昨日、大切な存在のお客様がお亡くなりになりました。

末期のガンでした。4月に告知されてのことでした。

 

自分たちが知ったのは亡くなった後でした。

お客様の意向で自分たちには知らせないように、との事だったみたいです。

強面ですがとても男気があり人情深く、本当によく可愛がっていただきました。

 

弱くなった姿を自分たちに見せて心配させたくなかったとの事です。

最後まで勢いのある男として、その生き様を見せたかったんだと思います。

 

ご報告を受けた時、あまりの衝撃で立ちすくみ

現実を受け入れる事が出来ませんでした。

 

この6月6日にもお仕事のご依頼があり、

その時に息子さんや奥様しかお顔を見せられなかったので、

気になって様子をお聞きしていたのですが、

もうその時には既に療養されていたそうです。

 

いつもと違う表情で、変わらず元気ですよと答えられた奥様の対応に、

もっと敏感に反応すべきでした。もっと一歩気持ちに踏み入れるべきでした。

 

それができなかった自分は未熟過ぎで、

こんなにも後悔した事はないというほど、悔やみました。

 

今から4年ほど前に、ご自宅の全面リフォームをご依頼くださった時が出会いで、

それからは経営されておられる施設の改装から外構まで、

事あるごとにお声がけいただいて、とてもお世話になった方でした。

 

お仕事だけではなく、時にご家族の輪にご一緒させていただき

お食事やお酒をご馳走して下さったり、伺う度にコーヒー飲もう!

と招き入れてくださり、自分や専務をとても大切に扱ってくださっていました。

 

時には叱ってくださり、愛情を深く感じる事も幾度とありました。

 

頼むから一度自宅に泊まりに来て欲しい、一緒にお酒飲んで、

リフォームしてもらったお気に入りのお風呂に

社長と専務に入って欲しいんだと、言って下さっていました。

 

そのお言葉を果たせなかった事、今とても後悔しています。

 

そんな事言ってくださる方がどこにおられるだろう、

そんなにまで自分たちの事を想ってくださる方がどこにおられるだろう。

と今更ながらですが思い返し後悔ばかりです。

 

ご報告を受けて直ぐにご自宅に伺いましたが、

まだ何も恩返しも出来てなかったのになぜ亡くなられたんですか、

まだ何も感謝を伝えきれて無いです!知らせていただきたかったです、

さすがに辛すぎます、と感情と涙が溢れ出てしまいました。

 

奥様は泣きながら、ちゃんと伝わってたから大丈夫と言ってくださいました。

 

以前、こちらのお客様のことをブログに記載したことがあります。 

 

《今回、ユーモアのある人情味深いご主人と

朗らかで優しさ溢れる奥様と

明るく接してくださる娘さんや息子さんに

囲まれて作業を進める事が出来ました。

 

温かなご家族の優しいお言葉に何度も

気持ちが癒されました。

 

自分たちを信頼してるから

これからもネストコーポレーションに

頼むからね。と言って下さった時

涙が落ちない様にするのがやっとでした。

 

嬉しくて有り難くてもったいなくて。

 

この気持ちをひと時も忘れたくないです。

忘れて淡々と仕事を

こなしていく人間にはなりたくないです。

 

この熱い想いを

カタチにしていける男でありたいです。

 

尽きせぬ感謝をこれからも

心を込めて示していける

ネストコーポレーションでありたいです》

 

 

このブログを見返した時、お客様が痛みで苦しんでいた時に、

忙しさにかまけていた自分は一体何を大切にしているのだろう、

と反省しかありません。

 

本当に大切に感じているなら、本当に感謝を感じているなら、

何か気になった時は忙しさを後にしてもお会いしにいく心と気力がないと、

全く意味が無いと気付かされました。

 

自分たちにできる事は、残されたご家族に

気遣いと心遣いを示し続ける事なんだと感じます。

 

尽きせぬ感謝が言葉遊びになってしまっていたら

ネストコーポーションはお終いだと思っています。

 

64年間、本当にお疲れ様でした。

そして自分たちへのご親切や弊社へのお声掛け、本当に有難う御座いました。

教わった事、決して忘れません。

肝に命じて、この先も踏ん張りたいと思います。

 

そして全ての人の悲しみの涙がぬぐい去られ、

死もなく嘆きも苦痛もない、そんな世の中になる事を願いたいです。

 

〜心からの尽きせぬ感謝と共に〜