オリーブオイル100%石鹸 | 型にはまったお菓子なお茶の時間

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主に日々のお茶のお供を記録しているブログです。
レシピの配合はあくまでも「個人的な作りやすさ」と「私好みの味に合わせたもの」になっていますので、レシピそのものよりも、作業する際の理由やポイント自体がお役に立てましたら嬉しく思います!

年に数回、顔や体を洗うための石鹸を作ります。

一口に手作り石鹸と言っても、苛性ソーダとオイルから作るもの、溶かして作るクラフト用のMPソープ、練って作るハンドミルソープ、素地で作り直すリバッチ、全然手に入らない苛性カリで作る液体石鹸、グリセリンソープなど、すぐに使えるものから半年ほど寝かせるものまで、種類は様々。

今は、苛性ソーダとオイルから作るコールドプロセス法の石鹸を作って、出来上がるまで寝かせている途中です。



オリーブオイル100%の純石鹸は、市販ではまず手に入りません。

もしあるとしても、副産物として生産される天然のグリセリン成分が除かれて、グリセリンは単体で販売されているそうです。

そして薬事法で、顔や体用としては売れないことになっているため、オリーブオイル100%ではありませんが効能を知っている人の中には洗濯用として売られている純石鹸で洗顔している人も多くいます。

それと同じ“雑貨として”の扱いで、グリセリンがまるごと入ったものを化粧用とは表示せず、でも暗に顔や体用として手作り品を販売している個人の方もいますが、その場合の化粧用石鹸として売られている石鹸との違いは、肌が荒れても自己責任、責任はとってもらえないという点です。

ただ肌に合うならば、植物性の天然のグリセリンは石鹸の副産物で、それがまるごと入っている手作り品はしっとりした洗いあがり。

手作り石鹸を型から出して寝かせていると湿度が高い時に大量に水滴がつくことがありますが、それは空気中の水分をグリセリンが引きつけているからです。



更に、油には鹸化価と言うものがあり、それにより苛性ソーダの割合が決まってくるのですが、100%石鹸化させずに少し余剰分のオイルを残すことで、石鹸にはなっていない分のオイルがしっとりした洗い上がりにしてくれます。

純石鹸は洗浄力があるため、メイクも軽いものであれば二度洗いで落ちるほど。

ただたくさん油の余剰分を残しすぎると固まらずに柔らかくて型から抜けなくなってしまったり、酸化してしまったりと、バランスが大切。

ここでの配合は、一般的な範囲内かつ私が好きな割合のものとなっています。



でも、これは化粧品を作り始めた頃に私も少し勘違いしていたことですが、自然派や、無添加だから必ず誰の肌にも良く、きれいになれると言うものでは決してないと年々実感しています。

例えば私の場合ですが、普段は市販品ですがたまにファンデーションを作る際には、色の調整が難しいのでしょっちゅう作るわけにはいかないのと、無添加で時間が立ったものを肌に乗せたら逆に荒れてしまうので、天然のものではありますが保存料は加えています。

敏感肌ではないのに、敏感肌にも使えると言われるローズ精油は、肌が痒くなります。

クリーム作りには添加しなければ分離しやすくなるので乳化剤を使わないと、オイル分が多いものしか作れませんし、それに使う化粧用のオリーブオイルも、エキストラバージンのものは合わないため、精製されたものを使っています。

石鹸はエキストラバージンでも良いのですが、オリーブに限らず、しっとりした洗い上がりでも洗浄力は強いため、その後保湿しないと必ず乾燥します。

市販の化粧品も、大量の添加物は考え物ですが、添加物が一概に悪いわけではなく成分には意味があるのです。

自然派だから必ず肌がきれいになるとは限らず、自分の肌や生活スタイルに合うもの・合わないものを見極められるかが美肌への近道なのだろうと最近特に感じます。

手作り石鹸や化粧品は合う合わないは人それぞれで、使っている材料にもよるので、肌に悩んだ時の選択肢の一つとして作り、生活に合わせて市販品もうまく取り入れるようにしています。



黄色い油を使うのに、出来上がりの白さが不思議。

どの石鹸でも、使えるようになったばかりの出来立ては柔らかく溶けやすいのですが、オリーブオイル石鹸は特にその傾向があるため、半年ほどしっかり乾燥させると持ちも泡立ちも良くなります。

