一応、3話は終わりですけど、全然、区切りじゃないです。(苦笑)
私がよくいう、「ここで切ります」っていう強制的な区切りだと思います。
なので、4話の半分くらいまで、そのまま、訳し続けてました。
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。視聴しながら生じた疑問の考察やら、内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
シグナル 시그널 英題:Signal
(tvN Jan 22, 2016 - Mar 12, 2016 1時間15分×全16話)
対象:15歳以上
脚本:Kim Eun Hee
演出:Kim Won Suk
※このドラマは、犯罪を扱うという特性上、登場人物がエピソード毎にたくさん出てくること、1話完結ではないこと、現在・過去の描写が頻繁に入れ替わる、など、通常の筋追いでは、わかりにくい部分もあるため、補足も兼ねて、びびの独断で、人名や、人間関係など、ドラマよりも先に、リマインドしたり、説明をする場合があります。
極力、ドラマ上、「なるほど!! この人がこういう立ち位置だったのね」という謎解き部分の醍醐味が損なわれることのないように工夫したいとは思いますが、なにぶん、整合性を取り切れない箇所もでてきそうな気がします。
余計、わかりにくくなったりしたら、ほんと、申し訳ないです。
前記事をお読みでない方は、さきに、こちらからお読みください。
【Episode 3-4】
現在
~ギョンスンの自宅 現場~
パク刑事「よし、入るぞ」
部下「はい」
さすがに、自分たちの現場を荒らされるとあっては、無視できないヘヨン。
基本、ヘヨンは仲間意識とか薄いですし、階級のこととか、自分のことは棚にあげちゃうタイプですけど、本当の意味で、職権をかざすような人間は大嫌いなんです。(笑)
ヘヨン「つまり、同じ階級同士なら、あんたに、敬語を使わなくてもいいってことだよな?」
低い声で呟きます。
ケチョル「???」
ヘヨンの言葉に、振り返るパク刑事。
ヘヨン「これはうちらの事件だ、消えろ!」
コジョ(꺼져)!!
きましたよ、これこれ!(笑)
韓国ドラマの筋追いしてるって実感できて、なんか嬉しくなっちゃう(笑)
パク刑事「お?」
ヘヨン「俺たちの仕事には、なんの倫理もないのかよ? なんで、俺の飯の中に、あんたのスッカラ(スプーン)をつっこまれなきゃなんねぇんだよ」
ヘヨンね、一時期、荒れてた時期があるんですよ。
大事(おおごと)にするのは避けたかったケチョルが、目を反らします。
パク刑事「お前、誰だ?」
ヘヨン「ソウル中央警察署 プロファイラーの、パク・ヘヨン警衛だ」
へへ・・と嗤う京畿署の刑事たち。
あれ、バカにされてる?
水戸のご老公の「印籠」的なセリフにはならないみたいです。
パク刑事「そもそも考えてみろ、"京畿南部連続殺人事件"は俺たちの事件だった。」
ヘヨン「だから、今、俺たちが苦労してるんじゃないか。あんたらが、奴を捕まえられなかったせいで・・」
生意気なヘヨンの物言いに、京畿署の刑事が、「なんだと!」と食ってかかろうとしますが、「落ち着け」と言ってとめるパク刑事・・と、ケチョル。
京畿署の刑事「・・・・・」
パク刑事「奴は、26年もの間、静かにしてたんだ。未解決事件捜査班が捜査を始めたことで、奴を挑発したのさ。お? お前らが、この殺人を引きおこした張本人だろ」
ヘヨン「よくも、そんな口を俺に叩けるな?」
パク刑事の襟首をつかむヘヨン。
パク刑事「放せよ!」
間に入り、二人を引き離そうとするケチョル。
狭い玄関先で、小競り合いが始まった途端、寝室に戻って、遺体の状況写真をバチバチ撮りまくるホンギ。
ホンギヤ、チャレッソ!!
刑事たちの縄張り争いなんて、日常茶飯事、気にしてる暇なんかないくらいのスタンス、いいですよね。(笑)
※ それに、もし、この女性の事件が京畿署の担当になったとしても、"京畿南部連続殺人事件"の事件捜査自体は、引き続き、未解決事件捜査班が続けることになるわけで、なんとしてでも、自分の手で証拠や資料を手元に残さねばならないことを、ちゃんとホンギはわかっているんでしょう。
その時・・・
「あんたたち、一体、なにしてるの!!(怒)」
スヒョンの怒声が響き渡りました。
ピリっ!
