2月の寒い日の始め

頼まれて
私は現職場に
仕事の応援に行き始めた

その場所で
働いているKさんが
私は好きではなかった

いつも暴言を繰り返し
文句を言いながら
仕事をしていた

もちろん
私も仕事がやりにくく
バトルを繰り広げていた

「絶対こうしてください!!」
「こちらのやり方の方がいいですよ!」

脳をフル回転させないと
仕事がまわらないぐらいの
忙しい職場で

暴言を吐く彼女の波動が
クルクルと職場を覆いつくし

これは
なんとかしないといけないと
思いながらも
最初のうちは
仕事をまわすのが精一杯で
とりつくしまが
まったくなかった

ただ
忙しさをまわしていくだけの
日々が過ぎていった


そんな生活が
3か月も続いた数日前

近くの銀行に両替に行くという
彼女に
付き合うことになった

窓口を待っている間でも
ひたすら愚痴を繰り返す彼女の
話を
ウンウンと聞きながら

もしかして
一番つらかったのは
彼女なのかな…とふと思った

膨大な仕事の量を
私が行くまで
たった1人でこなしていた彼女

心の叫びに
誰も
気づいてあげられなかったのかも
しれない

みんな
自分の仕事に必死だし
私もその1人だった

彼女の思いに気付く余裕が
誰1人なかったんじゃないだろうか

だから

愚痴を言いながら
やるしかなかったんじゃないだろうか

誰にでも
文句を言っていたし

私も
彼女に言い返しながら
仕事をしていたし

でも

本当は…。


両替を終えて
歩道に出て歩きながら
私は言葉を掛けた

今までよく
1人で頑張ってたね~😊
大変だったねぇ
私なら、とっくに辞めとるわ笑笑
私ができることは
全部するからね~。

その言葉を聞いた彼女が
私の前で
初めて笑った

この3か月
1度も笑わなかった彼女
今まで真顔しか見たことが
なかった彼女

驚く私に
彼女がこう言った

「美香さんが来てくれたおかげです。
すごく助かりました。
本当にありがとうございます」

そんなことを
思っていてくれたのかと思うと
驚きと同時に
心がほっこりとあったかくなった


あぁ。

ここでの学びのひとつは
これだったのだと
密かに思った

なにかを浄化するために
来るのだと
わかっていたけれど
これも
そのひとつなのだと。

あれ以来

彼女が
仕事を頼んでくるようになった

私が
これ、しておくよ」と言うと

お願いしていいですか?
と返事が返ってくるようになった

どれだけの仕事を
分けあっているか
わからないぐらいの仕事量だけれど

明るい愚痴を
振ってくるようになった


3か月前とは違う光景が
目の前に見え始めた

あの寒い日々から
季節はもう夏へと近づいている

少しは
浄化できているのだろうか

でも確かに

最初に来た日の波動とは
この場所が
あきらかに何かが変わっているのを
知っている私がいる

もしかして

彼女は
そのひとりなのかもしれない

あのクルクルとした黒い波動は
もう見えなくなっている

あれから

彼女とは
楽しく仕事をしている

それも七不思議の  ひとつ