マスコミを賑わせた

  近藤誠氏の「癌もどき論」



 『患者よ、癌と闘うな』というギョッとする様な


題名の本を書いて大きな反響を巻き起こしたのが


慶応大学病院放射線科の近藤誠先生です。



 その主張は要約すると次の通りです。



A.抗癌剤は一般の人が期待するほどの効果はない。

抗癌剤治療は90%無意味である。



B.癌に対する手術万能主義は誤りである。放射線療法がもう少し見直される   

べきだ。


C.癌検診による癌の早期発見は無意味である。


D.現代医学で癌と呼ばれている病気には、

小さいうちから全身に転移を起こす「本物の癌」と

癌のように見える転移を起こさず良性腫瘍と

同じ振る舞いをする「癌もどき」の2種類がある。


 外科医が手術して治ったと自慢しているのは

「癌もどき」であり、「本物の癌」は手術のとき

既に転移を起こしているので手術をしても決して

治すことはできない。


 よって「本物の癌」に対しては手術は無意味である。


 また、「癌もどき」は良性腫瘍と同じであるから

症状がなければ手術の必要はない。


E.本物の癌」の場合は、現在の治療法はほとんどが

無効で癌と闘っても無駄である。苦痛を和らげる

対症療法が重要である。


F.癌の本質は老化現象である。



 フィッシャーがニューバイオロジー説で

癌は全身疾患であると云いながら、

手術自体の有効性は認めているのに対し、

近藤説は明確に手術無用論を展開しています。


 癌が全身疾患であれば、手術で切り取っても

根本的には治るはずがありません。


 率直に言って私は近藤氏の勇気と

優た洞察力に敬意を表し、

近藤氏の説の大部分を支持します。


 しかしこのような主張をすれば

その正否はともかく、

正統派からの反撃は必至です。


 正統派と称する医師たちから総攻撃を受け

「あなたが言っている癌もどき論は仮説にすぎない」

と批判されたとき、平気で

「あなた達の手術、抗癌剤万能主義こそ仮説である」

と切り返していました。





医学博士 酒向 猛

『生命と気血』私が考える癌の病理観⑰

「癌を克服するために」より

新生命医学会 http://www.chishima.ac/



恐ろしい悪魔が支配する社会(がん医療の実態―丹羽先生)

http://hon42.com/iryou/br20108.html