動きが止まりました。
スヒョン「ここが、事件現場なのが見えない? 一体、なにしてるの? 証拠を回収するつもりないの?!」
息を整えながら、「おい、チャ・スヒョン、俺たちがここでふざけてるように思うか? 俺たちはな、ここに来いと、上に言われて来ただけなんだぞ」とゴニョゴニョ言い訳しはじめるパク刑事。
スヒョン「上にねぇ・・・ええ、そうでしょうね。あんたは、ただ、大きい事件を解決して、昇進したかっただけでしょ。」
パク刑事「おい、まったく・・・久しぶりに会ったっていうのに・・ずいぶんなご挨拶だな」
スヒョン「そうね。この事件、あんたのチームが担当するといいわ」
え・・マジで?と、スヒョンの顔を見るヘヨンとケチョル。
スヒョン「何一つ見落とさないよう、気を引き締めなさい」
ケチョル「チャ刑事、何言ってんだ?」
スヒョン「引き上げるよ」
ヘヨン「そんなこと、できませんよ!!(怒)」
スヒョン「撤収!」
有無を言わせぬスヒョンの一言でした。
揚々と家の中に入っていく京畿署の刑事たち。
ヘヨン「く、くっそ!」
ムカつきながら、下に降りてきた一同。
でも、ホンギがしれ~~っとしてるところが素晴らしい。
スヒョン「(私はこれから)NFSに寄るけど、あんたたちは署に全部持ち帰って、今日のところは家に帰りなさい」
納得できないヘヨン。
ヘヨン「本当に、こんなことで終わりにするんですか?」
スヒョン「先輩たちが、箱を運び出すのを手伝いなさい」
スヒョンも、京畿署の刑事たちが気づく前に、ここからおとなしく、出来るだけ多くの証拠品を持ち帰るのが得策だとわかっているんです。例えあとから、主要なモノは、取られてしまうとしても。。。
それでも、引き下がらないヘヨン。
ヘヨン「あの刑事の言ったことは、間違いじゃありません。あの被害者の死は、俺たちのせいでもあります。だからこそ、俺たちがこれを扱わなきゃならないんです」
スヒョン「どういう意味よ?」
ヘヨン「彼が言った通りですよ。俺たちが捜査を始めたせいで、彼女は死んだんです。」
スヒョン「だから、私たちは、捜査をやめるべきだと? 何もせず、犯人も捕まえずにいろって? あの人は、犯人によって殺された、私たちは、そいつを捕まえなきゃならないでしょ。」
ヘヨン「でも、俺たちは(捜査を)止められたじゃないですか!」
興奮し、取り乱すヘヨン。
スヒョン「パク・ヘヨン・・・あんたは、このチームで何がしたいの? たしかに、あんたはまだ、完璧なプロファイラーじゃないかもしれない。でも、もう、プロファイラーなのよ。」
ヘヨン「・・・・・・」
落ち着いた声で諭していたスヒョンの言葉にも、次第に熱が帯びてきます。
スヒョン「私が、ソウルのど真ん中で、証拠や目撃者と格闘してる間、あんたは、アポロ11号のアームストロング船長みたいに、月から、私のことを俯瞰の目で見下ろさなきゃならないの!! 証拠、証人、事件のいずれかであっても、距離を置いて、それらを見るの!! 決して、感情の赴くまま、視界を曇らせることのないように!! 最大限、あんたを活かして、感情的になったらダメ!」
ヘヨンだって、わかってます、わかってるんです、でも・・・
ヘヨン「俺たちのせいで・・・いや・・・俺のせいで、彼女は死んだんだ。あんな無線機なんかなければ・・・」
最後の方は、呟きに変わっています。
スヒョン「え?」
ヘヨン「元に戻さなければなりません。もし、まだ、俺にチャンスがあるのなら・・・」
そういうと、表情を引き締め、一人、その場を離れるヘヨン。
スヒョン「パク・ヘヨン!」
ヘヨンの態度と、今の言葉が、どうにも気になるスヒョン。
~大通り~
脇に車を停め、手帳になにかをメモするヘヨン。
9番目 ヒョンプン通り キム・ウォンギョン
