次男の小学校の「Safety Day(親子防災訓練)」に参加したのは、昨年の9月。
その日、特に印象的だったのは、消防士さんの次の言葉。
「今日、雨の降る確率が70%だと言われたら、皆さんはどうしますか? そう、傘を用意しますよね。
首都直下地震は『今後30年以内に70%の確率で起きる』と言われています。
30年以内ということは、今からいつ起きてもおかしくないということ。
皆さんの家では、傘と同じように、防災グッズは用意できていますか?」
ということで、その日の夜、さっそく自宅に用意していた防災リュックを紐といてみる。
次男用に入れておいた紙おむつ、電池が切れたり劣化したりしている懐中電灯やラジオなどなど……。
その日から少しずつ要るもの要らないものを選別しながら、いざという時に必要になりそうなものを補充したり交換したりして、防災グッズをアップデート。
7年ぶりに見直す。
そのほかにチェックしたのは、一人一人が携帯している家族写真。これは、家族が離れ離れになったときに、「この人、見ませんでしたか?」と、人に写真を見せながら捜索することを想定して。
久しぶりに定期入れから取り出すと、まだあどけない顔で写っている息子たち。この家族写真も、そろそろ最近のものにしておかないと。
この写真を使うようなシーンが起きてほしくないと願いつつ。
そして今日は、3月11日。
夕食の後、今日の朝会で校長先生が8年前の3月11日にあったことを話してくれたと言って、その内容を懸命に伝えようとしてくれた次男。
次男の話をふむふむ聞きながら、心のうちでは、8年前の震災時は、紙おむつとミルクが必要だったというのに大きくなったなあと、じーん。
そして、当時、小学1年生だった長男も、来月からは
高校生。声変わりもして、身長はとっくに私を追い越して。
弟に、お兄ちゃん怖くなかった? と聞かれ、当時の気持ちをポツリと話す。
あの日から、8年。いろいろ変わった。
8年を経て、ようやく実現したのは赤ちゃん用の「液体ミルク」。
今日、日本で初めて店頭販売。
東日本大震災をきっかけに、少しずつその必要性についての声が高まり、運動の輪が広がって、ようやく生まれた液体ミルク。
当時、乳飲み児を抱えて不安でいっぱいだったあの頃を思うと、このニュースはなんだかとても感慨深い。
でも、
まだ家に帰れない人がいる。身元がわからない人がいる。
いろいろ考えて続けていかないといけないこと、取り組んでいかないといけないことははまだまだある。
いつ、どこで、何が起こるかわからないのはみんな一緒。
だからこそ、他人事にはもはや思えない。
共に考えたいと思う。共にいたいと思う。
共に……という言葉を強く噛みしめる日、3月11日。