ある心理学研究のために、たくさんの点をちりばめた画像を見せて、点の個数をあててもらう実験がありました。
このとき、回答した個数にかかわらず、
一部の回答者には「あなたの持って生まれた知覚は大多数(80%)と同じですね」と言い、
残りの回答者には「あなたは少数派(20%)ですね」と言いました。
すると多数派と言われた人たちは、それが何を意味するかも知らされないのに、自尊心をひどく傷つけられたといいます。
この実験によって、ひとはその他大勢と見られることに、我慢できない傾向があることがわかりました。
たいていの人は日ごろから個性的でありたい、人に個性的だと見られたいという心理が働いているということです。
ところが同じ実験で「あなたの知覚はあまりにも変わっていて、分類不能です」と告げたところ、
多数派といわれた人と同じくらい、自尊心が急低下しました。
つまり本来求めているのは、「真の独自性」ではないことがわかります。
一番心地よく感じるのは、「その他大勢と同じではないが特殊過ぎない位置」なのでしょう。
このことは、
「他人の目を気にしすぎて、本来ではない選択をしてしまうこともある」ということです。
自分がどう見られたいか?
で物事を選択してしまう傾向があるということなのです。
人がいつまでも「自分探し」で迷ってしまうのも
そういった要因があるようですね。