大型ビジョンに、「"京畿南部連続殺人事件"殺人犯 再び出現」のニュース映像が映し出されている。
無線機を取り出したヘヨン。
ヘヨン「交信はいつも、午後11:23に開始する。頼む、あなたなら、彼女を救える。」
過去
実はその少し前、ジェハンと繋がっている過去の世界では・・・
~オソン署 ~
強力班の刑事たちに、取り調べを受けているジェハン。
バスの運転手の証言の一件も含め、ジェハンに振り回されてる感が半端ないんでしょう。
刑事「つまり、この通りまで、追いかけたのは確かなんだな?」
ジェハン「はい、本当に、停留所でした。」
リーダー「だが、そもそも、なぜ、ヒョンプン駅に行ったりしたんだ?」
ジェハン「え・・と、ただのパトロールです。」
リーダー「調べたところ、お前、非番だったよな」
ジェハン「ええっと・・それは」
リーダー「お前、最初から、殺人犯と関わっていたんじゃないのか?」
ジェハン「え? なんでですか? なぜ、俺が?」
リーダー「(部下に)おい、他の殺人の時の、こいつのアリバイを全部、洗い出せ」
部下「はい」
ジェハン「何する気ですか? なんで、そんなことしようとしてるんですか?」
疑われたジェハン、そのまま、留置所行き。
ジェハン「俺じゃないって言ってるでしょ! なんでこんなことするんですか!」
大声を出しても、聞き入れてはもらえません。
リーダー「それが真実かどうか、決めるのは俺たちなんだよ」
そういうと、さっさと、席に戻ってしまう刑事たち。
ジェハン「おい!!」
鉄格子を破壊するんじゃないか、くらいの揺らし方です(笑)
とはいえ、騒いでも仕方がないことはわかってます。
諦めて、椅子にこしかけるジェハン。
現在
23:23をいまか、いまか、と待ち望んでいたジェハン。
ドンピシャ!
23分になった途端に、電源が入りました。 ← なぜ、23:23なのか・・・について
も、あとからわかります(涙)が、フライングネタバレは止めておきます。
ヘヨン「イ・ジェハン刑事さん?」
呼びかけた過去の世界では、(犯罪に加担している疑いというより、捜査妨害の見せしめ的に)ジェハンが留置場に入れられているという最悪な展開。
ジェハン座り込んで寝てました。
当直の警官も、居眠り中です。
ジェハンの所持品は取り上げられ、強力班の刑事の机の上に置かれてます。
こちらの世界でも、電源が入り、ジジジジという微かな音と共に、ヘヨンの声が聞こえてきます。
寝ぼけ眼で、声のするほうを覗き込むジェハン。
ヘヨン<イ・ジェハン刑事さん? 私です。パク・ヘヨン。聞こえてますか? イ・ジェハン刑事さん!>
その声に、覚醒して立ち上がりました!!
ジェハン「すいません! ちょっと・・その無線機・・・無線機・・・そいつがやったんですよ!!」
大声で、当直の警官を呼ぶジェハン。
ジェハン「そいつが、ヒョンプン駅で誰かが死ぬって言ったんです」
警官、爆睡中。。
なかなか応答がないジェハンに、再び、話しかけるヘヨン。
ヘヨン「他の人が亡くなりました。」
ジェハン「ほら! ほらほら、こいつ、また、言ってるぞ!! おい! おい!!」
大声を出すジェハン。
なんで、出ないんだよ、と、ヘヨンも泣きたくなる気持ちを抑えながら、続けるヘヨン。
ヘヨン「俺のせいで、いえ・・・彼女の死は、俺たちのせいです。もし、あなたが本当に、1989年にいるなら、どうか、事件を食い止めてください!」
ジェハン、ヘヨンの話している内容よりも、パク・ヘヨンが実在しているってことを訴えるのに必死です。
ジェハン「な、あいつ、またやる気だぞ。すみません、起きてください! 他に誰かいませんか?」
ヘヨン<私のことを信じられないかもしれないってわかってますけど、ここは、2015年なんです>
とうとう、こちらは未来なのだ、と伝えちゃいました!
