今年もやってきた、新入社員研修。
今回の研修初日の気持ちは、なんだかしみじみ。
目の前の若者は、数十年前の「私」だ。
目の前の若者は、数年後の長男だ。
目の前の若者は、かつての教え子たちだ。
目の前の若者は、数年後の頼れる同僚だ。
なんてことを思う(^^)。
すると、目の前のフレッシュマンがなんだか愛おしくて「親戚のおばちゃん」気分に(笑)。そしてもちろん、真摯に向き合わねばという責任感や、ここで働きたいと入社してくれたことに対する感謝の気持ちにも包まれる。
研修の内容は例年と代わり映えしないものの、今回は、昨年話題になったこのニュースからスタート。
「素数」と言えば、「1とその数自身でしか割り切れない整数」。
そんな共通理解が得られるからこそ、「素数」をガラスに書けば、「ガラスが割れないように」といった意図が伝わる。
一方、例えば「新入社員」という言葉はどうか。
「新入社員」と言えば、「新人」「素人」「初心者」「ニューフェイス」「フレッシュマン」「ルーキー」「駆け出し」「新顔」「新米」「1年生」……
これでもまだまだ一部。言葉を付け足して「期待の新人」や「新しい仲間」と表現することだってできる。
そして、これらの言葉はそれぞれ意味合いが異なり、さらに文脈や全体の中での位置づけによってもその意味合いや相手の受け取り方は変わっていく。
「言葉」は、重なるところはあっても、その周辺はにじんでいる、とても不完全なもの。
では、「読解力」を身につけるとはどういうことなのか。私たちは、子どもたちに何を渡すことができるのか。
などということを投げかけたり、話し合ったり、まとめたり、発表したり。
そういえば、以前、小学1年生のある子どもが、「夏の思い出」として、
「うみでかいひろい」と書いてきて、
「海は、本当に大きくて広いよね。」とコメントしたら、
そうじゃない。
「うみで かいひろい(貝ひろい」だよ、と言われたことがあったっけ。
「言葉」に関する話はキリがない。そして奥深くて面白い。そんなことが今回の研修で伝わったなら、それで十分なのかもしれない。
そして、今日という時間を共有したことで、何かしらのつながりが、私と彼らとの間に結ばれたのなら、それはとても喜ばしいこと。
そんなことを思いながら帰途につく。
家では、株分けして4、5年経ち、ようやく花を咲かせたカレーカズラがお出迎え。
摩訶不思議なその香り。
言葉で説明するのはとてもむずかしい。
「なんとも言えないカレーの香り」という表現が一番しっくりくると思うと、「カレーカズラ」とはまさに言い得て妙 。
名付けた人を思い浮かべながら、クンクンクン。