『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』
ビスマルクの言葉です。
(ビスマルク本人の言葉は微妙に違うらしいですが、そこは本筋ではないので置いておきます)
 
TPPやグローバリズムの問題に関しても、これと同じ事が言えます。
既に人類はTPPのような国際貿易協定を作った歴史があります。
そして大失敗に終わった事も人類は経験、または見聞きしているのです。
それでもなお「やろう」と言うのであるならばそれは「愚者」と言われても仕方ありません。
まず、TPPの理論的裏付けから考えてみます。
 
 
TPPとは、200年前の経済思想家であるリカードの「比較優位理論」に基づいております。
 
 
さて、リカードのWikipediaをご覧いただければ一目瞭然なのですが、
リカードの経済理論とは、「あの」マルクスに強い影響を与えた代物なのです。
 
・人間一人一人の自主性や能力、希望、才能を一切度外視
 
・「比較優位」と見なされた物だけに人的資源を投入
 
・例え人が生きるのに必要な農業であろうが、「比較優位でない」なら情け容赦なくぶっ潰して構わない
 
このような悪魔的な発想を、共産主義者のマルクスが気に入ったのは当たり前の理屈でもあります。
 
そしてそのマルクスの教えはソビエト連邦を産み、
そのソビエト連邦が中心となって行った「TPP」こそが「COMECON」です。
 
 
このコメコンとは、まさしくリカードの比較優位論に基づいた貿易協定でした。
TPPが結ばれたらどうなるのか、コメコンがしっかり証明したのです。
コメコンの「貿易」がどんな物であったかは、次の逸話に明らかです。
 
コメコンの各国はぐるり輪になってお互いの乳房に吸い付く雌牛だ
ミルクを飲んでいるのにどんどん痩せて行く』
 
コメコン加盟国は「比較優位理論」に基づいて、各国で分業体制を取っておりました。
 
ソ連は粘土をチェコスロバキアに輸出
チェコスロバキアはそれを陶器に作ってブルガリアの豚肉と交換
豚肉とハンガリーの小麦を交換
小麦と東ドイツの機械を交換
機械とソ連の粘土を交換
(以下繰り返し)
 
一例を挙げればこんな形です。
TPPが絶対に失敗する、国民は豊かになどならないと私が確信しているのは、
このコメコンの失敗事例があるからです。
 
私は常々、
 
【共産主義的左翼とグローバリストは同じ穴の狢】
 
と力説しておりますが、TPPの理論的裏付けの部分でも同じ穴の狢である事が証明されました。
 
 
最後に、日本は様々な工業製品を産み出せる国だったのですが、
『比較優位ではないから』
という理由で自動車産業以外叩き潰されそうになっております。
 
戦時中、特に終戦寸前になると、日本では飛行機や戦車、軍艦は無論、
小銃や弾薬、手榴弾ですら底を尽きました。
当時の日本は輸送船が片っ端から沈められており資源枯渇の問題も当然ありますが、生産能力の問題もあります。
 
だからこそ戦後は、様々な物が作れるよう経済復興を進めてきたのですが、
今のTPPとは戦時中の「反省」を無にするとんでもない政策です。
 
またいくら戦時中でも、食料品だけはギリギリ何とかなったかも知れませんが、
今の日本の食料自給率は農林水産省のデータで「38%」です。
実際には10%を切っているという説もあります。
と言うのは農作物に使う肥料の自給が日本は出来ないからです。
これでもしも戦争でも勃発し、日本のシーレーンが封鎖でもされてしまったら日本人は大量に餓死するでしょう。
 
日本第一党は食料自給率の向上を掲げております。
であれば、既に失敗の前例があるTPPには反対しなければなりません。
 
日本第一党神奈川県本部 玉川 晃嗣