本題に入る前にこのところの政局について雑感を…

考えてみれば、マンネリ化した自民党政権の旧態依然とした政局にウンザリした民意を追い風に台頭してきた民主党政権に淡い期待(妄想)を抱いた事から始まった日本の不幸が今の混沌を誘発した。
詰まり、掻い摘んで言えば政権担当能力が皆無に近い民主党を勢いで選択した国民がバカだったとも言える。

民主党…売国奴政権の象徴である彼らには一分一秒でも早く政権与党から降りて貰わなければならない。
自民党…対抗勢力の本命ではあるが、これといった信念や理念は依然として明確ではなく現状の日本の危機を救えるには至らない。
みんなの党アジェンダはいいが、民主党のマニフェストの様に絵に描いた餅にならなけでばいいが…但し、政策については非常に現実的で理には適っている。
公明党…単なるパラサイト集団で幼稚な民意を盾に右往左往する稚拙な政党…存在価値はない。
共産党…ある意味一貫した思想を持つぶれない政党だが根本が歪んでいる…資本主義の対極としての存在価値はある。

さて、問題は石原新党大阪維新の会の動きだが、余りにも唐突に台頭してきた感が歪めず、何とも言えない…暫くの間は静観したいと思う。

余談が多くなりましたが此処から本題に入りたいと思います。

PPPレート(購買力平価)…ビッグマック指数が有名だが、余りにも大雑把になるので国際比較プログラム(ICP)を基に考えてみたい。
2010年度における統計では、
対ドルで111.40円、対ユーロで126.45円前後が妥当な水準とされている。

ユーロについては欧州危機が表面化したので現状の100円前後は妥当か若しくはもっと安くてもおかしくない…80円~90円でもおかしくないほどユーロの信認は低下している。

問題は現状の
77~80円のドルレート…明らかに米国による政治的、若しくは金融圧力が掛かって居る。
確かに中国の元レートは明らかに安く、米国は切り上げを要求しているが自国の通貨安を誘導しておいて中国金金融政策を批判するのはお門違いだ。
仮に購買力平価の111円に近い水準なら日経平均銘柄の輸出企業の為替益が今の倍近くになりPERも50%位低くなり10倍位の企業が続出する…何を意味するか?
それだけで日経平均を20%位押し上げると言う事だ。

現状の日経平均が
9000円前後と言う事は10800円まで上昇する計算になる。

ところが、世界の先進国や中国などが金融緩和や低金利政策で通貨安政策を誘導する中で実質上ゼロ金利に近い日本はこれ以上低金利には出来ないのでどのような緩和策や為替介入をしても限界に近く円高基調に歯止めが掛からない訳だ。
仮に日本国債が暴落して円が安くなるとしたら111円などと言った中途半端な円安ではなく1000円/ドルなどといった超円安になる。詰まり、実際にハイパーインフレになれば為替益が云々と言った問題ではなく原材料(石油、食料)のコストプッシュに見舞われて経常収支が一気に大赤字となり、対外純資産(国家の金融純資産)は一気に吹っ飛ぶ。

日経平均は理論的(PPPが適正であれば)には10800円になってもおかしくないが、現実的には過剰流動性で資金が日本株式市場に流入してもジャパンパッシングの現状では10000円が限界だと言える。

さらに、米国株式市場や新興国市場は世界各国の金融緩和が齎した過剰流動性でバブルを形成しつつあり、これが破裂したら再度円キャリートレードの巻き戻しが発生して、円高に拍車が掛かり円高株安債券高という歪んだ資産構造に追い込まれる。

結論としては、どちらに転んでも日本経済に成長の余地はなくグローバリゼーションの波に呑まれて沈む可能性が極めて高いと言える。                                         naniwa-335