先日卒業証書を頂きに、中学校を訪れた。

 

中学も授業に参加することは一日もなかったWacだが、

先生方は、いつも温かい声をかけてくださり、

Wacのこの3年間を見守ってくださった。

 

 

 Wacにとって、中学生の3年間というのは、

和合に越してからの3年間と重なる。

 

3年前の春の写真を見ると、

やっぱり何か作ってる写真ばっかり。笑

 

(引っ越ししてすぐの作品、郵便ポスト。

 郵便屋さんが車から降りなくても済むように、窓から入れられる高さに調整。)

 

(笑’が引っ越し前にもらった箸箱を見て、これは作れそうだと試作。)

 

(4月末のお祭り、伊那谷縁日にむけて、

兄弟バンド「HAPPYS」で使うタンバリンを製作。鈴の部分はビールの蓋)

 

(同じく、ハッピーズで使うドラムの椅子。)

 

 半年後の13歳、秋、

自分の家を建て始める。

 

途中から、オンドルに挑戦。

 

 

 

 

完成と同時に、母屋から引っ越しした日。

 

 

篠笛の自作を始めたのも、この頃。

 

14歳の夏、初めて竹籠作りを教わる。

 

 

この籠が完成した翌日から、

竹の虜になってゆく。

 

 

その半年後には、竹籠職人さんがどんな風に作るのか見たいと、

九州へ1人旅。

 

この旅のあと、Wacは色んな意味で大きく変わった。

 

 

あれから1年。

 

 

大きな目をくりくりさせながら、

何かいつも作っていた少年は、

やっぱり今も何か作っている。

 

 

・・・・中学卒業にあたり、思うことは?

(何回かに分けて聞いて、印象に残ったことをまとめて書いた。)

 

 学校に行かなかったから知らないこと、解ってないこと、沢山あると思うし、

 それを他人から言われたとして、自分でも当たり前だなと思う。

 

 でも、今まで知らなかったことで、知った方がいいことなら、

 その時知ればいいだけのことじゃないかな。

 

 学校に行ってたら、こんなに物作りはできなかった。

 学校行ってる子を見てると、みんな忙しすぎる。

 学校のことだけでいっぱいで、

 さらに家で自分でなにかやるなんて、ムリでしょ。

 ゲームとかスマホいじって遊んだり、テレビとか、音楽聞くくらいしかできないの、

 解る気がする。

 

 オレは同い年の奴と毎日遊んだり、部活やったり、

 大勢でなにかやって達成感とか、

 そういうこと全然してこなかったし、

 よく他人から言われたみたいに、

 学校に行かないことで、いろんなチャンス、いろんな情報、いろんな人との出会い、

 オレは逃したのかもしれない。

 

 でも色々ありすぎて、逆に自分の中に入ってこないことってあるから、

 なんでも数じゃないよなって。

 

 オレがハマった竹も、

 最初に3日かけて、

 1個の竹籠を竹の切り出しから教わって作る

 っていう風にやらなかったら、

 例えばワークショップとか社会見学とかで、

 数時間関わっただけだったら、

 ここまで気持ちが行かなかったと思う。 


 それも今は「竹」だけど、

 これからずっとになるのかは、やっぱりまだわからくて、

 決めなくていいと思う。

 

 決まってた方が安心っていう人もいるけど、

 オレは決まってるより、自分がやりたいことをやっていたい。

 

 

 

 卒業証書は、卒業式が終わって数時間たった後の

校長室で受け取ることになっていた。

 

始まる直前に、校長先生のお話の後、

担任の先生よりWacに今後の抱負などを伝えてほしいと言われる。

 

驚いている間に、

正装した先生方にずらりと囲まれ

Wac1人のための小さな卒業式が始まった。

 

突然の指名、どうなるかなと思っていたら、

「まず最初にありがとうございました。」

と、先生方に対するお礼の言葉がでてきた。

 

3年間、一日もクラスの授業に出ることはなかったけれど、

自分のやりたいように過ごさせてくれたこと、

ただ見ていてくれたことが有難かった、と。

 

そのあと今向き合ってる竹籠作りのことと、これからのことを少し。

 

緊張とでつっかえながらも、

3年間を通して、自分を尊重してもらったこと、

そのありがたさを、まず頭に描けたこと、

それを自分の言葉で伝えたことに、

彼の成長を感じた。

 

 学生服がないので、初めて背広を着せた。

頂いてあったものが、あつらえたみたいにピッタリサイズ。

 

「こんな窮屈なの、みんな着てんの? 

マジかよ、腕、あがんないんだけど・・。」

 

試着した時はそう言って、顔をしかめていたが、

帰り道では「やっぱ着て来て正解だった。」と話していた。

 

そういう感覚も、

いつの間にか身につけているんだな。

 

 

 靴は車に乗る前に早々に脱いでしまって、もう履いてくれなかったので、

背広にサンダル姿の撮影に。

 

足だけいつもの自分。

 

  

中学を卒業した時点で、ホーム・エデュケーションというスタイルも

卒業ということになる。

 

Wacはこの先も、

再び学校とは違う学び場を選んだ。

 

その場も、

これからは自分で探して選んでいくことになる。

 

卒業、おめでとうって、

そういえば言わなかったので、ここで。

9年間、ありがとう。

 

これからも、楽しみにしてるね。