畑を始めてから毎冬仕込んできた沢庵。
初めての時から美味しくできていたのに、
和合に越して来てからは失敗続き。
1年目は冷え込みの強さがわかっていなくて、
干している間に凍みさせてしまった。
そのまま漬けたら
歯ごたえのないスポンジのような、沢庵とはとても呼べない代物になって、
あきれるほど不味かった。
2年目は干す時期を早めたので、干している間凍らすことはなかったが、
冷え込みを気にしすぎて、家の中の北向きの部屋で漬けたら、
年明けの樽開けの時点ですでに酸味がでており、
最初から4月頃の味を食べ続けるハメになってしまった。
3年目は野外の屋根下で漬けたところ、
水がしっかり上がる前に、部分的に大根が凍みてしまった。
1年目ほど不味くはなかったが、
きちんと漬からず、生な味がいつまでも抜けなかった。
そして今年こそは!と、
考えた末北の部屋の出入り口で漬けることにした。
扉一枚で外と隔てられていて、風が直接当たらない分
野外の屋祢下よりも寒さは防げる。
そして床は直接コンクリなので、室内レベルの温かさはない。
気にして時折樽を覗いていたところ、
今年もやっぱり水の上がりが遅かった。
漬けてひと月たっても、表面のヌカがじわりと湿っている程度で、
このままだとまた凍ってしまうと思って
お隣のイツエさんに相談したところ、
天地返しをしたらいい、とのこと。
味噌や醤油の天地返しはしているけれど、
沢庵などの漬物は、漬けたらほっておくものだと思い込んでいた。
早速樽の上面の大根が樽底に、
樽底の大根が上面になるように並べ直したところ、
数日でしっかり水があがってきた。
相談してよかった♪
そしてドキドキの試食タイムは、
思わずふふふ♪
4年目にしてようやく、
うちの沢庵が戻ってきた。
イツエさん、ありがとう~~♪
(太鼓のバチ作りに一工夫)
きのこの塩漬けは下茹でした方がいいとか、
こんにゃくを作った時にでるゆで汁は、
洗い物に使うと汚れがよく落ちる、と教えてくれたのも
イツエさんだったと思う。
こんにゃくの凝固剤がアルカリ性だから?
とか、私は理由が気になるタイプだが、
イツエさんにすると「そういうもの」という感じ。
そして言われたとおりに、
例えばそのゆで汁でまな板をこすると、
黒いスス汚れがよく落ちるし、
シンクもきれいになる。
「そういうことはみ~んな、この家に来てから教えてもらった。」
母も義母も漬物は買ってくる人だし、
2人の祖母の記憶をたどっても、
孫のためにオーブンでパンやケーキを焼いてくれたけれど、
漬物樽をいじっている姿は見たことがなかった。
おそらく4人とも、こんにゃくを作ったことがないだろうし、
きのこ採りの経験もないだろう。
いっしょに暮していれば、また別のことを教わったのだろうけれど、
今こうして、うちの暮らしにとって必要なちょっとした知恵や工夫を、
ご近所さんからちょこちょこ教えてもらえるのは
ありがたいし、何より面白い。
今年は美味しい沢庵が食べられてうれしい。
特にストック野菜の種類が減ってきて、
おかずがマンネリ化する頃、
美味しい漬物があると、かなり助かる。
漬物を息子に送る母って、やってみたかったから、
ひねた味になる前に、九州のWacに送ろうかな (笑)。