今回はサーキット走行のベース車両としてオススメの35GT-Rについて真面目に紹介したいと思います

要は35GT-Rが欲しいけど悩んでいるサーキットユーザー向けの内容です(笑)



※最近は価格高騰の影響で35GT-Rもかなりの値段になってしまっていますがこれについては他の国産車も同じなのでそのままの感覚で書かせて頂きます





35GT-Rは初期型でも500馬力近いパワーを誇る車で純正の時点でかなり速い車なのは周知の事実かと思います

パワー系以外の冷却やブレーキ性能等基本的スペックもかなり優れていてこれはサーキット走行を前提に作られた車と言って過言は無いでしょう

そんな35GT-RですがやはりGT-Rの名が付く車だけあって昔からのRイズムを受け継いでいる所がいくつかあります

そのひとつに"チューニングという行為での費用対効果が大きい"という点が挙げられます

(RBの純正ガスケットやVRのコンロッド等暗に線引きしようとしている点も受け継いでいると個人的には考えてます...笑)


RB26車両でチューニングを経験された方はわかると思いますがGT-Rという車は弄れば必ず速さとなって返ってきます

それがこのVR38では更に洗練されていると言う事です

その辺も含めて色々と優れていると思っている点を紹介していきたいと思います




・エンジンの耐久度が高い

とにかくエンジンは壊れません

唯一の弱点?と言われるコンロッドについては疲労で折れる事もあるそうですがノーマルパワーの車ではなかなか聞かないトラブルです

逆に言うとある程度の所でパワーを抑えないと短命になる可能性もあると言う事です

これはどのエンジンにも言える事ですがVRの場合はそれがノーマルで600馬力程度まで許容範囲として捉えれる点が強みのひとつだとも思います



・冷却関係はノーマルで十分のスペック

これは同じGT-R系列であるRB26からは天と地の差で進化というか改善しています

RBは冷却関係に一通り手を入れないとまともにすら走れない車でしたが35GT-Rは全く触る必要がありません

DCTクーラーに関しても正直真夏や連続走行さえしなければ必要無いといって差し支えないレベルです

そのくらいノーマルで十分の性能を持っています

 


・排気関係ノーマルでも問題ない

すぐに交換したくなるマフラー関係もノーマルで全く問題無いです

音量は純正なので勿論静かではありますがノーマルマフラーの性能的としてはかなり優秀なようで普通に好タイムを狙う事が出来ますし実際結果を残している車両も多いです



・ノーマルブレーキについて

これは注意が必要なポイントでもあるのですが現状自分はノーマルで走れているので問題はありません

ただメンテナンスに気を使ったりフィーリングの変化があるのも事実としてはありますので可能であれば変更した方があとが楽かもしれません

※レース等で連続周回する人は交換を強く推奨します


個人的に純正15年nismoのブレーキフィーリングはかなり良いと感じました

基準車と違うのはローターの大径化とブレーキパッド(nismo専用?)だそうなのでこれに近いメニューはやはり行うのがマストでしょう



・マルチディスプレイが有能

最近の車はもはや標準的になっているシステムですがやはりサーキットを走るのに於いてこのディスプレイ機能はとても有用です 

車の温度管理全般(油温 水温 ミッション温度 エンジン油圧 ミッション油圧 ブースト計 フロント駆動率)が確認出来るのでメーターを後付けで装着する必要がありません

でもそれ以上にドライバー操作のパメレータ(アクセル開度 ブレーキ踏力 等)の表示を出来るのがかなりの魅力です

昔はドライバー操作のパメレータを表示するには外付けのモノが必要でかなりの出費でした

このパメレータは車載を確認する上でかなりの情報になりますしドライビングの原因が何処にあるのか?(ペダルワーク等)直ぐに判断する事が出来ます

他の人との比較も容易に出来るので腕を磨くツールとして使える機能のひとつです

※他にもラップタイム計測機能やシフトダウン時の回転数が視覚的にわかる画面もあります



・ライトチューンでのタイム伸びが凄い

これは先程も述べたように第2世代のRB車にも通じる点ですがチューニングすれば必ず速くなり結果として現れます

特にライトチューンでのタイムの伸びは目を見張るモノがあり正直ブーストアップだけで十分と言っても過言では無いくらいの戦闘力を発揮します

少ないチューニングメニューで一級品のポテンシャルを得られるという点は35GT-Rの特に優れた点だと考えます



・トラブルが少ない

初期型は流石に年式相応のトラブルは出てきていますが根本的なトラブルはかなり少ない部類に入ります

自分の車の場合4年走ってトラブルがあったのは直近のAttack筑波であったDCT油圧センサーの故障のみでこれはもはや経年劣化による症状です

(その前のAttackで止まったのはバラした事によるシステムエラーで止まっただけでトラブルでは無かった)


致命的なトラブルとしては最初に述べたコンロッド疲労によるエンジンブローやミッションブローがありますがこれらはパワーさえ出さなければ大丈夫なので問題ありません

でもパワーを出していなくても街乗りユースが多い場合は稀にミッショントラブル(全後進が入り難くなる等)が発生しているという話もあるので定番の対策はするに越したことはないでしょう


