マニアックな読者の皆様、お早う御座います。

 

為替が非常事態…コロナ感染拡大を受けて基軸(安全)通貨であるドル需要が一気に高まり、ドル確保の為に世界各国(企業や機関投資家)が自国通貨を売ってドルに転換する動きに出た。

 

特に通貨に信用のない新興国であるトルコリラやブラジルレアル、また経済危機に寄って暴落気味の韓国ウオン等の通貨は、一気に下落するので為替安定の為の通貨スワップ協定を即時に締結した。

また、ドル円も例外ではなく、Olympic中止(若しくは延期)によって、経済的ダメージが数十兆円規模に膨らむ懸念から、一気に売られて3/20早朝から111円前半までドル高が進行…今までの常識であった為替益が輸出企業に追い風になるドル高ではなく喜ばしくない(日本売りの)ドル高である。

ドル大幅高 新型コロナ懸念でドル需要拡大 NY外為

米国ドル独歩高 正に見えない敵である

コロナウイルスとの戦いが続く中での有事のドル買いである

 

 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが幅広く上昇した。新型コロナウイルスによる景気鈍化懸念を受け、各国中銀が市場沈静化に向けた政策を打ち出しているにもかかわらずドル需要が高まっている。

主要6通貨に対するドル指数=USDは2.0%高の102.73と、2017年1月以来の水準。今週は約4%上昇している。

ドルは対ユーロで2.15%の大幅高。対スイスフランは1.9%、対円では2.63%それぞれ急伸した。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「ドルの強さは強力なショートカバーによるものだ」とし、「ドルは世界の資金循環の大部分で資金調達に利用されていたが、資金循環が逆転し、調達通貨が買い戻されている」と述べた。

新型コロナ流行で経済への影響が広がる中、欧州中央銀行(ECB)は18日、域内の借り入れコスト押し下げに向け、7500億ユーロ(8200億ドル)の緊急債券買い入れプログラムを開始すると発表した。

これについて、チャンドラー氏は「債券市場の支援になったが、ユーロには物足りない」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)は19日、9カ国の中央銀行と新たに通貨スワップ協定を結んだと発表。

協定を結んだのはオーストラリア、ブラジル、韓国、メキシコ、シンガポール、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ニュージーランド(NZ)の中銀。

FRBは2007─09年の金融危機時にも、これら中銀と通貨スワップを締結した。(REUTERS)

 

未明のNYダウは、寄付き後700ドル程度まで、突っ込んだ後に自律反発から大引けで辛うじて$20000を維持できたが、ドル独歩高は輸出企業の競争力が減退するので決して米国経済に追い風にはならない。

詰まり、現状の各市場で何が起こっているかと言えば、全てのリスク資産だけでなく、安全資産である債券やDefaultのないcommodityの代表格である金までが換金売りされて金融緊縮が発生している訳である。

これは合成の誤謬の中でも経済活動を全て停止させる超度級の性質の悪いものである。

 

海外金価格直近1年チャート (三菱マテリアル)

換金売りで今年の上昇分を全て吐き出している

 

この辺りの経済金融学は非常に複雑なので、これ以上の解説は割愛しますが、簡単に言えばこの様な異常な動きは決して大袈裟ではなくて世界大好況突入の前兆であると言える。

 

今日は、欧州拠点であるスイス(Zurich)でもこの一週間でコロナウイルス感染者が一気に増加しており、仕事にも支障が出て来ているので夕方から現地の責任者やFundManagerとの緊急Web会議で、コロナによる直接的な影響も踏まえた今後の対策を練らなければならなくなりました。休みなのは日本だけですし…

 

【追記】 2020/3/21 8:00

 

昨日のZurichとの会議が、世界中に広がったCoronaVirusに寄る今回の暴落相場にどう対処するか日本時間で10:00(現地時間2:00)まで、行われて疲労困憊です。また、Switzerlandでも感染者が激増し、特にイタリアと国境が接する南部地域は医療崩壊の危機に有ると言う…欧州の中では比較的制限が緩かった

現地でも5人以上の集会は禁止され、経済にも影響が出て来て嘗てない閉塞感が満ち溢れている様だ。

 

ITALYと隣接するSwitzerland南部では医療崩壊が起きつつある

 

また、Switzerlandは物価が高い有数の国家だが、北部は富裕層が多いので、リーマンショック後も余り消費が落ちる事が無かったが、ここに来て消費活動も一気に鈍ってきていて、高額商品は全く売れない。

相場に関しても、昨日の欧州主要は短期的暴落からの自律反発から寄付きから概ね3~5%の大幅上昇で引けたが、未明のNew York主要3指数は大幅続落で終えた事が事態の深刻さを表している。

 

米国株は大幅反落 NY・加州で新型コロナ措置強化

米国株式市場は反落。主要3指数はそろって約4%下落し取引を終えた。ニューヨーク、カリフォルニア両州が新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、外出禁止令などの厳格な措置を打ち出したことで、経済への影響を巡る懸念が高まった。

 

また、主要3指数は週足で2008年10月以来の大幅安となった。

然し、投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は66.04に低下。投資家の間からは売りが幾分落ち着きつつある兆候の可能性があるとの声が聞かれた。

ニューヨーク州のクオモ知事はこの日、全ての非必須とされる事業の営業停止と非必須の従業員の在宅勤務を義務付けるよう命じた。カリフォルニア州でも前日、約4000万人の住人に外出禁止令が発令された。

また、トランプ政権は、米・メキシコ政府が両国の国境で不要不急の移動を制限する方針で合意したと発表。米国は今週、カナダとも同様の措置で合意している。

米国内での新型コロナ感染者数は増加しており、米疾病対策センター(CDC)によると、19日時点で感染者は1万5268人に達した。

ロバートWベアードの投資ストラテジスト、ウィリー・デルウィッシュ氏は、新型コロナが「多くの経済活動、ビジネスに影響する」とし、「株式市場は景気がどの程度悪化するかを見極めようとしている。州全体の閉鎖やネガティブと受け取られるだろう」と述べた。リセッション不可避である。(REUTERS)

 

日本市場に関しては、新型肺炎問題に加えOlympic開催の是非と言う複雑な要素を含んでいる為に、投資家及び投機筋の間でも様々な思惑からの強気弱気の綱引きが行われていて、今後の1カ月で更なる暴落を演じ日経ダウが簡単に15000円を割って高値の半値の12000円までの2段底をた試してしまうのか19000

円程度迄回復するのか微妙な段階に来ていており、その辺りの見解は次回の記事で述べたいnaniwa335