私達が暮らしている集落では、
11月半ばごろになると、強い霜が降りるようになり、
大根や白菜は凍みてしまうので畑に残さず、一斉に収穫する。
その頃、ご近所のイツエさんとも大根の話になった。
「嫁に来た頃は、11月1日っていうと、大根こいで、干す日だった。」
「毎年、麹漬けと糠漬けと酢漬けと3種類、3回は漬けた。
でももうそんなに食べんで、
今年は漬けるのも、もうよしまいと思ったが、
やっぱりなきゃないでさびしいで、
酢漬けを1回だけ作る。」
「そいで、漬けたら東京の息子に送ってやるの。」
遠くに暮らす息子さんの話をする時、
イツエさんはいつも嬉しそうだ。
「味噌の味が違うとさ、当たり前だけど全然汁の味が変わるね。」
外に出ることが増えてきたFuやWacが言う。
「調味料もそうだけど、沢庵とか梅干しとか漬物系は特に、
うちの味っていうのがあるなあ。
言葉じゃ説明できないけど、
食べた時にあぁコレコレ、みたいな。」
「いや、野菜だってそうだよ。
かぼちゃとかごぼうとか、自分で料理しても違うもん。」
家に戻り、馴染んできた味を食べて、
どこかほっとする自分がいる。
この馴染んだ味を、ぴったり共有しているのが
いっしょに暮らしてきた家族・・・そんなことを想った。
毎年千枚漬けに使われる大きな蕪を育てていたのを、
今年、たまたま赤カブの在来種の種をもらったので、
そちらを蒔いて育ててみたら、コンテナ一杯ほどになった。
塩でもんで、重石をして数日、
上がってきた水を一度捨てて、自家製のりんご酢を入れて数日、
これがやたらに美味しくて、
夕食前、母屋の居間にみんなが集まる頃、
手ごろな鉢に盛ってだしておくと、
ごはんを食べる頃には半分くらいになっている。
「毎日食べても飽ねぇって、ごはんと漬物だよなぁ。」
って、3兄弟の誰かが言ってた。
ホントそうだなあと思う。
(夕方の薪運び)
「やっぱり醤油に漬けるのも次に作る。
あれはあれで美味しいで。」
冒頭の大根漬けの話をしてしばらくたってから、
イツエさんが話していた。
食べ手が減っても、ないと淋しい。
結局余ってしまうとしても、
時期になると食べたくなって、
漬けたくなって作る。
そのうち私もイツエさんのようになるのだろうなあ、と思いながら、
2か月前に漬けた沢庵の味見をするために、
樽の重石をはずした。
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雑穀は、「どうやって使ったらいいですか?」と度々聞かれるので、
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お買い上げ下さったみなさま、ありがとうございました。m(_ _ )m