なかなか認められなかったけれど、この無線機でのやりとりが、現在と過去をつなぐ交信なんだ、と認めたヘヨン。
このままでは確実に人が死ぬ。
万が一でも、なにか道があるのなら、なんにでもすがりたい気持ちなんんです。
当然、呆れるジェハン。
ジェハン「ほらな、聞いてくれよ。2015年とか言いやがって・・・あいつ、狂ってる! あんたらは、そいつを捕まえなきゃならないんだ!!」
絶叫してます。
ヘヨン<我々は、まだ、犯人を捕まえられていません。>
一応、ヘヨンの言うことに、耳を傾けるジェハン。
ヘヨン「でも、一つだけ機会が残ってます。まだ、亡くなっていない"京畿南部連続殺人事件"の被害者が一人だけいるんです。」
この辺から、もう私、鳥肌です。
わかっていても、鳥肌です。
実際、ホワイトボードにも、犠牲者キム・ウォンギョンの名前は、ハングルで書かれていました。しかも、あの事件の時、例のバスに乗っていたウォンギョンの姿は、もう明らかにされてます。
初見の時から、すでに誰のことか、わかっているので、耐えられませんでした。
ヘヨン「もし、そこで、犯人を捕まえることができれば、今の時代も変えられるはずです」
なに言ってんだ、こいつは・・・と、呆れ果て、脱力しかけたジェハンの耳に飛び込んできたのは、
ヘヨン「9番目の被害者は、役所勤務の公務員キム・ウォンギョンさん、1989年11月7日、午後9:30 ヒョンプン通りの路上です」
ジェハン、固まりました。
ジェハン「キム・ウォンギョン・・・公務員・・・ウォンギョンさん!」
そこで、ウォンギョンの帰宅風景と入れ替わります。
~ウォンギョンの自宅前~
今日は、11月6日なのです。
ウォンギョン、無事帰宅。
門の鍵を開けようとしたとき、ウォンギョンを迎え入れるオンマ。← 今さらですが、急に思い出しました。オンマじゃなくて、イモ(叔母さん)だったはず。。修正してこなきゃ。。
叔母さん「おかえり」
ウォンギョン「あ、どこか出かけるの?」
叔母さん「そろそろかな、と思って、出てみたのよ」
ウォンギョン「そうなの?」
夕飯の話をしながら、自宅に入っていく様子を生垣に隠れて、見ている男性。
~留置場~
目を見開くジェハン。
ヘヨン<今、私の言葉をあなたが聞いているか、わかりません。どうか、お願いします。犯人を捕まえてください!>
悲壮な声で、呼びかけるヘヨン。
ジェハン「公務員・・・ばか言うな! なんで、ウォンギョンさんが死んだりするんだよ!」
鉄格子を叩きつけるジェハン。
ヘヨン<なぜ、この無線機の交信が始まったのか、私にはわかりません。私が送るこのメッセージで、他に問題が生じるのかもわかりません。でも、我々には、変えることができるんです!犯人を捕まえ、人々を救えるんです」
ヘヨンの訴えに、耳をすますジェハン。
ヘヨン「11月7日の夜、ヒョンプン洞の路上で起こります。」
ウォンギョンが被害にあうと、繰り返すヘヨンの言葉に、脳みそ沸騰するジェハン。
ジェハン「こいつ!! どこにいやがる! どこにいるって聞いてるんだぞ、どこだ? お前、どこにいる? はぁ?」
・・・・時間切れです。
電源は落ちました。
ジェハン「なぁ・・なんで、俺の言うことに答えないんだよ? 答えろよ! おい!」
無線機が切れても、しばらくの間、怒鳴り散らし続けるジェハン。
それでも、なんとか、落ち着こうとします。
ジェハン「ちょっと待て。。そうだ」
気付けば、時計は、すでに、日付を超えています。
おそらく、11月7日になったんですね。
ジェハン「すみません、ちょっと! すみません!!」
再び、当直の警官にむかって、絶叫するジェハン。
ジェハン「俺は出なきゃならないんだ。 おい!! くっそ~、鍵はどこだよ! ちょっと! 誰か? すみません!! 頼むから・・戸を開けてくれよ!! おい、電話をさせてくれ! 俺が誰なのか、しらないのか? 知ってるよな? 」
その後・・・
外から刑事が戻ってきました。
刑事「こんな朝っぱらからなんだ?」
え・・もう朝なの?