また初期型に増えている症状としてはABS不良、パワステのフィーリング悪化、ラジエーターのパンク等があります

これはこの車のウィークポイントでもあるのでサーキット走行を前提として購入する場合は確認する事をオススメします

この辺はもう年式相応と言うしかありません





自分の結論としてはこれまでの第2世代GT-Rは1からチューニングを楽しむ車であって今の35GT-Rは純正でパッケージングされた車を自分好みにアレンジしていく車というイメージを持っています

※あくまでもライトチューンレベルでの話です

R32GT-Rが販売開始された頃とR35GT-Rが販売された2007年ではメーカーやユーザーの考え方(時代)も違いますしその当時に合ったマーケティング方法だったのかな?と理解しています


そして元からパッケージングされた35GT-Rはブーストアップ程度でかなりハイレベルな戦闘力を発揮します

細かい数字を出すと今のハイグリップラジアルであれば筑波58秒富士48秒は普通に一定スキルがあれば狙えるポテンシャルです

筑波が速い車というのは多いですが筑波と富士両方ともコスパ良く速い車というのはかなり限られると思います

そのうちの1台が35GT-Rであってチューニングベースとして最適であると考える理由のひとつです

(他にはポルシェも当てはまりますが車両価格が倍くらいします)




35GT-Rはトラブルも少ないですし基本純正+‪α‬のチューニングで済む分信頼性もかなり高い車両に仕上がるので安心してサーキット走行を楽しむ事が出来ます

一貫性があるというのはこの遊びをする上ではとても重要な事です

フルチューンだとどうしても街乗りで気になる部分というのが出てきますがライトチューンではそのネガな部分が出にくいというのもプラスポイントです




コスパコスパと言ってますが実際のチューニングメニューはどこまでが理想なのか?を考えてみました





①600馬力程度に抑えたブーストアップ 

GT-Rはとにかく加速で稼ぐ以外に取り柄が無いのでブーストアップは必須と考えます

ノーマルでも260km/hくらいは出ますが今はそのくらいNAエンジンでも出る時代ですのでここは個人的に外せません

ただ闇雲にブーストを上げても壊すだけなので常用600馬力弱に設定するのをオススメします

自らリスクコントロール出来るのであれば1発狙いのハイブーストでアタックするのもアリです



②車高調

ノーマル脚も悪いとは言いませんがやはりサーキット狙いとなるとそれに合わせたセッティングにした方が迷わなくて済みます

この"迷わない"というのが最初は肝心で原因が自分にあるのか?車にあるのか?すぐ判断出来る為に無駄なお金を使わずに済みます

結果としてタイヤやオイル等走る方面にお金を使えたり新しい部品を買えたりとプラス方向ばかりに作用していきます

何でもドライビングで合わせられるタイプの人は無理にお金を使わずに純正脚で壁にぶつかるまでやってみると言うのも良い試みだと自分は思います



③ブレーキパッド(フルード)

車が止まらないのであれば加速してはいけません

35GT-Rは純正でかなり良いブレーキシステムが備わってますがサーキット走行の際は1回1回必ず点検して下さい

メンテナンスの手抜きによるブレーキ抜けは富士1コーナーで特に多い事故で35GT-Rは車重があって速度も出るので特にシビアに確認したい所です

純正ブレーキローターの場合はドリルのクラックにも注意が必要です

表が大丈夫でも裏側の方が大きいクラックが入っていたりパッドが減っている場合も多いですので必ず全部チェックするようにしてください



+‪α‬ アテーサコントローラ

これは必須では無いですが個人的には外せない部品のひとつです

メーカーによって品物も特性も違いますが良い落とし所を見付けられた場合はかなりのタイムアップに貢献してくれます

機械式デフはそれなりに高価で装着時のバキバキ音も気になると思いますがこのコントローラーはそのネガが全く無りません

4輪が搔く事でデフと同じトラクション方向で稼げて費用対効果の大きい部品です 

高速コーナーの安定性もかなり向上するので安全に走る事が出来ます




これだけで十分なの?と思われるとチューニングショップの儲けが無くなりそうですが(笑)個人的にはこの仕様が1番コストパフォーマンスに優れ比較的トラブルも避けられるスペックだと考えます

GT-R nismoも600馬力程度に抑えられていますし要はそういう事なのだと思います


電子制御ばかりでツマラナイなんて言われていた時代もあるようですが今はチューニングも熟成されていてライトチューンでも制御OFFで走った方が速いと思います

それに全員が全員同じスキルを持っている訳ではありませんし賢い制御に依存して安全に走る事も立派なリスク管理のひとつです




ここまで長々を書き連ねましたが...

35GT-Rはサーキット走行をする上でよき相棒になり得る車であると断言します

速さ、快適性、コストパフォーマンスを求めた場合これ以上の車は無いでしょう



最後に

これはあくまでもコストパフォーマンスを考えた場合の選択肢のひとつとして書いています

魅力的な車は他に何台もありますし車の楽しさは速さだけではありません

ただこの車を経験する事で自分のこれまでの価値観が変わる可能性は「かなり高いので」思い切って乗ってみるのも面白いと思います


スピードは麻薬ですね

それでは