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「よく分からないもの」を否定しちゃダメだ

 
今年6月にフランスで開催される世界最古&最大のアニメーションの祭典『アヌシー国際映画祭』へのエントリーに間に合わせる形で、現在、鋭意編集中のコマ撮り短編映画『ボトルジョージ』のクラウドファンディングが昨日あらたにスタートしました。
 
製作費と広告費を集めることを目的としたクラウドファンディングなのですが、リターン(返礼品)は「エンドロールに名前を掲載」の一種類のみで【限定70枠】となっていたのですが、ありがたいことに「即日完売」というか、70枠がすぐに埋まって、数時間で『980万円』の支援が集まりました。
 
ここからサイトの手数料を抜いた分がコマ撮りアニメーション『ボトルジョージ』の製作費にまわるわけですが、この結果を見て、おそらく「クラウドファンディングという選択肢を持っているor持ってない」について考えさせられると思うのですが、クラウドファンディングの普及に努めてきた人間からすると、この問題はもう少しだけ深刻で(僕のビジネス書にも書いていますが)「自分の身の回りにクラウドファンディングの知識を持っている人・クラウドファンディングにログインしている人・クラウドファンディングを前向きに捉えている人がどれだけいるか?」というのが、大きく影響してくるんです。
 
クラウドファンディングで「支援しようかな」と考えた人の手を止める一番の理由は「ログインが面倒くさい」だったりするので、自分だけが「クラウドファンディング」のことを理解していても、あまり大きなインパクトは作れないんです。
 
恨み節に聞こえちゃったら嫌なんですけども、12〜3年前のあの時点で、クラウドファンディングに対して、「よく分からないけど、一回、触ってみよう」とした人と、「怪しい!詐欺だ!」と石を投げちゃった人(あるいはそのコミュニティー)の差というのが、今、残酷なぐらいに出ていると思います。
 
僕はずっと「よく分からないものを否定しちゃダメだ。自分の未来も、自分のまわりの人の未来も殺すから」と言っているのですが、多くの人は「その日」が来るまで分からない。
 
自分がどれだけ愚かなことをしているのか、そのイメージができないんです。
 
 

「選択肢の多さ」こそが生き抜く力

 
今で言うと、「NFT」が当時のクラウドファンディングに似ていて、世間的には「NFT? 何それ、怪しい」という層と、「NFTって、ちょっと前の流行りじゃない?」という層が多くを占めるのかなぁと思うのですが、NFTをチョコチョコ触っている身からすると、「まだまだ分からない。NFTを絡めた打ち手が何かありそう(可能性がゼロとは言い切れない)」といったところで、NFTという選択肢を手放そうとは思わない。
 
もちろん叩こうとも思わない。
 
自分の未来も、自分のまわりにいる人の未来も殺したくはないので。
 
じゃあ、具体的に『NFTを絡めたコマ撮り短編映画の予算作り』は、どんな打ち手があるのか?
 
去年か一昨年、オンラインサロンの方で散々言っていたことでいうと、そもそも「コマ撮りアニメーション」なので一枚一枚の写真があるから、それをNFTで出す…というアイデアもある。
 
ただ、NFTを触っていると分かるのですが、「理屈ではそうでいけるんだけど…」というのがあって、やっぱ「ギャグ性」みたいなのは大事なんです。
 
「そうきたか」という。
 
それでいえば、YouTube上に、各国版(タイトル表記が違うだけ)の『ボトルジョージ』を100個ぐらいアップして、その動画のオーナー権をNFTで出す…とかは面白そうです。
 
「動画の概要欄のリンクに飛べば、この動画の現在のオーナーが誰だか分かる」みたいな。
 
YouTubeの広告費を紐づけることができれば(動画の広告収入が自動的にオーナーに入るように設計できれば)、「そうなってくると、スペイン語版の『ボトルジョージ』の動画を買おう」みたいなノリが生まれて最高だなぁと思うし、技術的にはそこまで難しくはないのかなぁとも思います。
 
いずれにせよ、こういう可能性がある以上、僕は「NFT」という選択肢を手放そうとは思わなくて、これこそが生命力(生き抜く力)なんだと思います。
 
今、多くの人が「正義中毒」という現代病にかかっていて、「叩ける人を見つけたら、見境なく叩く」という快楽に陥っていますが、さっきも言いましたが、その中には、自分の未来や、自分のまわりにいる人の未来を殺してしまいかねないものも含まれているので、「発信」にはもう少し慎重になった方が良いと思います。
 
 

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