ジェハン「刑事さん!」
当直の刑事が、「ずっとこんな調子なんですよ」と、リーダーの刑事を出迎える。
ジェハン「刑事さん、1回だけ、電話をさせてください。一回だけでいいんです。ね?」
リーダー「誰に電話するつもりだ?」
ジェハン「今日、見つかるかもしれない別の被害者です。 キム・ウォンギョンさん」
あ~あ、なんで言うかな?
もうちょっとやりようがあるでしょ。
ジェハン「彼女は、役所に勤めてるんです。いますぐ、電話をしなきゃならない」
リーダー「お前、正気か? お前、それ、一体どんなゲームだよ?」
ジェハン「ああ、マジでおかしくなりそうだ。いいから、1回だけ電話させてくれよ。1回だけ!!」
リーダー「おとなしくしてろ」
ジェハン「刑事さん、刑事さん!!」
リーダー「見張ってろ」
相手にしてもらえません。
ジェハン「だったら、あんた、俺の代わりに、電話してくれないか?」
そして、時刻は・・・
ジェハン「もう、午後8時だ。なんで、電話してくれないんだよ?」
時間経過の早さというか、切替え感の無さに、びっくりです。
現在
~未解決事件捜査班~
ああ、また、窓も開けてないのに、風が吹きました。
ここ、実際には何か変わってたんでしたっけ?
そのまま、署で徹夜したヘヨンが、目を覚ましました。
ホワイトボードを確認するヘヨン。
9番目 キム・ウォンギョン/22(歳) 公務員 1989.11.07
ヘヨン「なぜだ・・?」
変わっていません。
他の部分も確かめるヘヨン。
その時、スヒョンが登庁してきました。
スヒョン「あなた、元に戻すとか言ってたわね? ここで徹夜したの? 何を戻したの?」
ヘヨン「・・・・・・」
戻したかったのに、戻してくれると信じてたのに・・・戻ってないんです。
スヒョン「ホワイトボードを裏返したりでもしたの?」
本当に、裏側を覗き込んだりしてます。← ちょっとおちゃめ(笑)
ヘヨン「このままじゃ、終われません」
スヒョン「終わりだなんて、誰が言ったのよ?」
振り返るヘヨン。
そして、登庁してきたケチョルとホンギ。
ケチョル「二人とも、やけに早いな」
ホンギ「おはようございます」
スヒョン「京畿署は気の毒ね。この件で、たくさんの支援を得てるらしいけど、現場にはほとんど目撃者もなく、防犯カメラもない。捜査の初期段階で、いろいろ躓きまくってるらしいわ。 ただ、もっと時間が経てば、多少良くなるかもしれないわね・・26年前と今では、状況も違うし、捜査手法も向上してるから。でも、それまでは、うちのほうが有利よ。捜査から、うちらを除外したのは、上層部の判断ミスよ。うちらは、向こうよりも情報をたくさん持ってる。」
自信満々な口ぶりです。
顔を見合わせているケチョルとホンギ。
ヘヨン「一体、なに言ってるんですか?撤収しろって言ったのは、刑事さんじゃないですか!」
スヒョン「私は、現場から撤収しろ、と言っただけよ。"京畿南部連続殺人事件"の捜査を終わらせるとは、一言も言ってない」
立ち上がるスヒョン。
スヒョン「彼らが担当するのは、チョン・ギョンスン殺人事件よ。うちらの事件は・・"京畿南部連続殺人事件"。なんとしても、うちらが最初に犯人を捕まえなければ!」
ケチョル「でも、俺たちには、糸口が足りなすぎるぞ」
スヒョン「強力班の刑事の仕事の半分は、情報網次第だって知らないの?」
察しのいいケチョル。
ケチョル「つまり、それがNFSに行った理由か?」
京畿署のパク刑事たちはバカにしてましたが、ケチョルが地を這うようにして、多少、後ろめたいことをしながらも、人脈を頼り、情報をかき集める、昔ながらの刑事だということを、スヒョンは決して、侮ったりしてません。← 目に余る時は、1話の時のように、怒りますけどね(笑)
必要とあらば、スヒョンも人脈を使うのです。
