暖かかった日、

スキー場のバイトが半日で終わって帰ってきたFu。

 

突然空いた時間を何に充てるのかと思っていたら、

「午後は薪割だ!」と、

ごはんを食べ終わったら、早々にチェーンソーを出してきて、

先日みんなで運んだ樹を薪サイズに切り始めた。

 


 

いやぁ~、

若さでしょうか、

持前の勢いでしょうか、


 


私はこの日、家の中で自分のことをして過ごしていて、

静かになったなあと思ってふと窓から外を見たら、

3時過ぎにはもう全部割り終えていた。


 

 Fuが薪積みしているところに、

竹籠作りが一段落したJir登場。


 

「な~にぃ~! もう全部やったの?(笑)」

 

兄のスピード作業に、私と同じように驚いて、

そのままいっしょに積み作業に加わった。


 


 

しばらくして、まだ割ってない丸太を発見。


節があって簡単には割れないもので、

uは諦めたのか、それだけ割らずに残っていた。


 

「へへへ~、オレ、これやる♪」


 

と、小走り。

 

再び戻ってきた時に手にしていたのは、

大きいくさびとハンマー。


 


何度もハンマーでくさびを打ちこんでいくうちに、

少しずつ裂け目ができていく。

 

斧で割れないものは、いつからかこうやって割るようになったのだが、

当然斧よりも時間がかかるし、

モノによってはなかなかの根性仕事。


これができる、

というか、自分からやりだすのがJir


 


 瞬発力の兄とコツコツ型の弟。

 

ナイスコンビだなと思う。

 

ここに段取り王のWacが加わると、

さらにスルスルと作業が進んでいく。

 

お互いの得意分野をお互いに解っていて、

誰がリードするでもなく、

うまく仕事を分担するようになった。

 

もちろん始めからこうだったわけではなくて、

3人とも大きくなって、

同じレベルの仕事ができるようになった、ここ1~2年の話。

 


「とき、これ見たら驚くぞ♪」

 

この時、家の主は醤油搾りのお仕事で遠出していて、

数日家を空けていた。

 

行く前に家前に積んでいった丸太が

戻ってきたら薪になって積まれているのを見たら、

そりゃ驚くし、うれしいだろうな。

 

そういうサプライズを仕込む楽しさを

子ども達はいつの間にか心得た。

 

 

 

 

 子ども達の働きのおかげで

冬の間に減った分の薪は充たされた。

 

その必要性も安堵感も喜びも、

子ども達の成長とともに、

これまたいつの間にか家族で共有する

当たり前の思いになった。

 

 

 今朝、子ども達が朝ごはんを食べている時に、

Fuが数年前、居間の窓から見える樹の枝に取り付けた巣箱に

シジュウカラが出入りしているのを発見した。

 

「もう完全に冬が明けたね。」と話す。

 

まだこの先雪は降ることはあるだろうけど、

強い冷え込みは、おそらくもうない。

 

日中の気温が上がってきて、

身体の縮こまりがほどけて、

ゆるやかに身体のあちこちの細胞が活動しようとし始めた感覚と、

まだじっと閉じこもった状態から抜け出すのを名残惜しんでいる感覚が

体内で同居している。

 

寒いからと先延ばしにしていたけれど、

温かくなる前にやっておいた方がいいこと、

畑に毎日出るようになる前に、済ませておきたいこと、

順番に予約が入っている味噌仕込みのための、麴作りの準備・・・

 

毎日少しずつ片づけているものの、

正直おっくうで手をつけたくないものもあったり、

まだあれもこれも残っている。

 

今年も3月は、こんな風に、

そわそわしているうちに過ぎていくのだろうな。