づいてみました。まさか、それがミンジュさんだなんて、思いもしなかったです」

 

その証言を聞いている、リーダーの刑事とジェハン。

 

その男性の後ろでは、女性が事情聴取を受けている。

女性「ええ、私が、生きているミンジュに会った最後の人間です。ですが、それ以外、なにも知りません。彼女は、最終バスに乗車していて疲れた、と言って、家に帰っていきましたよ」

同じバス会社に勤める同僚のようです。

 

リーダーの刑事「イ・チョングさん」

発見者の男性は、イ・チョングという名前で、しかも、95番のバスルートの運転手でした。

 

イ・チョング「はい?」

 

リーダーの刑事「あなたは、あの晩、ファン・ミンジュさんが車掌として乗車していたバスを運転していたんですよね?」

イ・チョング「ええ、そのとおりです」

リーダーの刑事「それで、ヒョンプン駅のバス停で、誰か乗ってきたひとはいましたか?」

ジェハン「黒い上着を着た20代前半の男性です。覚えていますよね?」

ジェハンの言葉に反応し、振り向いた女性。

 

イ・チョング「その・・ヒョンプン駅のバス停は、終点の前の最後のバス停なので、乗ってくる客はあまりいません」

ジェハン「ですよね? だから、覚えてますよね?」

 

 

~回想~

 

バス停に到着し、バスを止め、乗車口のドアをあけたイ・チョング。

 

 

 

 

ジェハン「で、あなたのバスに誰かが乗り込んできましたよね?」

イ・チョング「昨日のことですから、はっきり覚えていますよ。」

 

~回想~

バス停に待っている人間はなく、

そのまま、発進するイ・チョング。

 

イ・ジェハン「誰もバスに乗らなかった? それって、確かですか?」

つい詰問調になるジェハン。

 

背は向けているものの、なにか不思議そうに、その会話を聞いている女性の車掌。

 

イ・チョング「ええ、その停留所では誰も乗りませんでした」

 

振り返ったものの、とくに、自分から何かをしゃべる様子のない女性。

 

ジェハン「そんなはずないんだ・・・。路上にいたのが奴だってわかってます。バス停で見失ったんです」

とはいえ、ヨンシンを誤認逮捕しちゃってるものだから、信ぴょう性にかけちゃうのよ。

 

ジェハン「ウソはおっしゃってないですよね?」

リーダーの刑事「あんたの理屈が正しいなら、この運転手さんが、(目撃者として)最初に殺されるんじゃないのか? 違うか? 犯人の顔をはっきりと見てるんだからな」

ちょいイケメンな革ジャンリーダー、ある意味、するどい。。(苦笑)

でも、その先の想像力が足りてなくて、惜しい(笑)

 

現在

 

昔の担当者から聞き出したケチョルが、一連の流れを説明する間、じっと聞いていたスヒョンと、ヘヨン。

スヒョン「・・・・・・」

 

ヘヨン「それ、本当ですか?」

 

 

なにかがおかしい。。

 

 

自分(とジェハン)の推理が間違っていたことにショックを受けるヘヨン。

 

 

 

ケチョル「あぁ、当時のバスの運転手がそう証言したんだ。そのバス停では誰も乗ってこなかったって・・・」

 

スヒョン「その人、今も生きてるの?」

ケチョル「え?」

スヒョン「バスの運転手よ」

ケチョル「なんでだ? お前も、犯人が運転手を殺した、とでも思ってるのか?あまり、身体の調子がよくないのか、医療センターにいるそうだ。だが、まだ、無事に生きてるよ」

 

~回想 喫茶店~

喫茶店で、イ・チョングに話を聞くケチョル。

イ・チョング「バス停で?」

ケチョル「ええ。あなたの記憶に寄れば、ヒョンプン駅のバス停では誰も乗ってこなかったそうですよね?」

イ・チョング「ええ、そうです。誰も乗ってきませんでした」

26年が経っています。当然、年齢を重ねています。

ケチョル「かなり前のことだが、ちゃんと覚えてると言ってたぞ。あのバス停では、誰も乗ってこなかった、とさ」

 

首をひねるヘヨン。

 

スヒョン「ファン・ミンジュさんに最後に会ったと言った同僚の女性についてはどうなの?」

くらいつくスヒョン。

 