スヒョン「オ・ヨンソ先生によれば、この被害者は、過去の被害者とは違うそうよ。26年前、被害者は、締めあげられた後に殺されているのに、今回は、殺された後に縛り上げられている。」
ヘヨン「同一の犯人じゃないと言ってるんですか?」
あの特殊な結び目を実際に見た以上、到底、信じられないヘヨン。
スヒョン「それはまだ、なんとも言えないわね。でも、これだけは確信できる。この犯人は、"京畿南部連続殺人事件"に間違いなく関係してる」
ヘヨン「結び目ですね? 犠牲者たちが、独特の結び目で縛られていたことは国民にも広く知られていましたが、結び目の写真は決して明らかにされなかった。」
※いわゆる「秘密の暴露(犯人しか知りえない事実が含まれていれば、その自白に信ぴょう性があるとみなされる)」のために、あえて、捜査状況の全公表を避けることを指してます。
だからこそ、スヒョンが、ジェハンから預かった現場写真は、本当に貴重なものだったんです。
ヘヨン「でも、今回の殺害に使われた結び目は、全く同じものだった」
スヒョン「もし、我々がこの犯人を捕まえられれば、京畿南部殺人の犯人も誰か、おのずとわかるはず」
ホンギ「やはり・・そうだったんですね。 先輩ニム(スヒョン)の、日ごろの性格と違って、あまりにも簡単に退いたように思えたんです。そんなこともあろうかと、(現場から)持ちだしてきましたよ。」
キャビネから、ビニール袋を取り出すホンギ。
ホンギ「割れたグラスのかけらです。被害者の身体の下から押収しました」
※ (死体検案で)殺された後に縛られた・・・と判明したということは、縛られる前に割れたグラスでなければ、その身体の下に、破片が入り込めるはずがないということになり、そのグラスには犯人のDNAが残されている、もしくは、犯人がそのことに気づいていない可能性などが考えられます。
身を乗り出して、注視するスヒョン。
ホンギ「すぐにでも、分析に持ち込むことができますよ」
スヒョン「行って!」
ホンギ「はい」
原理原則に従って、真面目一辺倒だと思ってたホンギにも、こういう一面があると知って、ちょっと混乱してるケチョル。(笑)
ホンギが出て行ったあと、少し考えていたケチョル。
ケチョル「あの地域には、CCTVがないと言ってたよな? 俺には・・代わりになるものに心当たりがある」
今度は、自分の出番です(笑)
ケチョル「俺たちが、戻りの車の中にいた時、俺、動くCCTVを見つけたんだ」
~回想~
コンビニに、商品を納入にきたトラックが停まっていたのを、なんの気なしに見ていたケチョル。
ケチョル「配送車っていうのは、必ず、ブラックボックスカメラを積んでるんだよ。あの地域には、同じ系列店が3軒あったのを見た。同じ時間帯に、配達されてるはずだ。つまり、ほぼ同じ近所を運転してたってことさ。ありとあらゆる捜査方法を使って、京畿署の奴らよりも前に犯人を捕まえてやる! パク刑事の奴の息の根を止めてやる!」
昨晩、悔しかったのは、誰でもなく、ケチョル本人だったはず。
意気揚々と飛び出していきました(笑)
・・・というわけで、名もなき、隠れた捜査のエキスパートたちの、やる気に火をつけたスヒョンの口角が、ちょっとだけ上がりました。
スヒョン「私たちも、最初から始めましょう」
あとに続くヘヨン。
~会議室~
死亡したチョン・ギョンスンの家の間取り図を基に、話をすすめるスヒョン。
スヒョン「最初からいきましょう」
ヘヨン「我々が現場に到着した時、窓は中から施錠されていました。玄関のドアのロック装置も改ざんされた痕跡はありませんでした。」
スヒョン「つまり、強制的に押し入ったわけじゃない。入口付近にも、争った形跡はなかった」
頷くヘヨン。
スヒョン「となると、チョン・ギョンスンの知り合いである可能性が高い」
ヘヨン「犯人は、26年間何もしなかったのに、再捜査が開始された途端に、殺したんですね。動機は、証拠隠滅だった可能性が高いです」
