マニアックな読者の皆さん、こんにちは…

さて、アルジェリアの日揮社員拘束事件…情報が錯綜して全員無事か否かは尚不明。
自民党政府より一企業である日揮の方がアルジェリア情勢に詳しく
今回の事件に於いても政府より遥かにレスポンスが早く情報も正確であったのは皮肉なもので日本国家のリスク管理の脆弱性が顕わになった。

それにしても中東から北アフリカの情勢は混沌としている。
アルジェリアもそうだが、近隣諸国のリビアやマリは戦争自体が産業になっている非常事態です。
特にマリはイスラム過激派アルカイーダの隠れ蓑になっていますが、フランス軍が鎮圧の為に無差別に空爆などを敢行。
フランスも利権が絡むので米国並みに軍事費を投入。米国もテロリスト撃滅の大義を利用し資金援助と混沌としています。

                     参照(CNN)青字

マリ・バマコ(CNN) アフリカ西部マリのイスラム武装勢力の拠点を狙ったフランス軍の空爆は17日も続いた。

空爆の対象となったのは、首都バマコの北400キロの町ディアバリ。現地の民間人の男性は「住民は逃げだそうと必死になっている」と語った。同町への空爆は14日から続いている。

イスラム武装勢力は政府軍が放棄したディアバリ郊外の軍事施設を占拠。武装勢力は住民が町の外に出るのを妨害したりしているという。

ディアバリの建設作業員の男性は「住民は身を守るすべもないまま残されている。誰も傷つけるつもりはないと武装勢力は言うが、ディアバリを新たなイスラム主義勢力の拠点にし、イスラム法(シャリア)を強いるのではと住民は不安視している」と語る。

アフリカでも民主主義の発展した国として知られたマリだったが、昨年起きたクーデターでトゥーレ大統領が失脚。その混乱に乗じてイスラム武装勢力が北部を制圧した。武装勢力は首都バマコのある南部に向けて侵攻しようとしたため、フランスを初めとする国際社会が対応に乗り出した。マリのイスラム武装勢力は、国際テロ組織アルカイダとの関連が指摘されている。

イスラム武装勢力が制圧した地域ではシャリアが厳格に適用され、音楽や喫煙、飲酒やテレビでのスポーツ観戦が禁じられているという。


日本では、日揮社員の安否だけが報道されていますが、この事件の本質には殆ど触れていない…日本マスメディアの低レベルさを今回も露呈した形で、テレビニュースなど見る気にもなれない。

事実、CNNなどのメジャー放送局は日本に関しての報道は皆無に近い。
今回の拉致拘束事件は人命安否より、ビンラディン死後のアルカイーダの昨今の動きに着目している。
イスラム過激派による東南アジアや中東から北アフリカの現状は、非常に危うくいつ大きなテロが起きるか分からない。
また、米国も2001年同時多発テロの様な惨事を想定して対策に躍起になっている。
裏側には軍事産業と言う大きな利権が蠢いているが、借金の上限を超えた財政が厳しいので政府には頼れない。
そうなれば、日本に対しTPPの土俵に吊り上げて外圧を掛けてくるのは必至である。
但し、日本も流石に簡単には米国の条件を全て受け入れられないのでは妥協には数年間の時間を要す。

今、アジアに於ける米国の関心は80%以上が中国である。
海外ニュースを見れば分かるが、アジア関連の政治経済ニュースは殆どが中国や香港、ミャンマーであり、その事からも日本への関心は益々薄れて来ているのは明々白々である。
詰まり、アジア経済圏としての日本の優先順位は最早最低レベルで、中国に関心は集中していてなんとか中国を貿易対象の最大の標的に移行してきた訳だ。それによって中国資金を還流させて米国経済を活性化させる事に寄り、財政を立て直しつつ軍事に資金を投入したい思惑がある。

この様に考えたならば、世界が利得権益や国益に敵う様なマクロ的長期的戦略を展開する中で日本だけが、ドメスティックで短絡的なアベノミクスに浮かれているのは世界の目から見れば滑稽で哀れであるのは想像に難くない。

欧米のインタビューで「中国のリーダーは誰?」と聞いた習近平」と50%の人が正確に答えた。
一方「日本のリーダーは?」と聞いてみると「知らない」とか「小泉」、挙句の果てが「ブルースリーだっけ?」の様なふざけた回答も多く「安倍」と答えた人は10%にも満たない5%であった。

国内の経済問題や原発再稼働問題、被災地復興問題も確かに重要な課題であるが、その前に外交貿易と言ったマクロ政策で外堀を固めないと、グローバリゼーションの荒波の中で取り残された孤島になって国内問題に着手できる筈もない。

何度も言うが、資源のない島国であり、代替エネルギー構想も立ち遅れている目先だけの戦略しかない日本で原発ゼロなど非現実的な構想である。

勤勉であり、有能な人種の代表としてゲルマンと日本人の比較が成されるが、決定的な相違は長期戦略があるかないか、大局的な物の見方をできるか否かである。
無論、ドイツには長期戦略がありマクロ見解に長けていて、対極には短絡的でミクロ的な発想しかできない日本がある。

木を見て森を見ない日本に対して、木も森も冷静に見れるドイツとでは結果的にどちらが優秀で生き残るかは言うまでもない。

被災地復興や除染作業に高速道路等のインフラの補修、原発の廃炉処理や補償、社会保障の維持にどれだけの財政支出が必要か想像できない中で、新たな公共投資を推進する自民党アベノミクス…完全に狂気の沙汰である。

さて、肝心の相場であるがドル円は近々に100円を超えるであろう。
そうなれば、実体とは関係ない相場の論理で日経平均は11500円までは到達するが、100円を抜けて大きくオーバーシュートした際には反転下落に向かうのは経験則からも容易に推察出来る。
自民党石破幹事長もこれについては言及していてアベノミクスの暴走を自民党失策の懸念材料の一つとして取り上げている。

100円より円が安くなると言う事は、投機筋の思惑に留まらずに実需での日本売りが加速する事を如実に表し円安株安債券安というトリプル安を齎して未曽有の恐慌に陥る。

考えてみよう…デフレで破綻する事はまず有り得ないが、超インフレやコストプッシュインフレが加速すればスタグフレーションにいとも簡単に陥る。
自国通貨が安くなって喜んでいる経団連や経済同友会の会長の脳みその中を一度覗いてみたいものだ。きっとシナプスとか変異していて知能の劣化を齎しているのであろう。                    naniwa335