とは言え初めて作った時には待ちきれなくて、体中に使って溶けやすいうちにすぐになくなってしまいました。

ココナッツ油やパーム油脂を使ったオリーブオイルのパーセンテージが決まっているマルセイユ石鹸などはもっと泡立ちが良いものの、パーム油脂に対する考え方やココナッツが合わない場合などがあり、それに比べるとオリーブ100%のものはずいぶんと控えめな泡立ちですが、季節や肌の状態を問わずに使うことができ、なにより自分の手で時間をかけて作り上げた新鮮な石鹸の洗い上がりは感動もの。

今寝かせているものは10月の下旬が解禁予定、今からもう、出来上がりが楽しみです。



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◆苛性ソーダ

 石鹸作りの材料の1つである苛性ソーダは、目に入れば失明したり知らないうちに手につくと化学火傷を起こしてしまうような劇薬であるため取り扱いや保管には注意が必要で、入手方法も印鑑を準備して取り扱い薬局を調べたりせねばなりませんが、工程自体はそんなに難しいものではありません。

 今回は私が自分で作る際に本を開かなくても見返せるように覚書です。

 もし初めて作る際には本もたくさん出ていますのでそちらで調べて、念には念を入れて、必ず手袋・マスク・ゴーグルをして行ってください。



◆安全策

 部屋は必ず風通しが良い場所であること。

 苛性ソーダを反応させる時は、できればベランダや庭などの外か、やむを得ず室内の時には換気しながら行ってください。

 ゴーグルやマスクなどをつけたら、薄い酢水も準備します。

 種は強アルカリ性なので、手や台などについてしまったら、慌てず、放置せず、酢水で中和しましょう。

 混ぜる作業などは新聞紙などを敷いた上で行い、更に気付かないうちにどこに飛んでいるかわからないので誰かがうっかり触ってしまう前に最後に酢水を含ませた布巾で台や床などを拭いて、更に水拭きして仕上げます。

 温度計や泡だて器などの器具類も、使い終わったら酢水の中へ。

 あとはそのまま普通に洗剤で洗って乾かして、調理に使うことも可能ですが、百円均一などで専用にそろえておいても良いと思います。

 種を流したあとの泡だて器やボウルは、2週間程度放置すると柔らかい石鹸種になるので、掃除などに使うことも出来ます。



~必要な器具~
○ゴーグル・マスク・手袋

○ボウル2つ (1つはガラス製)

○広口瓶 (ふたに2箇所穴をあけておく)

○泡だて器・ゴムベラ

○温度計



~材料~


 作り安い分量


  食用オリーブ油 458g (500cc)

  精製水 180cc

  苛性ソーダ 53g



①瓶に苛性ソーダを入れて、水を注ぎ、マドラーなどで粒が溶けるまで混ぜる

 →この時一瞬で80度程度まで温度があがり、刺激臭を含む蒸気が立ち上るので、絶対に吸い込まないこと(のどが荒れます)


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②水が入ったボウルに浸けて(シンク内が安全)、温度計を入れ、40~45度程度になるまで冷ます

 →油と温度をあわせるため、40度より下がりそうであれば水から出しておく


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③オリーブオイルをガラスのボウルに入れ、湯煎にかけて40度まで温度をあげる

 →温度があがりすぎると冷めるのに時間がかかり、また湯煎から外しても数度あがるため、38度くらいになったら外しておく


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④苛性ソーダを少しずつオリーブオイルに混ぜながら、20~30分、飛び散らないよう静かに、休まず混ぜ続けて鹸化反応を起こし、精油(1%まで)を加える場合は最後に混ぜる

 →寒い時など、温度が下がりやすい時期は湯煎にかけながら40度を保つのが望ましいが、極端な温度変化がなければ神経質にならなくても良い


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⑤ラップをして夏場は温度が高い室内、冬場は発泡スチロールなどに入れて保温し、半日~24時間たまに様子を見ながら、分離していたら混ぜつつ、さらさらすぎず、固まってもおらず、その中間のどろっとして表面に線が描ける状態になれば牛乳パックやシリコンなどの型に流す

 →温度や環境により、数時間で固くなってしまったり、もっと時間がかかったりすることもあり、時間は目安なので数字にとらわれず、状況を見て判断

 →室内の温度が低い場合は、途中で混ぜると鹸化も早まる

 →型はあまり凝ったものでは形が出にくく取り出しにくいので、シンプルなものを
  牛乳パックなら剥いで破り捨てられるので便利


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⑥1~2週間ほどして表面が乾けば型から取り出し、切り分けて、更に1ヶ月半(45日)程度風通しが良いところで乾かす

 →夏や多湿なところではなかなか乾燥しづらいので、型から外れにくい場合は更に数日乾かし、切り分けたり取り出す際はビニール手袋をするか、素手で触ってしまった場合はよく洗って酢水で中和