ケチョル「昨日、彼女の家で会うことになっていたんだが、全然、出てこなかったんだ。家には誰もいなかった

スヒョン「住所ちょうだい。行ってみましょう」

ケチョル「チャ刑事、なにするつもりなんだ?」

そこまでするのか?って感じでしょうか。

 

スヒョン「だったら、別の線でもあるの?」

 

スヒョンの口調には、たとえ、わずかな糸口であっても、自分の目や耳で確認しないうちは認めない、という覚悟が感じられます。

 

この時のヘヨンの、スヒョンを見る表情、瞳が潤んでいるようにも見えますが、

 

被害者家族に対する真摯な対応、感覚だけではないデータに裏打ちされる捜査手法、犯人検挙への熱意、これらスヒョンの行動を間近に重ねて見続けていくことで、警察を全否定していたヘヨンが、スヒョンのことを信頼しはじめていくんですね。

 

スヒョン「未解決事件は、過去の刑事たちが見逃したものを見つけることが全てなの。それが真実なのか、作り話なのか、確認しなければ・・・」

 

メモを手渡すケチョル。

 

スヒョン「いくわよ」

ヘヨンに声をかけるスヒョン。

 

おお、ヘヨンを連れていく気だ。

 

ケチョル「彼女の家の前は道が狭いから、車じゃ入れないぞ!」

ふふふ、なんのかんの言っても、ケチョルいい奴。

 

スヒョンのあとを追うヘヨン。

 

はぁ・・と、ようやく息をつくケチョルとホンギ。

 

~廊下~

 

ヘヨン「私のことを信頼しはじめたようですね。ま、知的水準の高い人とはうまくやっていける傾向にあるんですよね」

私は、ケチョルのこと、そうバカにしたもんでもない、と思うけどね。

 

スヒョン「冗談やめて。ついてきなさい、早く!」

ヘヨン「まったく・・・かわいくないなぁ」

 

~大通り~

すっかり、日は落ち、夜になってます。

 

スヒョン「ああ、もうこの辺だと思うんだけど・・・なんで、こんなに渋滞してんの?」

運転席で、ブツブツ言いながら、入り口を探しているスヒョン。

 

スヒョン「ねぇ、ここ、さっきも通った道みたいに見えない?」

うわ~~、方向音痴のひとがよく言うセリフだ。(笑)

 

ヘヨン「・・・・・・」

返事なしです。

スヒョン「怒ってるの?」

ヘヨン「なんで、怒ったりするんですか?」

スヒョン「だったら、なんで、そんなに静かなのよ?」

 

ヘヨン「今、何をしてると思いますか? 犯人・・・」

スヒョン「・・・・・」

ヘヨン「犯人は、完全に、殺人中毒ですよ。その誘惑に打ち勝つことなんてできないはずだ。刑事たちを操ってるつもりでいる。今まで、一度たりとも、捜査の手が及んだことがない。それなのに、なぜ、彼は止めたんでしょうか? "おそらく死んでいる" "別の罪で収監されている" それとも、“他の国に移住したのかもしれない” 人はいろんなことを言うんです。ですが、もし、奴がまだ、我々の中にいたらどうでしょうか?

 そういうの、言霊っていうんだよ。ショボーン

 

ヘヨンの重たい言葉に答えることなく、脇道に入るスヒョン。

 

ヘヨン<普通の人にはわからないんです。彼が連続殺人鬼だとは・・>

 

なんとか、目撃者の家の近くにたどり着いたスヒョンたち。

黒いフードを被った男が遠くから見て、逃げ出していく。

 

~当時の証人の家~

何度かチャイムを鳴らしても、誰も出てくる気配がない。

 

ヘヨンがノックして、「警察です」と名乗る横で、窓から中の様子を覗くスヒョン。

電気がついており、床になにかが散らばっている。

テレビもついている。

あら、やだ! 「三食ごはん(삼시세끼)」の漁村編じゃん。晩才島・・懐かしや。

 

ノックをしても反応なし。

ノブに手をかけるスヒョン。

開いた。。

中に入っていくスヒョンに、「ちょ、許可なく入ったりして・・知りませんよ」と言いつつ、自分もあとに続く。

 

