納得いくまで | きらきらひかる

     お正月、お隣のイツエさんのところに遊びに行っていた笑’が、

    昼近くになって、白と黒の紙をひらひらさせながら戻ってきた。

     

    「ほ~ら、書いたよ。」

    と見せてくれたのは、毛筆で書いた「とき」と「なつ」。

     

     

     それがきっかけになって

    笑’の書き初めが始まった。

     

    まだ毛筆習字の経験がほとんどない笑’が縁側で書いていると、

    ヒマそうな中学生が、ぞろぞろやってきた。

     

    そのまま口々に笑’に書き方指導。

     

    そして、

    「ちょっと筆貸して!」

    「次オレね!」

     

    誰かが書いてると

    ついついなにか言いたくなったり、

    書きたくなったり、

    それが習字のお約束・・・。笑

     

     

     
     さて、笑’がお手本に学校からもらってきたのは「生きる力」。

     

    他に書きたい字を書いたっていいんだよ、

    と言ってみたところ、

    「これなら書けそうだから書いてみる。」と言う。


    新聞紙に書くこと数日、

    長い本番紙にも書き始めた。

     

    書いたものは、

    次々洗濯物のピンチハンガーに干されていく。

     

     

     さらっと書いておしまいにするのかと思っていたが、

    想像を反してなかなか終わらなかった。

     

    自分の納得する「いい字」に至らないのが,

    その理由らしい。

     

    くやしくてイライラすることも、キーキーすることも何度もあって、

    そんな大変な気持ちになるならもうやめたら?

    と思うのだけど、

    それでも次の日になるとまた書く。

     

     

     そうこうしているうちに3学期が始まった。

     

    笑’が学校にこないので、

    担任の先生がうちまで来てくれた。

     

    書き初めをやっていることを伝えると、

    「みんなの書き初めはもう展示していて、

    展示するのは1月一杯だから、はやく持っておいでよ。」

    と登校も誘われたが、

    本人は「まだ書けてない」と首を振る。

     

    あとで聞いてみたら

    そもそも提出期限という発想は笑’になくて、

    書いたものは沢山あるものの、

    納得できないものを持って行くのはイヤとのこと。

     

    期限内に出すというルールがすっぽ抜けていることや、

    そうしたルールを無視してよい、ということではないのだけれど、

     

    今回はこの「納得」の方を取った方がよいかなあという判断で、

    先生には待ってもらうように私からもお願いして、

    まだ続けるんなら半紙を買い足した方がいいのかなあ~

    などとと思っていたら数日後、

     

    「やっと書けた♪」

    と嬉しそうに言ってきた。
     

     

    「名前がちょっとヘンテコだけど、よく書けた気がする♪」
     
    私に見せた後は清々した顔をして
    鼻歌混じりで習字道具を片付けていった。
     

     

     

     

     書き溜めた「生きる力」は、地域のどんど焼きへ持って行き、
     
     
    笑’が作った門松といっしょに燃やした。
     
     
    そのうちの数枚は、上昇気流にのって空に舞い上がった。
     
     
     にわかにハマったお習字タイムは、これにて終了。
     
    なんでこんなにハマったのかは、
    本人に聞いてみたところ、
     
    「この前学校で書いたやつは、時間が決まってるから、
     イマイチでも終わりにしないといけなかった。」そうで、
    その消化不良感が今回につながったのかもしれない。
     
    門松作りの時がそうだったように、
    自分の中の完成形のイメージがあって、
    そこを目指したのかなと思う。
     
     
    普段から、
    大人からみると、なんたらまどろっこしくて時間をかけるんだろう、
    と思うことも、
    細かい失敗とやり直しを何度も何度も繰り返した末
    自分の中に湧いた「目指すもの」「納得するもの」に届く経験は、
    小さなことでも大切だなと思う。
     
    こちらが想定する何倍もの長い時間を経て、
    「で~きた♪」
    と嬉しそうな声で見せに走ってきた時、
    それが大人が満足する形まで至っていなくても、
    くりくりした瞳と輝いた笑顔を見ていると、
    こっちまで嬉しくなってくる。
     
     
     
     
     
     どんど焼き会場「ひとまし」のすぐ下の川に降りてみると、
    久々の川は随分と寒々しかった。
     
    今年は暖冬で、
    ここ和合に移ってからの数年に比べれば過ごしやすいが、
    毎朝しっかり零下で、
    3時頃、陽が山に隠れると、
    瞬く間にぐんと冷え込む。
     
     
    ピリっとした寒さは嫌いではなく、
    葉の落ちた樹々と、岩肌と落ち葉で覆われた山々は風情があり、
    全体しんとした冬は、
    自分の奥の奥の部分を落ち着かせてくれる。
     
    ほとんど家か家周りで過ごし、
    一日中ストーブやかまどの火を見ながら、
    ネットショップの事々と
    自家用の加工品作りや豆の選別などの軽作業で
    ゆるりと過ぎていく日々は、私のリセット時間でもある。
     
    それでもどこか、
    あったかい春がやってくることを
    すでに待ち遠しく思っているのも確かなことだ。
     
     
    ==============
    「さわんど」よりお知らせです。
     
    12月、お店をオープンしてから、
    「さわんど」でお買い物がしたいのだけどできない!」
    という問い合わせがポツポツあり、
    最近また何件か続けてお問合せを頂きました。
     
    中にはおはがきで伝えてくださる方もいらして、
    すみません。
    私自身PCがあまりわかっていないので、
    問い合わせをいただいても、理由がわからないでいました。
     
    今回どういうことなのか調べている中で、
    うちが利用しているBASEというネットショップの運営会社さんおサイトの
    ヘルプ画面から、こんなものがでてきました。
     
    <対応している利用環境、プラウザは何がありますか?>
     
    私はよくわからないのですが、
    お分かりな方は「なるほど!」
    と思っていただける情報なのかもしれないと思って掲載しました。
     
    引き続き、「さわんど」でお買い物がしたいのにできない
    とお困りの方がいらっしゃいましたら、
    こちらのメールアドレスにご連絡ください。
     
    (☆マークを@に変更してください。)sawando☆ja3.so-net.ne.jp
     
    また、こういうことなんじゃないの?
    とアドバイス頂ける方がいらしたら、
    ぜひご一報いただけたら嬉しいです。
     
    よろしくお願いします。