ACT322運命のグランドクロス
クオン(蓮)はエリックのお墓まいり
をしていたが、夜になったことに
気づかないでいた。
管理事務所の老齢の女性が、ランプを
置いてくれた。
「すみません‥長居を」
「良いんですよ 積もる話もあるん
でしょう?どうかお気の済むまま」
老齢の女性は十字を切って去って
いった。
不思議に思うクオン。
女性は同僚に「あの子はきっと
主の御使いに違いない」と話すと
同僚も「とっておきのお茶を
ご用意させていただこう」と
答えるのだった。
その時、キョーコからの着信が
入るのだった。(会話は前号)
リムジンにはクー、ジュリエナ
夫妻が乗っていた。
マネージャーが口にした
「ジェリー・ウッズ」の名前に
反応するふたり。
「頑なに本名を明かされないのが
気がかりですが、宝田社長のご紹介
ですので信用には値‥」
「その人なら大丈夫」「100%」
二人の反応に「お二人ともお知り
合いでしたか」と微笑むマネージャー
に「間接的にではあるがね」と
答えるクー。
その時、ジュリエナがハッとする。
「さっき‥来てると言った?もう、
来てるの?アメリカに?」
ジュリエナの言葉に頷くマネージャー。
「ええ、今ニューヨークにいらっ
しゃるようです」
8号(3月19日発売)につづく