フリフリのカーテンを抜け、どんどん進んでいくと、寝室のドアもあいており、その隙間から、後ろ手に縛られた人の足が見えている。

ヘヨンも気づき、ぎょっとする。

 

部屋の中に、もう一歩入ったスヒョンの後ろで、「あれ・・あの結び目・・・前にみたことがあるのと一緒です。」と声が上ずるヘヨン。

 

振り返るスヒョン。

ヘヨン「奴だ。奴のしわざです」

スヒョン「・・・・」

 

ヘヨンの言う奴とは、"京畿南部連続殺人事件"の犯人のことだと、気づかないわけがありません。

愕然とした面持ちで、倒れている被害者を見つめるスヒョン。

 

~被害者宅前~

 

規制線が貼られ、野次馬たちを制する巡警たち。

すでに、記者たちも来ています。

 

鑑識班と一緒に、ケチョルやホンギも現場に到着しました。

 

記者たちの質問が容赦なく飛び交います。

「殺人事件ですよね?」

「答えてくださいよ」

「"京畿南部連続殺人事件"と同じ手口なんですか?26年後に、また始まったってことですか?」

「殺人犯が戻ってきたんですか? 捜査はどこまで進んでるんですか?」

答えろ、答えろ、と大興奮です。

 

~ソウル中央警察~

 

電話をしているアン・チス。

 

相手は、声だけですが、ボムジュです。

 

ボムジュ<どういうことだ?!>

アン係長「まだ、確認中です。私が・・・・・・」

動きをとめ、話を聞いているアン・チス。

アン係長「はい、わかりました」

 

険しい顔です。

また、なにか脅されたのかな。

 

 

~ソウル市中央警察~

一旦、現場から戻り、アン・チスを待っていたスヒョン。

 

アン係長「本当なのか?」

スヒョン「手口は同一ですが、まだ、何も確証は得ておりません」

 

奥の部屋に入るアン・チス。

スヒョン「未解決捜査班が犯行現場を調べています。完了したら、概要をまとめます」

アン係長「お前たちは、これが"京畿南部連続殺人事件"と同一犯という確証はないんだな。」

スヒョン「ええ」

アン係長「現場から、お前のチームを呼び戻せ」

 

え・・?と見返すスヒョン。

アン係長「この事件は、京畿庁で管轄することになる。京畿庁の強力班が引き継ぐだろう」

 

うわ、これがさっきのボムジュの指示か。。

 

それだけ言うと、出ていこうとするアン・チス。

当然、納得できないスヒョン。

 

スヒョン「うちのチームは、"京畿南部連続殺人事件"を捜査しています。この件のファイルやら資料もありますが、協力しあったとしても、十分とは言えないです。我々を捜査から外すのは間違っています」

 

アン係長「だからこそ、協力するな、と言ってるんだ!」

スヒョン「・・・・・」

目を見開くスヒョン。

 

現在

 

~チョン・ギョンスンの自宅~

"京畿南部連続殺人事件"当時、スーパーの前でファン・ミンジュが殺された時、オソン署で証言していた同僚の車掌、チョン・ギョンスン。

↓この時の女性です。

 

当然の如く、今の姿は、はっきりとは映し出されません。

 

まさか、本部で、スヒョンがアン・チスから、手を引けと言われているとも知らず、鑑識官の制服姿に戻って、作業を開始したホンギや、

玄関のドアの電子錠を調べているヘヨン、

そして、近所の住民に聞き込みをするケチョル。

 

ケチョル「3階に誰かが訪ねてきませんでしたか?」

住民「いえ、みませんでしたけど・・」

「彼女とは、それほど親しくなかった・・」と言いかけていると、

誰かに気づいたケチョル。

 

ヘヨンが玄関を調べていると、なにやら、階下から騒がしい声がする。

ケチョル「いや~、久しぶりだなぁ。時々は一緒に飯でも食わんとなぁ。最近、調子がよさそうだ。」

一緒に上がってきたのは、京畿署の刑事でした。

ケチョルの後輩だそうです。

 

ケチョル「事件に関心があってここに来たんだろうな。なぁ、興味もたない警察官なんているわけないだろ?」 

暇人じゃあるまいし、そんなわけないじゃん。

 

