正しい評価をしない職場 | kyupinの日記 気が向けば更新

正しい評価をしない職場

会社全体で、社員を正しく評価をしなかったなら、社員の士気も上がらず、次第に業績が下がっていくと思う。今回は、会社のある部署で部下に対して正しい評価をしない上司の話である。

 

実は、2009年の過去ログに今回のテーマと似ている記事がある。これは詳しく書いているので興味がある人は読んでみてほしい。

 

 

部下について正しい評価をしない上司は、一部の社員のメンタルヘルスを悪化させる。その結果は、「適応障害」であろうが、適応障害は診断基準的には長期間診断を続けられないため、長引いたときは「うつ病」などの診断に変更される。この理由で精神障害者保健福祉手帳には「適応障害」の診断は不可である。

 

上記のリンクの「人をうつに陥れる達人」は誰から見ても明白なパワハラを行っているが、今回の記事は、そのレベルのいつもパワハラをする人を対象にしていない。

 

人を選ばずパワハラ的な言動を行う上司は、部下が多数「適応障害」に陥るので、時に同じ職場から3名うちの病院に受診し、皆同じ上司の苦情を言う事態になる。また、当初はパワハラの対象にならなかった人も、パワハラが理由で辞める人が続出するうちに自分にも順番が回ってきてパワハラを受けるようになる。

 

過去に、同じ職場から3名初診というのは僕の診ている範囲だけで実に3回もあり、日本が未だに言葉の暴力が頻発する体育会系会社が多く存在していることがわかる。同じ職場から複数名初診したら、その上司に問題があるのは明白である。

 

一方、初診した本人だけ上司のパワハラを非難するケースは、本人に問題があり、上司が平均的なボリュームで何度も叱責していることも良くあるので、本人の疾患性も仔細に診る必要がある。本人に問題があるケースは、発達障害的な疾患性があることもしばしば診られる。例えば、社交辞令で女性のお客さんに「○○さんに似てますね」と言うと叱責されるのは当たり前である(○○さんは力士)。

 

今回の記事は職場全体ではなく、特定の部下に著しく不当な正しくない評価をする上司の話である。そのよく叱責される部下は他の社員よりむしろ出来が良かったりするのである。

 

僕はなぜその上司はそのような奇妙な心理に陥っているのか興味を持った。社員の正しい評価をしないことは、長期的には良い人材が会社の残り辛くなるので、会社が傾く結果になりかねない。

 

1つの可能性として、その上司はその部下の才能に嫉妬して、辛く当たっているのではないかと。その行動はその上司の自己評価の低さを反映している。しかも部下が自分の言葉でどのように感じるのか読めており、心の理論的には正常に近いと思われる。

 

また、そのような上司は、客観的にみて仕事ができない部下を高く評価し持ち上げたりするため、社員全員の評価はめちゃくちゃな事態になる。仕事ができない部下を評価して、対象になっている能力の高い部下をクサらせるのは、悪意と言ってよいであろう。これはその能力の高い部下への嫌がらせである。

 

しかしその上司を呼び、なぜそのようなことをするのか問えば、たぶん、その対象の部下の「発奮を促したかった」くらいに言う可能性が高い。だからこそより悪質なのである。

 

日本では小学校から高校まで飛び級がないが、一方、高校以降大学までは留年はある。

 

つまり日本は、飛びぬけていると刈られる社会なのであろう。

 

失われた30年間は、このような日本社会の欠点も深く関係していると思う。