スヒョン「証拠隠滅のための犯行・・・」
そういうと、ため息をつく。
スヒョン「私はね、あの95番のバスの運転手に疑念がある。チョン・ギョンスンとファン・ミンジュを知っていて、事件の関係者でもある」
それには同意しかねると言った具合に、首を振るヘヨン。
ヘヨン「多くの専門家が、"京畿南部連続殺人事件"の犯人に関するプロファイルを作成しています。私もやってみました。それぞれ、意見は矛盾しています。ですが、皆が同意する唯一の項目は、年齢です。通常の社会生活を営んでいない20代前半の男性です。せいぜい23歳くらいでしょう。それに、チョ・ヨンシンが逮捕された時、そのバスの運転手は、バスを運行中でした。犯人だと考えるのは、無理があります」
理路整然と説明するヘヨン。
携帯に出るスヒョン。
スヒョン「どうしたの?」
ケチョル「いやぁ、ギリギリのところだったぞ」
手に持っているのは、記録媒体ね。
そして、後ろには、聞き込みにきた京畿署の車が到着したところが映っています。(苦笑)
ケチョル「ほとんど、京畿署のやつらに捕まるとこだったよ。奴らの動きも早いぞ」
電話を切るスヒョン。
スヒョン「行きましょう。時間がないわ。あなたは、バス会社に行って、もっと詳しく聞いてみて。私は運転手にあって、話をきいてみる。なにかわかったら、すぐに連絡して、いい?」
足早に駆け出すスヒョン。
早くしないと、京畿署から捜査妨害されてしまいます。
出る前に、一瞬、ホワイトボードを見て、なんの変化もないことを確かめたヘヨン、すぐさま、署を出ていきます。
過去
1989年11月7日の夜
~役所~
仕事中のウォンギョン。
同僚「まだ、帰らないの? もう7:30よ」
ウォンギョン「切りのいいところまでやっていくつもりよ。あなたは先に帰って」
同僚が帰宅の途につき、一人残ったウォンギョン。
その姿を、外からじっと見ている黒い帽子の男。
~オソン署~
留置場で、苦しんで、床に倒れているジェハンを発見した警官。
警官「どうした?」
ジェハン「腹が・・腹が痛くて・・」
すぐさま、「大丈夫か?」と言いながら、錠を開ける警官。
ジェハンを起こそうと、肩に手をかけた時、またしても、巴投げで反転させると、クビをちょっとだけ締めあげました。。
ジェハン「申し訳ありません。時間がないんです。すぐに気が付きますから・・・」
気を失った警官に謝ると、無線機と身分証を取り、すぐさま、部屋を出ていくジェハン。
~ヒョンプン洞の路地~
渾身の力で、路地を駆け抜け、ウォンギョンの家に向かったジェハン。
ジェハン「ウォンギョンさん! ウォンギョンさん! 」
大声で、門扉を叩くジェハン。
すぐに、叔母さんが出てきました。
ジェハン「ウォンギョンさん、ご在宅ですか?」
叔母さん「いえ、今日は残業するって言ってましたけど。」
ジェハン「残業・・・わかりました」
すぐさま、飛び出していくジェハン。
叔母さん「え? どうしたの?」
ウォンギョンの名を呼びながら、路地を走り抜けるジェハン。
ヘヨン<9番目の被害者は、役所勤務の公務員キム・ウォンギョンさん、1989年11月7日、午後9:30 ヒョンプン通りの路上です>
ジェハン「頼む、頼む、頼む・・・どうか・・・」
3話、終わります。
★『シグナル』EP.3-4 雑感★
ラストは、何度見ても、心臓が早鐘を打ちます。
あああ、辛い。。
このあとのことを考えると、超辛い。
こうなる前に、なんとかならんかったのか、という「変数」を探そうと思うのですが、我ながら、そこが無力でして。。。
バスに乗っていたウォンギョンを見た時の絶望。。
他のことが、ふっとびました。
実際、"京畿南部連続殺人事件"に関しては、正直、前半の被害者などは紹介もされないくらいなので、犯人の非道さというか、卑劣さがイマイチ迫ってこないんですが、ここから、巻き返しです。