ケチョル「俺だって驚いたんぞ。一体、どこの誰が、26年も経って、奴が殺人をするなんてわかるっていうんだよなぁ。」

完全に舞い上がってるケチョルを尻目に、すこし困惑している刑事。

 

ケチョルの話は止まりません。

ケチョル「俺たちが捜査を始めたから、きっとビビってるぞ」

 

すぐに、ドアの電子錠のチェックに戻るヘヨン。

 

微かに、苦笑いを浮かべながら、部屋の中に入っていき、「誰が、現場に入っていいと許可を出したんだ?」と、中にいる鑑識班に怒鳴る、ケチョルの後輩改め、京畿署の刑事。

 

ヘヨン「!」

その声に、なにごとか、と作業を中断し、顔を覗かせたホンギ。

 

旧知の後輩刑事のチームがやってきたくらいに思っていたケチョル。

ここでようやく、風向きが変わったことに気づきはじめた様子です。
 

ケチョル「おい、パク・イノ、なんで、そんな口出しするんだ? (鑑識班に)ああ、続けていいぞ」

ホンギたちに声をかけるケチョル。

 

それを遮るように、「この事件は、京畿署が扱うことになったから、おまえたちは全員出ていけ」と宣言するパク刑事。

 

ケチョル「おい、一体、どうしちゃったんだよ? なんだ、隠しカメラかなにかでもあるのか? こいつは・・おもしろいな、あはは。ああ、わかった、わかった、知りたいことがあったら、俺が教えてやるから・・

まだ、事態を飲み込めていないケチョル。← いえ、飲み込みたくないんでしょう。

 

すでに、ヘヨンやホンギは気づいてます。

 

パク刑事「私が先輩ニムみたいな奴だと思ってるんですか? 私は、あなたがしてきたみたいに、情報や金を隠れて受け取るような真似はしないんですよ。そんなことをして、私がよく知る誰かさんのように、降格させられたら、それこそ、恥ずかしいじゃないですか」

 

うわ~~、この人、そうだったんだぁ~的な視線を送るヘヨン。

 

そのまま、現場に入ろうとするパク刑事をぐっととどめるケチョル。

ケチョル「おい、俺だぞ、ケチョルだぞ。俺のために、靴下だって洗ってくれたこと、忘れたのか?」

 

うわ~~、そんなことまでさせてたのかよ、と呆れるヘヨン。

 

パク刑事「汚い水の中にも、自然の秩序っていうものがあって、格下の人間に、"敬語"を使う必要なんてないんだよ。」

明らかに、顔つきも口調も変わりました。

 

後輩の手のひら返しに、ショックを受けるケチョル。

 

ん・・・と、聞き捨てならないヘヨン。

 

途中ですが、ここで、切ります。
 

★『シグナル』EP.3-3 雑感★

 

ここはもう、事件そのものの箇所なので、さくさく流れを追えばいいのかな、と思いつつ、どうしても、先のことを考えると、つい、入力もキャプチャーする手の動きも、鈍くもなろうというものです。

 

そんな中でも、誤認逮捕という失態を犯したジェハンが、すでに、運行していたバスに注目し、犯行の動機まで行きついていた点を、現在のヘヨンが、ケチョルの捜査報告により、遠隔的に気づいた場面などは、ポイント高くて、わくわくしました。

 

実際、まだ、ジェハンとヘヨンの交信は探り探りの段階で、全容すら行きついていないのに、「現在と過去のつながりは、無線機の交信だけではないのだ」という見せ方をすでに入れてきているのも上手いし、すごい。

同じ推理に行きついた連帯感が、ヘヨンの中に生まれてるし、実力を認め合ってこそ、時空を超えても、協力できる"信頼"が生まれる、という説得力につながっていくんですよね。

 

そして、ヘヨンが認めつつあるスヒョンの「刑事スピリット」というか、刑事としての心構えや捜査方法は、のちの「ジェハンイズム」だということを、つまり、スヒョンの後ろには、ジェハンがいるということを、まだ、ヘヨンは知らないんです。

っていうか、初見の視聴者もですけども。。

 

3話、見えない糸でつながってる感が、だんだん見えてきています。

 

★『シグナル』EP.3-4に続く★