マニアックな読者の皆様、こんにちは…

黒田発言に北朝鮮リスクが円安に拍車を掛ける展開。
100円は完全に射程圏に入ったが、株式相場は素直に喜べる様な質のいい円安ではない。

流石に、経常収支は海外に資金移動が始まっているので、配当や利子の収益が膨らんだが、貿易は相変わらずの赤字。
結局、幾ら円安が進んでも売り上げが伴わなければ業績は伸びない。

自動車関連は底堅く見えるが、為替頼みの株価上昇はそう長くは続かない。
増して、ソニーや野村証券などは完全に超割高水準なので、何時下落に転じるか分からない保有株のヘッジとしても空売りを入れるべきである。

質のいいインフレ含みの円安であれば14000円を試してもおかしくないが、完全に日本売りの展開に移行しつつある現状では13500円が転換点になりそうである。地政学的リスクに便乗した投機筋の思惑で国債価格も乱高下している。

大衆心理と投機筋の突き上げで一度は個人的にも14000円を抜けるかと思ったが、本日の株価の動きを洞察したところ、機関投資家も個人投資家もこれ以上買い上がるには相当なリスクがある事を念頭に置いて慎重に物色している様に思える。

地政学的リスクに欧州不安、中国、インドなど新興国の低迷と言う外部要因からもこれ以上の日本株独歩高は難しいと思われる。

それにしても、100円を超える円安は俄かにコストプッシュインフレを後押しして、皮肉にも多少は物価目標に近づくであろうが、必需品目品以外の贅沢品を買う様な購買余力がないので、ますます家電や車は安くなければ売れなくなる…ジレンマに陥るのは明らかだ。
外食産業も厳しい…牛丼屋が相も変わらず、安売り合戦を仕掛けている事からも、凡そインフレに誘導するのは無理である。

唯一、インフレにするには日銀が建設国債を際限なく買い入れて、建設業界に直接ばら撒く事だ。
無駄な公共事業に金を注入するのだから、確実に通貨の価値は下落してインフレになる。
それを狙って黒田総裁が暴言とも取られ兼ねられない次元の違う金融政策と言うのなら納得できる。

どちらにしても、現状の金融政策は車のエンジンが壊れる寸前が一番調子がいいのと似ていて、臨界点に達した途端に崩壊する。

株式市場も、そろそろ買い上がるには無理が出てきている中で、国債金利が上昇する様な事になれば円高に巻き戻されて敢え無く撃沈するか、逆に円売りが加速して超円安になるか?
どちらに振れてもちょうどいい為替水準を維持するのは難しいだろう。

明日の日経ダウ予想レンジ

12900~13250円


小泉相場とは明らかに異なる実体無き株価上昇は4月末までに終焉を迎えるであろう。naniwa335